こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を 原裕輝 と隔週で担当しています。
女性からのご相談でよくあるものの一つに、「彼が、たまには一人にしてくれよと言うんです」というものがあります。
やっと彼と同棲できることになり、彼女としてはずーっとイチャイチャしていたいのですが、彼ときたら、「週イチぐらいでおれを放し飼いにしてくれ」などと言うわけです。
そんなことを言われたら、「私はあなたのお気に入りじゃないの?」などと心配になってしまいますよね。
また、「一人でいたいのであれば、同棲なんかせず、別々に住んでいたほうがよかったんじゃないの?」とも女性陣は思い、戸惑うわけです。
女性の中にも「一人の時間がほしい」と思う人はけっこういますが、やはりこの傾向は圧倒的に男性に多いようです。
そして、一人の時間を好む男性には次のような共通点があります。
一つは、日ごろから気を使い、人の目を気にしやすいということです。
もう一つは、自分ががまんしたり、裏方に回ったりすることで、だれかをいい気分にしたり、持ち上げたりする場面が多いということです。
とくに接客業やサービス業の男性によくあるケースです。
いずれのタイプも自分のことを後回しにすることが多いので、「たまにはだれにも気を使わずに羽を伸ばしたい」と思うわけです。
女性でも、子育てを経験した人などにはこの気持ちはわかりやすいかもしれませんね。
ご主人や親御さんから「子どもは面倒を見ておくので、たまには一人でゆっくり喫茶店で過ごしたり、ショッピングを楽しんだりしておいで」などと言われたら、どうでしょう?
赤ちゃんやものごころのついていない子どもは、すべてに手がかかり、おかあさんは自分のことは後回しにし、子育てに必死です。
そんなとき、自分だけの時間ができたら、なによりもうれしかったりしますよね。
日常生活で気を使うことの多い男性が「一人になる時間がほしい」と思うのも、それと似たようなことといえるでしょう。
男性の場合、物理的に一人にならなくても、ゲームに没頭したり、自室でアマゾンプライムなどの配信動画を観たりすることで、自分だけの世界に入ったりすることもよくあります。
また、人によっては、「ゴルフの打ちっぱなしにいってきまーす」とか、「ジムでトレーニングしてきまーす」とか、私のように「温泉に行ってきまーす」とか、「サウナに行ってきまーす」とか、それもまた自分だけの時間をつくることになるわけです。
もう一つ、「一人になりたい」の背景に、「自分はあまりよいものではない」という自己概念がある場合があります。
この場合、自分を知られることが恥ずかしいので、二人の間の距離を保とうという思いが働いています。
これは女性のみなさんが彼とベッドインするときに「電気を消してほしい」と思う心理とよく似ています。
自分をぜんぶ見られたり、知られたりするのは恥ずかしい。だから、「嫌われないように、自分を隠しておこう」ということです。
つまり、二人でいるのがつまらないとか、楽しくないからではないのです。
すべてを知られ、見られたら、自分を愛し、受け入れてもらうことはできないだろうという思い込みがあるわけです。
人はなんらかの自己嫌悪をもっていると、他者もまた自分のその部分を嫌うだろうと思いがちです。
しかしながら、男女関係には、自分自身では愛せない自己嫌悪の部分を、たがいに愛し、受け入れることで、二人の絆が強まっていくという側面があることも事実です。
ですから、もしも、あなたの彼が自己嫌悪の強い人なのであれば、彼があなたに対して、徐々に徐々にオープンになれるようにしていくことが大事です。
自分を隠そうとする彼の態度に目くじらを立てたり、怒ってしまったりすると、彼は「ほーら、やっぱり自分は罰せられるんだ」、「怒られるんだ」という思いが強まってしまいます。
たとえば、「一人で出かけるのはいいけど、淋しいから、早く帰ってきてね」という言葉とともに、彼を送り出してあげてはいかがでしょうか。
その言葉にこめられた「私にとって、あなたは価値がある人だ」というメッセージが彼のネガティブな自己概念を変えていってあげられるかもしれません。