月は満ち欠けをするから月


欠けているばかりではなく、
満ちているだけでもない


満ち欠けは呼吸であり、
すべての生きとし生けるものの
リズムである



ちょっとした人生訓などを読み、
うまく切り抜けたような
気がしたところで、
再び同じことが起こる



近道などなく、

ただ愚直に

目の前のトンネルを
匍匐前進する以外に
ないのではないかと思う




でも、

それだけの闇をくぐり抜けた後に
辿り着く場所は、

そのひとが果たすべき「使命」の
息づく場所である



三十代、四十代は、
使命を果たすための訓練期間、
いわば魂を鍛錬するとき



その時期は決して格好良くないし、
思うようにもならず、
不本意なことが続くかもしれない



しかし、
格好悪いことをしておくと、
恐れるものがなくなっていく



ひとは「恐れ」に突き動かされて
行動することが多く、
その正体を見ておくことが
この年代に
必要なことなのではないだろうか

『あなたは欠けた月ではない』
           光野 桃



母は、冷蔵庫から卵を掴み取って
投げつけた。




クロス貼りの壁に、

潰れた黄身が少しだけへばりついて
悲しそうに落下していく、
ぐでたまたち



ぐで〜. . .🐣
なんでこんな仕打ち. . .



衝撃的だった。

母は、狂ってしまった. . .



私が3歳くらいの年に、
母は父とケンカして
夕飯の残りの味噌汁を投げつけて、
私の身体に散ったことがあった。


どっちが投げつけたか覚えていない。


母は、
「私がしたんよ」と言っていたけど。


あんたか. . .






「やめて!卵がもったいない!
 誰が片付けるん?!」



私が、
10歳くらいの年だった思う。




🥚好きな博愛主義者の私は、

これ以上、犠牲者を出したくない!
と、母に向けて叫んだのだ。





それでも母はまだ、

冷蔵庫で
安眠しているはずの卵たちを、
握りしめて、
的外れな方向に投げつけてくる。



6つ下の3〜4歳の弟は、
また激しく泣く。



母は、
冷蔵庫にもたれ掛かるようにして
泣き崩れ、座り込んだ。





年子の妹は、
兄のそばで
何を思っていたのだろうかと思う。


ちっとも泣きもしない子だった。




母が山道を運転してるときでさえ
そうだった。

弟は泣き叫んで

「吐くーーー!車止めて〜. . .!」

と、
座席の真ん中で一人騒いでいる横で、
寝ているような子どもだった。



生まれたときから、
人生を悟ってるような顔つきだった。




でも、そんな妹も高校生の頃に
クラスに馴染めなくて、

授業中人前で発言できなくて、
立ったまま、
パニック発作に
なりかけていたことがあった。





私は、いくつか犠牲になった
卵たちを見下ろして、

散乱している殻を
拾い上げていたように、

母と幼い私の心の傷を拾い上げてる。







母は、結婚する前から
精神的に不安定な人だった。



私が胎児として、
母のお腹の中にいた頃。


臨月に近い、大きなお腹を抱えた身体で商店街を歩く。



そのとき、見兼ねた占い師が、

「お金は要りませんから、ちょっとここへ座って、話を聞かせてもらってもよろしいですか」

と、声をかけた。


「あなた、結婚されて名字が変わる前はよかったけれど、性が変わってから苦労されてますね」




私の後に、弟が生まれた。



「(お兄ちゃんやお姉ちゃんは無理だから)私も、弟か妹が欲しい. . .」

と、父と母の前で呟いたことが、
現実に叶った。




下の弟妹ができて
嬉しかったはずなのに、

母は私にかまってくれなくなったー!



父と母を一人占めして、
ずっと
女王さまでいられると思っていたのに
. . .




父は弟が生まれる前、

バイクで出勤途中に
トラックに跳ねられて、

身体障害1級の身体になった。



雪で路面が凍結していた。



ああ、悲劇のヒロイン. . .




なんちゅう、ドラマや. . .

自我は
ドラマを作り上げるのが得意ですね〜。


大人になってから、
笑い話になっている。





母は、孫の泣き脅しに弱い。

辛かった子育て時期を思い出すのか。

先日のこと。

甥っ子が泣き叫ぶと、
耐えかねて自室にこもっていた。




妹は、我が子が泣き脅してくると
感情を整理させるために、
抱くことはあっても、干渉しない。



同居しているので、
私も一時期
ストレスだったことがあったけど、

今は、

『感情の整理をしてるんやな』と
ママと目線を合わせて笑ってる。




冷蔵庫を開けて、

ジュースを欲しそうにして
床にへばりついて泣き叫んでるとき、

私は「ファイティン👍 がんばれ〜💕」
と言って、
それ以上は干渉しない。



台所で皿洗いしながら
チラッと様子を観ると、
私と少し
目線が合ったときは可笑しかった。





今日の聖句から. . .

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哀歌 3:22-27


主のいつくしみは絶えることがなく、

そのあわれみは尽きることがない


これは朝ごとに新しく、

あなたの真実は大きい



わが魂は言う、

「主はわたしの受くべき分である、 

 それゆえ、わたしは彼を待ち望む」と。 


主はおのれを待ち望む者と、 

おのれを尋ね求める者にむかって

恵みふかい。 


主の救を静かに待ち望むことは、

良いことである。 


人が若い時にくびきを負うことは、

良いことである。

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💌日本のお母さんたちへ. . .
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お母さん、
今とても辛いのですね。

お母さん、
あのときは辛かったでしょう。




お母さん、
辛くて叫びたいときは
どうぞ、
子どものように泣いてください。


その涙の中に、
光りがあることを私は知っています。

その涙の粒の中に
輝きがあるのを見つけられると、
私は安心します。


あなたの中の光りを探してください。

それは、すぐそばにあります。



私はここで、

お母さん、
あなたの心に寄り添います。
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わたしは、
息を吸いながら、繊細で傷つきやすい
5歳の母を見つめる

わたしは、
息を吐きながら、愛情と理解を込めて、
5歳の母へ微笑む





Om Shan Tee!

(オーム・シャンティー!)

平和でありますように🪷👏