ヒマラヤに棲むという雪男。
その捜索に情熱を燃やす人々がいる。
捜索隊に誘われた著者は、60日間にわたる捜索期間の中で、雪男を探す彼らの奇妙な体験談に引き込まれていく…。
雪男を探す冒険記というよりも、雪男に取り憑かれた人たちに焦点を当てた物語です。
オカルト的な話は全くなく、事実に基づいて書かれた捜索隊の真摯な内容です。

雪男はいるのか?いないのか?
著者曰く
何かがこの世に存在しないことを証明するのは
現実的には不可能。"雪男"に選ばれたか、選ばれなかったか…私は雪男の存在を、実際の捜索現場ではなく、接した人の姿の中に見たのだ"

色々な本が出版されていますが、雪男のことを真面目に書いた本は、本書が初めてだと思いました。
第31回新田次郎文学賞受賞作。