***近々のイベント等を優先して投稿していたため、ひと月ほど前に観た絵画展の記事の下書きが溜まっています。
小出しになりますが、ゆっくり投稿していく予定です。



軸『世相三題』 堂本印象。


3幅の軸装からなる、印象の絵専卒業作品です。


3幅のうち左の軸は『白蔵主(はくぞうす)』の伝説をテーマにしたもの。


猟師に狙われ、山に狐がいなくなるのを案じた老狐が、


住職である白蔵主に化けて、


猟師に殺生をやめさせようと説得する場面です。


中央の軸は、仏教説話集『日本霊異記』によるもので、


僧が髑髏(どくろ)を拾い上げて木の上に置くと、


死者が蘇り恩返しをしたという内容です。


右側の軸は、如拙(じょせつ)の『瓢鮎図』にならったもので、


瓢箪で鯰を捕まえようとしている様子を描いています。


以上3作品をまとめて『世相三題』と題されているのですが、


3作品に共通するものが見つけられず、


なぜ『世相三題』なのかよくわかりませんでした。


印象は寓意画に関心を持っていた時期があったとのことで、


日本昔ばなしのような物語を題材にした3作品で繋いだのかも知れません。


堂本印象のプロフィール。