毎日、夏真っ盛りな…というより猛暑な日々ですが、皆様ご機嫌いかがでしょうか。
私の足にも小さな血の塊(壊死部分)がポツポツできていますが、
今のところはズイコウパッドのおかげで大きくなることもなく、平穏に過ごせています。
写真は、先日のみなとみらいの花火。
今年、通りの向こうにマンションが建ってしまったけど、まだ十分楽しめました!
ところで、なついキズとやけどのクリニックのサイトでは、夏井先生が毎日、日々の症例をアップしていますが、7月25日にはそれに加えて、なぜ皮膚科医が軟膏にこだわるかが書いてありました。
みなさんも潰瘍治療で皮膚科へ行き、塗り薬が処方されたけどなかなか治らないから、次に別の塗り薬を処方してもらったけどそれも全然治らない…、そうやって次々に塗り薬を変えていっても治らなかったという経験がおありかと思いますが、その「理由」についてです。
この毎日のブログは、日付ごとにURLがないので、以下のページへ行って、7月25日のところを探さないと記事には行き当たりません。なので以下の夏井先生のブログの2023年7月25日の記事を抜粋したものをその下にコピペします。
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口唇炎の治療法についてのコメントがありましたが、これは「皮膚科における軟膏の呪縛」に関連しています。どういうことかというと、皮膚科医は意識的/無意識的に軟膏(外用剤)以外の治療方法を頭から追い出してしまう、ということを言います。これが「軟膏の呪縛」です。
診療科は大きく内科と外科に分かれますが、「内科は薬で治療」、「外科は手術で治療」というのが定義で、皮膚科は「皮膚疾患を薬(=外用剤)治療する内科」というのが本来の定義です。だから、皮膚科医は意識的/無意識的に外用剤だけで治療を考え、ある外用剤が効かなければ別の外用剤を処方します。要するに、外用剤から外用剤へのサーフィンです。弱いステロイド軟膏が効かなければより強いステロイド軟膏に、それでも治らなければ更に強いステロイド軟膏へ・・・とサーフィンするわけです。このサーフィンでは「外用剤以外の治療」は浮かびません。「外用剤で治すのが皮膚科」だからであり、それは軟膏治療は皮膚科医の矜持と言っていいと思います(手術をしない外科医は外科医ではない、というのと同じ構図)。
この構図の中で作られるのが「治らない手荒れ/治らないアトピー性皮膚炎/治らない皮膚潰瘍」です。「〇〇軟膏で治らなければ△△軟膏で治そう。それでも治らなければ◇◇軟膏」と考えるからです。
ここで欠落しているのは「もしかしたらこの皮膚疾患は軟膏では治らないかもしれない」という発想です。「軟膏で治せなかったら皮膚科医ではない」と意識が根底にあるからでしょう。だから、「治らない皮膚科疾患患者」が量産されますが、彼らを見ても「軟膏で治らなかったら仕方がない」と考え、それまで処方していなかった軟膏を処方するだけです。つまり、「皮膚科医=軟膏処方」という定義(?)が治療手段を制限し、新たな発想を妨げます。
私の場合は皮膚科の知識はしょぼいものですが、創傷治癒に関してはスペシャリスト(自称だけど)なので、湿疹を見てもアトピー性皮膚炎を見ても口唇炎を見ても「これは皮膚の微細な傷だ」と考え、まず傷を治そうと考えます。だから、「どこの皮膚科に行っても治らない湿疹/アトピー性皮膚炎」が簡単に治ったりします。
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以上です。皮膚科は、「皮膚疾患を薬(外用薬)で直す内科」だから、塗り薬などを使って直すのが仕事ということです。それが本分だと決めてしまっているから、潰瘍治療には湿潤療法を使おうという柔軟な発想が思い浮かばないということです。
まったくその通りかもしれません…。
皮膚科で治ればいいけど、なかなか治らないなと思ったら、患者が発想の転換をして形成外科に行ってみるなど、行動を起こした方がいいと思いました。