私が 花をもらったのは 結婚で会社を退職するときと 結婚式のブーケくらい。
人生で 花をもらうなんて そうめったにない。
何か特別な日。
でも いつでも どんな時でも 花はきれいだから もらうと やっぱり 嬉しい。
花には いろんな 思い出があります。

桜
パパが 癌になってからは 今年も 桜を見ることができた 良かったー。
来年もこの桜 見られるだろうか?
あと 何回見ることができるんだろうか?
桜が咲くたびに そんなことを 思っていました。
2019年 春 パパの体調は あんまり 良くなかったけれど 今年もなんとか 桜の季節を
乗り越えることができて良かったと 桜を見ながら 思いました。
本当に あの頃は 1年・・・・ワンシーズンが 綱渡りのようでした。
彼岸花
随分 昔のことですが 丁度 彼岸花がたくさん咲いている時に パパの実家に行きました。
”お袋 喜ぶから もっていってやろう” と言って そこらへんに咲いている 彼岸花を
持っていきました。
田舎育ちの私にとっては 子供のころ 〝へんびの花” なんて言って珍しくもない花だったので 彼岸花なんて もらって 嬉しいのかなあ なんて思いましたが お義母さんは 喜んで花瓶に生けていました。
それが 意外ときれいだったので 私も彼岸花が咲くと 家に飾るようになりました。
コスモス
結婚して間がない頃 パパが 仕事帰りに コスモスを1輪取ってきてくれたことがありました。
私は結婚を機に 会社を退職して アパートにいました。
お腹には 娘もいました。
コスモスの花を見ると その頃のことを 思い出します。
パパが亡くなる半年ほど前 近くの コスモス畑に行きました。
ロッテを連れて パパと私と 娘と3人で。
息子は 部活か 塾で 一緒には行けませんでした。
こんなことになるなら 4人で行けたら 良かったなと思います。
黄色い花
名前は知らないけれど 最近 堤防や道端でよく見る 春に咲く コスモスに似た 黄色い花。
この花も 新婚の頃 パパが “会社の駐車時に きれいな花 咲いとったんやー” と
凄いもの見つけたように 1輪持ってきてくれたことがありました。
〝この花 最近勢力を増してきた 外来種だよな~” なんて思いながら 飾ったことを思い出します。
以前 私とパパは 同じ会社に勤めていました。
20年ほど前 パパは転職しましたが 私は8年ほど前からその会社に アルバイトとして
再就職しました。
当時は この黄色い花はなかったように思いますが 今は 駐車場の周りに いっぱい咲きます。
ここで見つけて 取ってきてくれたんだなあ と いつもこの花を見て 思っていました。
菜の花
テレビで菜の花畑を見たのか 忘れたけれど 司馬遼太郎の一番好きな花が 菜の花だと教えてくれました。
私はあまり詳しくなかったけれど その時〝あー なんとなく らしいなー” と思いました。
パパが亡くなる前日 会社の若い人 数人がお見舞いに来てくれました。
パパが好きだった 司馬遼太郎と 藤沢周平の本を持ってきてくれました。
関が原を もう一回読み直そうかなと思っているとか 最近の会社の様子とかも
話していました。
パパは 会社でこういう話をしていたんだなと思って聞いていました。
きっと 司馬遼太郎を 熱く語っていたんだと思います。
もらった本は 棺に一緒に入れました。
バラの花
私の 一番好きな花は バラ。
いつも行っていたドッグランに 小さなバラ園があります。
パパと息子が2人で 行ったとき 苗の販売をしていたので 1鉢買ってきてくれました。
500円の 赤に白の斑入りの 匂いのいいバラでした。
その年の夏は すごく暑かったので いつの間にか 消えてなくなりました。
桐の花
私がまだ 3歳くらいの時だったと思います。
両親と ばあちゃんと 少し離れたところにある畑に たぶん お茶の葉を摘みに行ったんだと思います。
うちでは その畑のことを 原産地と呼んでいました。
遠くのほうに 桐の花が咲いていたので 私は父に 欲しいといったのですが
桐の花は 木の高いところに咲いているので 取れないと言われたのを覚えています。
桐の花は 巫女さんが持つ 鈴のような 青い花。
どうやってとったのか 拾ってきたのか わかりませんが しばらくたってから 父が
一枝持ってきてくれました。
父は 私が小学校2年生くらいの時 胃潰瘍の手術をしました。
失敗したらしく 翌日 麻酔なしで もう一回お腹を開いて やり直したそうです。
良くお風呂上りに 〝俺は 切腹しとるでなー” と言って 手術跡を見せていました。
その父も その時の輸血で C型肝炎に感染して 2003年 肝硬変で亡くなって もういません。
72歳でした。
今ではC型肝炎も 飲み薬で治るようですが 父が感染したころは その病気もわかっておらず インターフェロンも 出始めたりしましたが 少し間に合いませんでした。
私は 今までもらった花の中で 父が取ってきてくれた桐の花が 一番嬉しかった。
もらった時のうれしさ 50年以上たつけど なんとなく 覚えています。
