小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」2018年 04月27日(金)ヨリ 転載】


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【誓願28】


 山本伸一は、各国の指導者との対話にも力を注いだ。それが、世界平和を実現する道になり、また、学会への理解を促し、その国の同志を守ることにもつながっていくからだ。

 一九八五年(昭和六十年)には、来日したインドのラジブ・ガンジー首相を、東京・港区の迎賓館に表敬訪問し、平和、青年、印中関係などについて語り合った。

 八七年(同六十二年)五月には、モスクワでの「核兵器――現代世界の脅威」展開幕式に出席し、「民衆の心は平和を熱望」とあいさつ。さらに、ソ連のニコライ・ルイシコフ首相と会談。次の訪問国フランスではジャック・シラク首相、アラン・ポエール上院議長とも意見交換した。

 翌年二月のアジア訪問では、タイのプーミポン国王、マレーシアのマハティール・モハマド首相、シンガポールのリー・クアンユー首相と会見した。

 また、八九年(平成元年)のヨーロッパ訪問では、イギリスのマーガレット・サッチャー首相、スウェーデンのイングバル・カールソン首相、フランスのフランソワ・ミッテラン大統領らと語らいの機会を得た。この訪問では、フランス学士院芸術アカデミーの招きを受け、学士院会議場で、「東西における芸術と精神性」と題して記念講演を行っている。

 さらに同年、オーストリアのフランツ・フラニツキ首相、コロンビアのビルヒリオ・バルコ大統領と会見。大統領との語らいでは、同国の「功労大十字勲章」が親授された。

 九〇年(同二年)五月の第七次訪中では、李鵬首相、中国共産党の江沢民総書記と胸襟を開いて対話を交わした。

 そして同年七月、第五次訪ソで、ミハイル・セルゲービッチ・ゴルバチョフ大統領とクレムリンで初の会談が行われたのである。

 伸一は、ユーモアを込めて語りかけた。

 「お会いできて嬉しいです。今日は大統領と“けんか”をしにきました。火花を散らしながら、なんでも率直に語り合いましょう。人類のため、日ソのために!」


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