“こちらこそ楽しい時間をありがとうニコニコ 電車乗れたよキラキラ しかも新快速やったおかげで仕事には間に合ったよキラキラ これも愛の力やな~。今日は実家やな。安全運転で帰りやにひひ



お昼前に恋人からこんなメールが届いた。


愛の力……って(笑)

思わず笑ってしまった。




昨日の19時前に彼がやってきて、ちょうどアタシも仕事から帰ってきたところだったので、近くのデパートのレストラン街で一緒に食事をした。

食事を終えるともう20時。


すみません……食べるのが異常に遅いのです、アタシあせる



デパートの2階からペデストリアンデッキに出て、マンションのある方向へと歩いていると、


「んー、デザートがほしい気分」


と、彼が言った。


甘党な彼。

コーヒーもブラックでは飲めない人。

いつも、アタシの分のミルクと砂糖まで奪って追加投入するほど。


うーん、将来はメタボかもショック!



「いちご大福ねぇ……」


彼の視線の先には、老舗の和菓子屋さん。

いちご大福の旗がヒラヒラと揺れていた。



「もしくは、その下のスーパーにもデザートのコーナーがあるよ。今の時間ならギリギリあっちのスーパーも開いてるし」


一応はそう提案してみる。


「ん? え、じゃあ、どうする?」


アタシの提案に彼が戸惑っているようだったので、確信した。


彼の心はもう、“いちご大福”に決まっているんだな、と(笑)



「でも、いちご大福にする?」

「んー、そやなぁ。なんかいちご大福が食べたい気もするなぁ」

「んじゃ、そうしよっか!」



彼の場合、曖昧な言い方をするときはたいてい、心が定まっている。

どうせアタシには希望も決断力もないので、彼の“心に決めたもの”が何なのかを聞き出すことが常となっていた。


というわけで、昨日更新した記事 のとおり、帰宅後、お茶を淹れて一服したというわけです。




彼がウチに来るときというのは、ほとんどが深夜。

早くても22時ぐらいなので、こうしての~んびりお茶を飲んで……ということがまずない。

それだけに、とても幸せに感じられた。




「今日は早かったんやね、仕事終わるの」


19時前に来ようと思うと、16時半ぐらいには仕事が終わっていないといけない。


「うん、まぁね。……ていうか、終わらせた(笑)」

「終わらせたんや(笑)」

「うん、どっちかというと、無理やり早く終わらせたね~(笑)」


この幸せな時間は、彼が無理してつくってくれたものなんだと思うと、申し訳なく思うと同時にうれしかった。

アタシたちが、このプチ遠距離の状態で8年も付き合っていられるのは、彼がこうして会いにきてくれるから、彼がそれをいとわないからに他ならない。

それを強く強く実感した。


「で、明日なんやけどな、朝6時すぎの電車に乗りたいねん」

「うん、わかった。6時すぎね!」

「ゴメンな、ホンマはもっとゆっくりしたいんやけど。9時には(仕事場に)入っておきたくて」


当初は、翌朝(今朝のこと)がゆっくりめの出勤で大丈夫だからと、ウチに来てくれるはずだったのだけれど、仕事を早く終わらせた分、早く行かなきゃならなくなったのかもしれない。


「んーーー」


難しい顔をして彼が唸った。


「ん?」


アタシが首を傾げると、


「あ、ゴメンゴメン。明日の仕事のこと考えてた」


と、彼が苦笑した。


「仕事、大変なん?」

「んー、いや、そうでもないで」

「そっか」


彼の仕事の邪魔になるようなことだけは、絶対にしたくない。

これは常々、アタシが思っていること。


いつもこちらに来てもらってばかりだし――もう1つの仕事にしても、彼の家からはかなり遠いので、形上はアタシが仕事場に潜入しているけれど、実質、彼がこちらに来てくれていることになる――アタシにできることといったら、彼の邪魔をしないことと、できるだけ無理をさせない時間を提供することぐらい。


いちご大福にしてもそうだけど、彼が食べたいものがあれば、行きたい場所があれば、観たいものがあればそれに従うし、それがアタシの幸せでもあった。




シャワーを浴び、22時には早々とベッドへ。


「寝る準備しよっか」


と彼が言うので、テレビも電気も消した。


「こんな時間から寝るなんて、なんか変な感じー!」


アタシがちょっとはしゃぎ気味で言うと、「そやな」と彼は笑い、アタシの頭をなでながらキスをした。

びっくりした。

ベッドに入って1分も経ってないというのに、もうスイッチオンらしい。




おそらく時間がまだ早いからなのだろうけれど、その日の彼の攻め方は、いつにも増して執拗だった。

普段はあまりやらないようなことまでされて、何度も何度も……もう、どうにかなってしまいそうだった。


いつもなら1時間で終わるところを、昨日の夜は、2時間近く経っていたように思う。



終わった後は2人ともぐったり疲れ果てて、すぐに眠りについてしまった。

ま、彼がすぐに寝るのはいつものことだけど(笑)


1時ごろ、彼がトイレに起きたのをきっかけに、服を身につけ、改めて就寝。


それから朝まで熟睡……とはいかず、おそらく彼は無意識で(もしくは夢で?)なのだろうけれど、何度も何度も彼の手が服の中に侵入してきては、胸やお尻、背中をなで回され、そのたびに目を覚ましてしまったあせる



彼に背を向ける形で寝返りをうつと、背後から彼に抱きしめられた。

胸の先を指で強くいじられ、思わず声が漏れる。


耳を舐められ、彼の息遣いが荒くなっているのがわかった。


……と、そのままその息遣いは寝息に変わり(笑)、とにかく翻弄され続けた夜だった。




明け方、トイレに起きたときに時刻を確認すると、すでに5時半をすぎていた。

6時すぎの電車に乗るには、そろそろ準備をしなければならない。


そう思いながら彼が寝ているベッドに戻ると、グッと引き寄せられた。

彼も目を覚ましたらしい。


そのまま「起きようか」となるものだと思っていたのに、彼の次の行動は、アタシの服を脱がせようとしていた。


「大丈夫なん?」と訊こうとすると、唇をふさがれた。

こういうときの彼は、もはや止められるはずもなく。



朝からたっぷり1時間、愛し合ってしまった……。




「ねぇ、時間大丈夫なん?」


もう遅いけれど、一応、訊いてみる。


「今、何時?」

「えっとねぇ……6時……50分ぐらい」


暗いので、時計の針を読むのに苦労した。


「おっと、なかなかいい時間やねぇ(苦笑)」


そう言いながら、彼が、体を起こした状態のアタシの濡れた部分をティッシュで拭き取ってくれる。


「……ありがと」


なんだか照れくさい。

彼の分と合わせて、ティッシュを始末する。


「じゃあ、そろそろ準備せんとな。でも……」


腕を引っ張られた。

彼の上に覆いかぶさる形になる。


「……もうちょっとだけ」


強く強く抱きしめられた。

何度か軽くキスをする。


そして、「じゃ、シャワー借りるわ」と、彼が立ち上がった。




サッとシャワーを浴びて、彼が部屋に戻ってくる。

着替えながら、


「なぁ、この時間なら電車って4、5分に1本はあるやんな?」


と問うところをみると、やはり、時間は厳しい模様。

彼は最近いつも、京都の友達の家に車を置かせてもらってから、電車でやってくる。


「うーん、どやろ。土曜日やしなぁ。土日祝日はダイヤが違うし」


そう言いながら、アタシはケータイで時刻表を検索をした。


「えっとね、今からやと……7時4分は無理やな。8分があるわ。これ乗ったほうがいいかも」

「え、8分? 今何時? 7時ちょうど? 無理やろ」

「でも、その次は19分やで」

「マジで!? じゃあ、8分乗るわ。ここから駅まで2、3分やんな?」

「電車の時刻の5分前にここ出たらちょうどやねん」

「わかった」


急いでドライヤーで髪の毛を乾かす彼。


「OK、これで大丈夫!」


時刻は7時2分。


「ゴメン、最後バタバタしてしまって」

「ううん、頑張って!」

「頑張るわ。今日もありがとう」


最後にキス&ハグ。

玄関まで見送る。


彼が外に出たときに、3分になった。

ちょうど電車の発車時刻の5分前。

大丈夫、これなら歩いても間に合う。


ドアを閉めてから、ホッと息をついた。




“乗れた? 昨日右矢印今日も来てくれてありがとうニコニコ 一緒に過ごすとなんでこんなに時間があっという間なんやろ。すごく幸せでしたラブラブ 気をつけて帰ってね車DASH! お仕事頑張って~グッド!



しばらくしてから彼にメールを送った。

その返信が、お昼前に届いた冒頭のメールだった。


7時8分発の電車が新快速(関西のJRでは一番早い=停車駅が少ない)だというのはわかってて、乗ったほうがいいと勧めたんだけどな~、と思いつつ(笑)


仕事が間に合ったのは愛の力ねぇにひひ



でも、朝にセックスをすることは、男女ともに精神安定剤の効果があり、精力的に仕事に取り組めるということが、医学的な面からみても言えるらしい。


そう考えると、彼が落ち着いて運転できたのは“愛の力”なのかしらあせる




そんなアタシも、彼がメールに書いているとおり、これから実家へ帰ります。

タイヤをノーマルからスタッドレスに換えてもらうため。


父親にすべてやってもらっているので、父が休みの日に合わせて帰ろうと思っていたところ、明日が休みなんだとか。

さらに、少し前に父が福井へ行って、カニを買ってきたらしく、今夜はカニ鍋をするから今日に帰ってこいと、母からメールが届いたのです。


ということで、アタシも“愛の力”で安全運転をして、実家に帰ることにいたします家




もちろん、KinKi Kidsの「J album」を聴きながら音譜