数日前に読んだ本だが、忙しくて書けなかったので今日書く。
今回はエッセイ。
17冊目
読了日 2011年6月20日
読んだ本 「父の威厳 数学者の意地」 藤原正彦
藤原さんは言うまでもなく「国家の品格」等のエッセイを書かれた方である。
本業は数学者。
エッセイは何作か読んだが、どの本にも共通して込められている思いが見受けられる。
日本人が失いつつあると言われるものへの愛着、寂寥感の様なものである。
それを前面に押し出して刊行されたのが「国家の品格」なのだろう。
本作では、妻と3人の息子との生活における様々な出来事を通して、西洋とりわけ筆者が研究者として留学していたイギリスやアメリカと日本の文化の違い、根底にある考え方の違い、新しいものへの懐疑と古いものへの憧憬、と言ったことにさりげなく触れている。
研究者らしく論理的な話もあるが、取り立てて難解なテーマは無い。
ユーモアにあふれた読みやすい作品なので、是非ご一読を。
面白おかしく読みつつも、どこか考えることのある作品である。