戦時中に中国で密偵になり、戦後も帰国せずに中国、チベット、インドを足掛け8年間歩き続けた本書の主人公を描いたものです。
著者は何度もインタビューを行い、彼が遺した
3000枚超の原稿を元に、約30年の歳月をかけて完成させたのが本書です。
あの時代に、アジアの広大な土地をほぼ歩いたこと、日本人であることを隠す為、蒙古人のラマ僧の巡礼を装って暮らします。
ヒマラヤを9回超え、多くの言語を覚え、経文や御詠歌も覚え…骨太でストイックな生き方…
もう衝撃の連続で、約600ページの本書でも物足りないほど。
別ルートで潜入していたもう一人の日本人が捕まり、共に強制送還され旅は終わります。
口数は少ないけど、主人公の無念さがヒシヒシ伝わってきます。(もう一人の人、いらんことするな〜!です…)

読了後、著者の"深夜特急"再読しようと思います。
そうか…深夜特急につながるのか…⁈