息子が中学入学と同時に寮に入ることになり、

寮でちゃんとやっていけるのかは心配だったものの、

それよりも心配だったのは、娘です。

 

中学が休みの時に息子が帰ってきやすいようにと、こどもたちが生まれてからずっと過ごしてきた所から引越しをしたので、

年子の娘は、6年生という大事な時期に、転校と転塾をすることになったのです。

 

もちろん引越しは、娘が嫌だと言えば、しないつもりでした。

ですが、事情を説明した上で相談すると、「うん、いいよ、大丈夫」との返事。

息子はとても感謝していました。

そういった事情があったため、新しい自宅は娘の選んだ所で決めたのですが、

それでもやはり、いくらLINEでやりとりができるとはいえ、お友達からも離れ、

受験の年という、ただでさえ大変なこのタイミングで、何もかもが新しくなってしまう状況を、

私はものすごく心配していました。

 

 

 

息子は新しい環境にすっかり馴染んで、とても楽しそうに過ごしていました。

土曜日の夜に帰ってきて、日曜日の午後には寮に戻る生活でしたが、毎週帰ってこられてもいました。

娘も、6年生ともなると塾の時間が多くなり、なんだかんだと忙しく過ごしていましたし、

新しい学校も、自分で選んだだけあって、それなりに気に入っているようでした。

ですので、こうして振り返ると、息子の不在が一番堪えたのは、私だったのかもしれません。

ですが、当時は、娘のよき友になってくれる存在がもう少しいてくれたら、という思いで、

とても大きな決断をしました。

 

 

 

 

 

もう1匹、家族を迎えることにしたのです。

 

 

 

 

 

 

 

マルポメの女の子です。

パパがマルチーズ、ママが茶色のポメラニアンだそうです。

 

 

こどもたちは、上の子をお迎えする時に、本当は兄妹で2匹お迎えしたがったのですが、

私は実家で犬と猫を飼っていたことがあったものの、仔犬となると久方振りですし、いきなり2匹お迎えするのは自信がなくて、

結局娘が、お迎えしたかった子を諦めたという経緯がありました。

(その後夫はしばらくそのブリーダーさんのホームページをチェックし続けてくれていたのですが、

 私がいける!と思える前に、間もなくいなくなってしまいました)

 

でも、いつかは、それも、あまり上の子と年齢が離れないうちに、と思っていたので、

今がそのタイミングなのでは、と思いました。

 

 

 

お迎えしてみて、私はこどもたちが小さかった頃のことを思い出しました。

 

息子は穏やかでのんびりしていて、基本的にはお行儀のいい子で、

育てるのがとても楽な子だったと思います(当時は)。

早産で、2000gちょっとしかなかったので、

私と一緒に退院したのですが、体も小さいし、泣き声も小さくて、

そして、2歳を過ぎてもほとんどしゃべらないので、とても静かでした。

本当に小さい声で、「まーまー」と、囁くように私を呼びました。

 

次男のチワプーも、とても静かです。

1日に一度も声を出さずに終わる日がよくあります。

抱っこした時も、体つきが柔らかいです。

大人しく、怖がりで、15センチくらいの段差が急に上り下りできなくなったりします。

 

 

この二人と比べると、娘は、とにかくおてんばでした。

ふと気がついたら、ダイニングチェアに上り、ダイニングテーブルに上ったようで、

そこからキッチンカウンターに登ってきて顔を出し、私を驚かせました。

私はあまりの驚きに頭が真っ白になってしまい、

とにかく抱きかかえて、

「えーーーーーー、息子はそんなこと一度もしたことなかったのにーーー💦」

と、ものすごい衝撃を受けたのを覚えています。

娘に対しては、息子とは違った配慮が必要なのだと思い知った瞬間でした。

また、計画分娩で早く出産したにも関わらず3000gを超えて生まれた娘は、

その時ご一緒だった赤ちゃんたちの中では、娘より大きかったのはドイツと日本のハーフの男の子だけ、というくらいがっしりしていて、

おしゃべりも早く、主張もしっかりしていました。

息子だと、「んーんー」と抱っこして欲しそうにしていても、

察しの悪いふりをして「どうしたのかなー?」と抱っこせずにいると、

「まぁ、仕方ないか。。。」と諦めてしまうのですが、

同じことを娘にしてみたら、

「抱っこして!って言ってるの!!!」

とキレられ、うわ!めっちゃしゃべった!とびっくりしたことがありました。

娘も普段は全く声を荒げたりしないので、

ああやって怒ったのは、唯一この時だけだったね、と今では笑い話になっています。

 

 

そして次女のマルポメ。

ものすごいおてんば娘です。

 

 

 

 

 

あれっ、家を噛んでる…!?

上の子はそんなことしなかったのに…!!!

 

 

 

 

 

 

 えっ、もはや乗ってるやん…!驚き

 

え、犬ってそういうものなの…?

 

 

 

 

 

使ってはいるけど、なんか違うんだよな…

 

 

 

 

 

 

頭隠して…尻どころか、頭以外全部出てるで。

 

 

娘が年長さんだったある日、幼稚園にお迎えに行くと、担任の先生から、

「すいません、今日、ちょっと、ロッカーから出てこなくなっちゃって・・・」

と言われました。

「え、ロッカーって、あのロッカーですか・・・?」

と伺うと、

「そうなんです、あのロッカーです・・・」

なんでも、園児のみんなが使っているロッカーにこもって、出てこなくなってしまったということなのですが、

扉もない、あの小さなロッカーにどうやって・・・?

「えっと、入れます・・・?」

「そうなんです、なので、その、こう、頭だけ突っ込んで・・・」

私も、笑ってはいけないと頭ではわかっているので、唇を噛み締めて堪えようとはするのですが、どうしても口元が笑ってしまいます。

先生も、笑うのを堪えているせいで、声が震えていらっしゃいます。

 

今では随分社会化されてはきたものの、娘は基本的に野生動物のような子なので、警戒心が強く、人になかなか懐きません。

年少、年中の時は、先生から、

「私、絶対怒りませんもん!」と言われてしまい、

えーーーー、そう言わずに怒ってやってくださいよーーー💦と思っていたので、

その日、なぜ怒られたのかは忘れてしまったのですが、

年長さんになって、ようやく怒ってもらえるようになったことが感慨深かったことを、

ロッカーに頭を突っ込む娘のイメージと共に覚えています。

 



 

 

 

 

 

 

おてんばです。

上の子は絶対こんなことしません。


 

 

顎の力でぶら下がっています。

無謀です。


 

 

 

 

 

 

 

まだ出てきていいって言ってないのに、出てこようとしています。

冒険家です。

 

 

 

 

他にも、この子は娘と本当によく似ているな、と思ったことがあります。

 

息子がうちにいて、私が娘の迎えに行かなければならなかった時に、

まだ食事が終わってなかった息子に、「ごめんね」と言って出たのですが、

帰ってくると、テーブルの上にあった、息子が好きな、豚肉とキャベツの中華炒めの、

キャベツだけが綺麗になくなっていました。

正確には、豚肉、キャベツ、卵、しめじが入っていたのですが、

「えっ、なんでこんな食べ方したの???」

と息子に聞くと、部屋から出てきた息子、顔を真っ青にして、

「ぼくじゃない・・・ガーン

 

え、じゃあ、この子・・・?

ダイニングテーブルに登れるの・・・?

犬って、ダイニングテーブルに登るものなの・・・?

なんか、あの時を思い出す・・・!

 

 

 

たまたまキャベツだったので、その後も健康上の問題なく元気に過ごしてくれてよかったのですが、

それ以来、食事が済んだら、みんな必ずテーブルのものを下げてくれるようになりました。

 


でも、未だに引っかかっているのですが、なんでキャベツなのよ。


 

 

 

 

娘と似ている次女は、みんなからかわいがられ、

娘のよき友となってくれました。



 

 



息子のベッドで眠る娘。

 

 

 



息子のベッドで眠る、娘と私と、次男次女。


の、写真を撮る息子。

本人がいるのに、ベッドが占領されてしまっています。

 

 





ソファで寝落ちした息子を利用して、ソファの向こう側を見る次女。

 

 

 

 



息子にもよく懐き、

かわいい次女は、息子がうちに帰る、大きな目的の一つとなりました。

 (靴型のおもちゃ、あまりあそんでくれませんでした)

 

 

息子の中学中退との関係で言うと、

彼女自身は、息子が中学を中退する理由ではないのですが、

決断の時、彼女の存在は、少し私の背中を押してくれて、

また、おそらくはつらかったであろう息子を支える存在にもなってくれました。