残念な男の携帯乙女ゲー記録 -8ページ目

残念な男の携帯乙女ゲー記録

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黒服「お前が提案した政策が可決されたら、俺達マフィアは生きにくくなっちまうんだよ」
ジョシュア「お前らマフィアが生きにくくなる為の法案だから当たり前だろう」
黒服「王子だから俺らがお前に手を出さないとでも思ってんのか?生憎だが、俺らは」
ジョシュア「尻にムカデを入れる気か」
黒服「エグい!王室での拷問はそんな感じなのかよっ」
ジョシュア「受けたことないから知らん。尻にムカデは俺の専属デザイナーが」


ヒロイン「ジョシュア様ぁああ!!!今助けます!」


黒服「!!?」
ジョシュア「なんだと!?馬鹿かお前は!」
ヒロイン「武器ならあります!ほら!裁縫ばさみ!」
ジョシュア「裁縫ばさみで銃に応戦するとか、どんなスーパーウーマンだ!いいから帰れ!」
ヒロイン「無理です!」
ジョシュア「勇敢すぎてちょっと引く!」
ヒロイン「ジョシュア様に引かれたって痛くも痒くもない!」
ジョシュア「それは俺を異性として意識していないということか!」
ヒロイン「その通り!」
ジョシュア「泣くぞ!」

黒服「マフィアの巣で夫婦漫才か!お前ら、自分達がどんな状況にいるか分かってねぇみたいだなぁ!」

次の瞬間、銃声が響いた。そしてチリッと痛みが走った自分の頬に手を当ててみると、僅かな血液。

ヒロイン「マジで撃ってきた。ハードボイルドすぎる」
ジョシュア「言ってる場合か!早く逃げろ!」

拘束されたジョシュア様に目をやれば、死にそうな顔をしていた。

ヒロイン「珍しく本気で心配している…!」
ジョシュア「当たり前だ馬鹿たれ!お前という奴は馬鹿だ!ほんと馬鹿!馬鹿すぎて最早俺の中で好きを通り越して嫌いの域に達している!だから早く逃げろと言っている!」
ヒロイン「うるさぁああい!!」
ジョシュア「お前がうるさぁい!!」
ヒロイン「ジャンさんにとって一番大切な人を目の前で死なせるわけにはいかないんだよお!!」
ジョシュア「お前…」
ヒロイン「あんなことしたって無駄だって、そんなこと本心では分かってた!」
ジョシュア「あの気持ちの悪いキャラのことか」
ヒロイン「ストレート!そうですよ!こう見えて私も経験少ないんでね!目の前のことに一生懸命になるしか出来ないんです!その結果があれ、そしてこれですよ!」
ジョシュア「不器用すぎる」
ヒロイン「ジョシュア様には言われたくない!」

よくわからない言い合いに、黒服の男達は唖然としながら私達を見ていた。

ヒロイン「可愛い女ってどうやったらなれるんですか!ぶりっ子か!分からん!」
ジョシュア「少なくとも可愛い女はそんな口調は使わない!」
ヒロイン「そうですよ!素の私はこんなん!あんな演技し続けたって虚しいだけ!でも、ジャンさんに良い女だって思われたくてこっちだって必死だったんじゃボケェ!こんなん知られたら嫌われるわボケェ!!」
ジョシュア「だから口調!」

黒服「お前らいい加減にしろぉ!」

ジョシュア「最後まで空気読んで黙っていろ黒服!おいヒロイン!逃げろ!」

空気を読むことを放棄した黒服が私に銃口を向けた。怖いけど、逃げる気はない。

ヒロイン「うう!!死ぬ前に好きだって伝えればよかったぁああ!!」


ジャン「それ、誰に伝えるんです?」

カコーンという小気味いい音と共に倒れ込む黒服。その背後にはフライパンを持ったジャンさんが笑顔で立っていた。
そして大量に入ってくる警官。

ジャン「ジョシュア様、御無事で?」
ジョシュア「精神的にはアレだが、肉体的には御無事だ」
ジャン「御無事で何よりです」
ジョシュア「それよりも」

ジョシュア様が私を見て、困ったように笑う。なんとなく気まずくなった私は、目を逸らした。

ジョシュア「頬、怪我をしているようだ。お前が丁重に手当てしてやれ。俺を命懸けで守ってついた傷だからな。…どうせ、途中から話を聞いていたんだろう」

ヒロイン(はぁ!?)

ジャン「さぁ、どうでしょうね」


ジョシュア様はフッと笑った後、SPをつけてこの場を去って行った。
今、ジャンさんと二人きり。


ヒロイン(ど、どこから聞いてたの。ヤバい。マズイ。本性バレた)


私は居たたまれなくなり、思わず俯く。


ジャン「まずは、御礼を。ジョシュア様を守っていただき、心より感謝申し上げます」
ヒロイン「いや…」
ジャン「傷、見せてください」
ヒロイン「べ、ベイビー!こんな傷、赤チンつけりゃ一発で治るわよぉん!」
ジャン「…」
ヒロイン「えっと…」

ヒロイン(なにやってんだ私は。色々手遅れすぎる。今更頑張ったって)


ヒロイン「掠り傷です。帰って絆創膏でも貼れば終わりです。…失礼します」
ジャン「こっち見て」
ヒロイン「だが断る」
ジャン「いいから」
ヒロイン「泣きそうなんで嫌ですよ。普段敬語の人がタメ口になるその破壊力。おそろしや」
ジャン「はは」
ヒロイン「く…っ、笑いましたね?私、真面目だったのに」
ジャン「すみません。…言っておきますけど、確かにジョシュア様は大切な主です」

ヒロイン(割りと最初のあたりから聞いてらっしゃったのか。オワタ)

ジャン「だけど一番かって聞かれたら、どうかな」
ヒロイン「へ?」
ジャン「俺、こう見えて好きな子には骨抜きになるタイプだから」

ジャンさんはそう言って私の手を握った。フライパンと裁縫ばさみがなければとても良いシチュエーション。

ジャン「俺の為にあんなマニュアル本真に受けて一生懸命実践しちゃう君のことが大好きです」
ヒロイン「…」
ジャン「…あれ?」
ヒロイン「ま、待った」
ジャン「待ちますとも」
ヒロイン「ジャンさんが今告白しているのは」
ジャン「目の前にいる汗ダラダラ流してる可愛い人に、ですね」
ヒロイン「ちょお!素の私を知って告白とか勇者すぎるジャンさん!お前も蝋人形にしてやろうかー!!あ、そういえばこないだキース様が電柱蹴り飛ばして足の骨にヒビが入ったらしく」
ジャン「茶化さないで。ちゃんとこっち見て」

そう言って更に握る手に力を込められる。無論、見れるはずもなく。
あれだけ望んでいたのに、いざとなったらどうしていいか分からなくなる。そう、実は私の心はケンタッキーフライドチキン。


ヒロイン「…どうしたら可愛い女になれるのか分からないんです。甘え方もよく分からないし」
ジャン「うん」
ヒロイン「がさつだし、女らしくないし」
ジャン「うん」
ヒロイン「ジャンさん素敵なのに、こんなんじゃ釣り合わないって思って、だから」
ジャン「頑張ったんだ」
ヒロイン「だって、そんなことしか出来ないし。しかも、それですら失敗するし」

ジャンさんは一息吐いた後、ハグをしてきた。抱き締めてきたなんて恥ずかしい言葉使えんので、ハグと言っておく。
ほんのり控え目に香る香水がエロい。ブルガリか。ブルガリなのか。

ジャン「細い。柔らかい。ちゃんと女の子だよ。俺は君が意外と照れ屋だってことも泣き虫だってことも知ってるつもりなんだ」
ヒロイン「…」
ジャン「ここからは俺の男としての役目。きっと君に自信をつけさせる程愛してみせるよ。愛させてほしい」
ヒロイン「うわあああああ!」
ジャン「え?」
ヒロイン「うわあああああ!!」
ジャン「は、鼻血…!?」



―――――――



ジャン「ハッピーホワイトデー」
ヒロイン「面目無い」
ジャン「鼻血のこと?」
ヒロイン「面目無い…っ」

渡された綺麗な箱に目をやる。完璧な包装だけど、全て手作りらしい。

ヒロイン「開けても?」
ジャン「どうぞ」

ヒロイン(正直もう甘いもの暫く見たくないって思ってたけど、ジャンさんの手作りなら喜んで食す所存)


ドキドキしながら開けると、そこには…


ヒロイン「これは…煎餅!な、なんで私の好物が…!」
ジャン「本当ならクッキーとかキャンディとか、可愛らしいものが適切なんだろうけど…君の好きなものを作りたかったから」
ヒロイン「嬉しい誤算!有難うございます!」
ジャン「いえいえ。姫に喜んでいただけて何より」

ヒロイン(慣れないこの乙女扱い。だが至極…)


こうして私はペロリと、ちょっとだけ薄味の煎餅を平らげたのであった。






終わり



――――――――


微妙すぎる。
そして話を作りながら思った。

甘い話は作っていて恥ずかしくなってくる。


女性はこの手の話を書くのが本当にお上手なのだが、幾ら乙女ゲー好きだと言えどやはり男。

なんか残念。
糖分少な目で申し訳ない。キスシーンとか恥ずかしすぎて書けねぇわ!

そして気付いた。乙女ゲーとギャルゲのシナリオというか雰囲気はちゃいますな!
ギャルゲはエロさ、下品さを滲ませるが…乙女ゲーのシナリオは甘さ重視だね。


あれかね。やはり女性のが感受性が豊かで繊細なのかしらね。


もう、エドワードを脚本家にしたらいいんじゃないかな。