こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
「彼とつきあうかどうか、なかなか決められないんです‥‥」
こんなご相談をいただくことがしばしばあります。
このタイプの人は、彼とのことに限らず、人生のさまざまな場面で「なかなか決められない」ということが多いようです。
「決められない」の深層心理にはいくつかのパターンがありますが、いちばん多いのが、これまでに自分で決めてきたさまざまな事柄に“選択間違い”が多かったということです。
たとえば、まわりの人たちに「あの彼はやめときなさいよ」と言われたけれど、「大丈夫、大丈夫」とおつきあいをしてみた結果、みんなの言う通り、ひどい恋愛になってしまったとか‥‥。
まわりからは「ほーら、言ったでしょ」とか「だから、言ったじゃない」などと言われてしまいます。
さらに同じような失敗を何回もすると、「今度は大丈夫なの？」とあなたの選択を疑うようなことを言われたりするようになったりして、「だったら、私はもう選ばない！」と怒ったり、すねたりしてしまうことがよくあります。
そもそも自分の選択に自信がないので、心の中は「また失敗してしまうんじゃないか、だって、こんな私が選ぶんだもん‥‥」という思いにも支配されがちです。
「決められない」の別のケースとしては、いわゆる“育ちのよい人”に多いということが挙げられます。
自分で考えて決めなくても、パパやママの言うことを聞いていれば、たいてい間違いなく、それなりにうまくいくという人生を送ってきているわけです。
また、こうした家庭に意外と多いのが、「テレビはNHKしか観てはいけない」というルールです。
学校の休み時間、同級生はアニメの話で盛り上がったりしていますが、民放は観てはいけないので、なかなか入り込むことができません。
で、パパやママがいないときにこっそりと民放のアニメを観てみたりするわけですが、おもしろいと思うと同時に、そこには罪悪感というイヤな味が伴います。
ママからは「健康にはお肉より野菜がいいのよ」とか、あなたが惹かれるジャンクフードは「悪魔の食べ物よ」などと言われることもあるでしょう。
すると、お肉やポテトチップスが好きなので選びたいと思ったとしても、それはママが反対するし、もしも、選んだら、ママを傷つけてしまうことになる‥‥などと考えたりもしてしまいます。
それは進学・就職に関しても同じで、パパに「この大学にしておきなさい」、「この会社にしておきなさい」と言われ、その通りにしてきたから、あなたのいまのステータスがあるともいえるわけです。
すると、パートナーをつくることや結婚に関しても、親がよろこぶパートナー、親がよろこぶ結婚という基準で選び、自分の気持ちは後まわしになってしまうなどというケースも出てきます。
もう一つ、「決められない」で多くあるのが、なかなか大人になりきれない依存者タイプです。
「自分はなにもできない子どもなんだから、親やまわりのしっかりとした人に決めてもらわなければいけない」と考えているわけです。
だから、うまくいかなかったときは、「こんなことを決めた親のせい、だれだれのせい」と人のせいにします。
かつ、「やる気はないのだけど、やらなくてはいけないのなら、うまくいくような選択がしたい」と思っているので、なかなか自分で決められない‥‥というか、「なんで私が決めなきゃいけないの？」という態度に出たりする厄介なタイプでもあります。
3つのタイプを紹介してきましたが、いずれにも共通しているのが、決めることがめんどくさいので「先延ばしにする」ということです。
「それで、どうするの？」などとせっつかれると、自分で決められないことと相まってイヤになってしまい、逃避したり、逆ギレしたりもしがちです。
では、なぜ、先延ばしするかというと、万一、自分で決めて失敗してしまったとすると、自分を激しく責めてしまうので、それを避けようとする気持ちが働くからです。人に決めてもらおうと思うのも同じ理由です。
しかしながら、人生とは自分で決めないかぎり、その責任を自分でとることもできないのです。
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