今日は原田宗典さんの作品
16冊目
読了日 2011年6月19日
読んだ本 「十九、二十」 原田宗典
原田さんというと、エッセイのイメージが強いかもしれないが、小説もエッセイとは違った感じで面白い。
本作品の主人公はもうまもなく二十歳になる大学生。
父は職を失って借金まみれ。
恋人には突然別れを告げられる。
帰省代金を稼ごうと見つけたバイト先はエロ本の出版社。
そんな状況の中で、中身の濃い夏休みを送る主人公。
十代最後の夏のもどかしさ、みたいなものが感じられる作品である。
自分はその頃どんな感じだったかなぁと考えながら、楽しく読めた。
ポール・ニザンの有名な言葉に
「僕は二十歳だった。それが人生でもっとも美しい時だなんて誰にも言わせない。」
という言葉がある。
でもやっぱり二十歳ってどこか特別なもんなんだろう。
作中より
「本当に欲しいものはな、欲しいと思ったその瞬間に捉えないと、すぐにどこかへ行っちまうんだよ。」
本当に欲しいもの・・・何だろう。