八芳園のスラッシュカフェで心地よい時を過ごしたら、木陰涼やかな美しい庭園をゆっくり歩き、中でも特にお気に入りの場所へ向かう。
池の上に浮かぶ様に建つ水亭。
池の中に据えられた幾つかの大石の上に柱を立て四阿とする造形は珍しく他を知らない。
足元に気をつけながら石の上に立つと、どこからともなく鯉の餌を持ったスタッフさんが現れ、容器を石でトントントンと叩くと…
殆どいなかった錦鯉が一気に集まってきた。
バケツの餌を容器に入れて撒く。
再びトントンと叩くと、最初に見た小さな滝のある場所からも次から次へとやってきた。
たまに亀が顔を出したりするんですよ、と話しかけてくれたので暫し雑談、錦鯉はここで生まれ育つのか聞いてみた。
ある程度大きくなったものをここに連れてくると教えてくれた。
なるほど、皆同じ位の大きさだ。
餌やりを終えると、どうぞごゆっくりと一言残し静かに去った。
キラキラ光るみなもと色鮮やかな錦鯉をぼんやり眺めた。
ふと我に帰り水亭を出てなだらかな坂を上がる。
こちらも丸窓の東屋。
丸窓から庭を見下ろす。
そして更に上へ。
手入れの行き届いた盆栽が並ぶ。
あった!五葉松。
盆栽に興味がある訳ではないが、五葉松が好きなのだ。
この辺りも低く飛行機が飛ぶ。
梵字が四方に彫られた十三層塔。
庭を出てチャペルの前を通り、この日の目的地である港区立郷土歴史館へ。
お隣は東京大学医科学研究所。
館内で開催されているLife with ネコ展鑑賞。
設計は東京大学建築学科教授である内田祥三氏。
昭和13年竣工した旧公衆衛生院の姿を保存し、耐震補強など改修工事を経て今に至る。
隣の東京大学医科学研究所と対になって建てられた。
内田ゴシックと呼ばれる風格ある特徴的なデザイン。
続く…