特別展のタイトルに雪舟とありますが、
「雪舟展ではありません」と、リーフレットやポスター等で告知しています。
雪舟の国宝と重文に加え、
雪舟に憧れ、雪舟の技術を受け継いだ画家たちの作品が展示されています。
巡回展ではなく、京都限定開催であることも魅力のひとつです。
他府県からの観覧者も目立ちました。
サブタイトルに『「画聖(カリスマ)」の誕生』とあります。
「画聖(がせい)」と書いて「カリスマ」と読ませています。
「本気」と書いて「マジ」的な??
画聖とは、とても優秀な画家を意味します。
雪舟亡き後、数々の有名画家が雪舟の後継者を自称し、
その流れを汲む派閥が起こりました。
特に雲谷派と長谷川派、狩野派は大きな系図となっています。
それらに続いて時代とともに、
雪舟の影響を受けた光琳・若冲・応挙らが名を連ねていきます。
これが画聖の漢字に「カリスマ」と当てる由縁です。
彼らが描く雪舟の作品の模写は忠実でありながらも、
自身の特徴を表現しているのが興味深いポイントです。
(また、『THE LEGEND OF SESSHU 〜Birth of a Master Painter』との英語表記のセンスも良いです)
涙でネズミを描いたという雪舟のエピソードと、
国宝の天橋立図、四季花鳥図屏風は、
おそらく誰もが見聞きしたことがあるかと思います。
今回の企画は7章に分けて構成されており、
博物館3フロアの空間を贅沢に使いながらの展示で、
とてもわかりやすく観覧を楽しむことができました。
繰り返しになりますが、巡回なしの京都だけでの開催です。期間は5月26日まで。
また奈良国立博物館では、
『空海 KUKAI 密教のルーツとマンダラ世界』が6月9日まで開催中です。
合わせての観覧はいかがでしょうか。