私の人生最悪の潰瘍をわずか2ヶ月半で上皮化させたズイコウパッド。

潰瘍のあの激烈な痛みを消し、早く治り、なのに被覆材にしては結構安価で、

1本3000円のろくに効かないフィブラストスプレーを処方してもらう必要もなくなり、プレドニンも飲む必要がなくなり、使う薬剤はプロペト(白色ワセリン)だけなので治療費も半減しました。

本当に夢のようなパッドなので、今回はその体験記をまとめてみることにしました(※色違いの文字は、そこへリンクします)。

 

ズイコウパッドは、「なついキズとやけどのクリニック」院長の夏井睦(まこと)先生と瑞光メディカルが共同開発した湿潤療法のパッドです。

Amazonさんやアンツィアーナショップさん、その他医療品系ネットショップで買えます。

私はアンツィアーナショップさんに問い合せたりしてお話ししたこともあるので、いつもそちらで購入しています。Amazonさん経由でも買えますが。

ズイコウパッドは実尺15センチ四方で、10枚入=1袋で約1,000円。1枚=100円相当ですし、ガーゼとは比較にならないくらいの高度な役割を果たすので、それを考えるとかなりコスパはいいです。夏井先生は価格を抑えることにも努力したとおっしゃっていました。

通常、キズは滲出液で治そうとしますが、その自己治癒のメカニズムを応用した、自然で安全な湿潤療法のパッドです。自分の滲出液をパッドに溜めて、キズを治すという方法です。もちろん潰瘍治療の対処療法でしかありませんが、あの痛みがかなり抑えられるので、気持ちがラクになり生活の質が各段に上がりました。何しろ、今度潰瘍ができても痛みに苦しまなくて済むと思えて安心できる、というのが最高の発見でした。

 

【私が使うようになったきっかけ】

2019年3月に、深い潰瘍の下に結果的に全長4センチぐらいの穴を発見しましたが、大学病院ではいつものガーゼにゲンタシンの治療を変える様子はなかったので、不安になった私は以前から創傷治療の大きなサイトを持っている形成外科の夏井先生のクリニックに行きました(ブログはこちら)

そこでの治療法がズイコウパッドを使うもので、潰瘍もその穴も2ヶ月半で見事に閉じました。一番下に、その時の治療の経過写真を載せます。閲覧注意でお願いします。

その時指導されたのが夏井先生の「なつい式湿潤療法Ⓡ」(←リンク後、2つ目の枠の「なつい式湿潤療法の条件」をご覧下さい。)でした。

 

【使い方】

まず基本的な使い方は以下のようになります。そのあともろもろ説明します。

1.ズイコウパッドのメッシュ面にプロペト(または白色ワセリン)を薄くぬり、患部に貼る。サージカルテープで留めたら、包帯かネット包帯などで固定する。他の塗り薬(ゲーベンやプロスタンディンなど)は一切塗らない。

2.潰瘍は1日1回、水道から出るぬるま湯で洗う。ボディーソープ等は一切使わず、お湯だけで洗う。

 

基本的にはこれだけですが、夏井先生からの指導やその他もろもろ驚くことばかりだったので、忘れないうちにまとめておきます。

・使う薬品はプロペト(←リンクします)、または白色ワセリンだけ。

プロペトは白色ワセリンをさらに一段精製したもので、白色ワセリンより柔らかく塗りやすいので、私はプロペトを使っています。処方してもらうと100gチューブ=500~600円、市販品だと1000円ちょいですが、私のリサーチだとOSドラッグが底値で870円です。

このプロペトを、ズイコウパッドのメッシュ側に薄く塗ります。それは乾燥を予防するためです。私は綿棒を使って塗っています。なぜかというとプロペトも白色ワセリンもけっこうベタベタするので手につくといろいろ大変で…。両方とも保湿剤にもなるので、手で塗った場合でも手についたのは足やその他に塗り広げてますが。

 

・ズイコウパッドには他の薬品は使わない。

ゲーベンやアズノールやユーパスタやプロスタンディンなど潰瘍治療によく処方される塗り薬は一切使いません。なぜかというと、冒頭でもお話しましたが、ズイコウパッドは滲出液がキズを治すという自己治癒のメカニズムを後押しするような自然な治療法だからです。すべて自分の滲出液に任せる、という感じです。私も最初は半信半疑でしたが、これが痛くなく、また早く治るので、もうびっくりしました。それまでは「潰瘍は塗り薬で治すもの」と思い込んでいましたが、そうじゃないんです。自分の滲出液で治す、そして大事なのは塗り薬ではなく被覆材…、これはまさに発想の転換で衝撃体験でした。

 

・患部は1日1回は必ず洗う。

通常は1日1回でいいですが、春から夏は1日2回を推奨します。ズイコウパッドはキズを密閉するので細菌が繁殖しやすいそうです。なので1日1回は必ず洗います。

 

〇追記:仕事などで夏場1日2回の洗浄交換が出来ない場合について夏井先生にお伺いしました。するとメールで以下のようなお返事を頂きました: 

「1回でもいいです。

1回交換でアセモができるようなら2回交換にする。

回数を守るのでなく、皮膚の状態を見て自分で判断する。」

(2024年6月17日)

 

感染症になると本当に皮膚が真っ赤になっていつもと違うのが明らかになるようですが、とにかく自分でよく観察することが大切なようです。

 

・水道から出るぬるま湯だけで洗い、ボディーソープ、ベビーソープ、石鹸の類いは一切使わない。

夏井先生によると、ボディーソープやベビーソープなどのクリーム状のソープには合成界面活性剤が入っていますが、合成界面活性剤は洗浄力が強いので、キズに新しくできた細胞を破壊してしまうそうです。それで治りが遅くなるので、一切使わないようにと指導されました。それまで皮膚科で「石鹸でよく洗うように」と言われていたので(たぶん潰瘍患者さんはほぼ全員だと思いますが)、夏井先生から真逆のことを言われたので最初は混乱しました。それまで私はベビー用のボディソープを使って洗っていたので、「本当にベビーソープとか使わなくていいのかな?」と…。でも先生によると、赤ちゃんにも優しいと謳っているベビーソープにもしっかり界面活性剤が入っているそうで、私もボトルに書いてある小さな文字の成分を1つ1つ検索したら本当に界面活性剤を含む成分が入っていました。

また、「キズについた細菌はシャワーで十分落ちるし、人体の汚れはすべて水溶性だから水だけで落ちる。」ということでした。ご興味のある方は夏井先生の合成界面活性剤の人体実験のページ(←リンクします)をご覧ください。その洗浄力の強さが分かります。

 

・ちなみに界面活性剤は洗浄力の他に、水と油を乳化させる作用もあるので、塗り薬や化粧品やソープなどの「クリーム状のもの」に使われています(ゲーベンもそうで、夏井先生曰く“クリーム基材の外用薬は化学的・生物学的には創面破壊薬”)。普通の健康な皮膚に塗るならまだしも(市販されているわけですから普通の皮膚には安全ではあると思います)、むき出しのキズにそういうものを使うのは、やはりやめた方がよさそうだと私も個人的に思いました。ゲーベンは銀の作用を利用した強い抗菌剤で、私も何十年も前に潰瘍がひどくなり始めた時に処方されましたが、すぐにかゆみや痛みが出たのでそれを訴えたら、1ヶ月ぐらいで医師が変えてくれました。夏井先生によるとゲーベンは傷を深くし、広くしてしまうことがあるそうです。

 

・このように患部を洗ったらズイコウパッドのメッシュ面にプロペト(白色ワセリン)を薄く塗り、それを患部に貼ります。

キズに当たる面が柔らかいメッシュなので、患部が動いてもメッシュがキズに当たって痛いということがありません。(因みにモイスキンパッドは創面がフィルムですが、このフィルムが微妙にカタいので、足首など動く部分に貼ると歩くたびにフィルムが創面に当たって痛いんですよね。すぐに使うのをやめてしまいました。)

またこのメッシュの立体構造の中に滲出液がとどまるので、キズが乾くことがありません、だから痛くありませんし、剥がすときも全然痛くないんです。ガーゼは乾くので剥がす時大変ですけどね。(まあ洗いながら剥がせば痛くはないですが、ガーゼにくっついた新しい皮膚やら細胞やら膜やらは剥がれてしまうでしょうね。)

考えてみると、ソープで洗って新しい細胞が破壊され、ガーゼを取る時に新しい細胞や皮膚を剥がされたら、治りが遅くなって当然じゃないかと今は思います(笑)。個人的な想像ですが、エラそうなことをいうと、ガーゼが難治性にした理由の1つではないかとさえ思いました。

ということで、ズイコウパッドは治るスピードが早いです。

 

・潰瘍は、洗う時も拷問級に痛いですが、私の場合、ズイコウパッドを使うと9割方、水がしみる痛みがないことに気づきました。ガーゼから切り替えた直後は痛みがあったと記憶していますが、しばらくすると水がしみなくなりました。潰瘍の最初から使っている時はほとんど水がしみません。まったくしみないとは言いませんが体感的には9割はしみない感じです。ソープで洗わず、新しい細胞や皮膚をガーゼで剥がさないからでしょうか…(想像)。洗う時にラクなのも新たな発見でした。

 

・私は潰瘍の周りの健康な皮膚は手でなで洗いしていますが、時々角質がぽろぽろと剥がれてきたりして手だけじゃ足りないなと思うことがあります。そういうときはソフキュアという不織布を使っていますが、本当に優しくなでるだけです。私の場合、健康な皮膚でもこすったら乾燥してかゆみが出たりするので。

 

・ズイコウパッドはキズの大きさに合わせて切って使えますが、中身(綿に見えますが液体をジェル状にする吸収体です)が飛び出して気になる場合は、側面をサージカルテープで留めています。でも使っているうちに慣れてきました。

こんな感じ。

 

・また切って使うと、滲出液が多い場合は切った断面から滲出液が漏れ出ることもありました。なのでできるだけ大きめに切るか、切った断面を上に向けて貼るか、やむなく横にする場合は切断面をしっかりサージカルテープで閉じたりしていました。滲出液が多い時でカットして使う時は、潰瘍よりわりと大きめに切っていました。

 

・大学病院の通院の日に、病院で洗って貼り替える場合は、その時取り替える分を多めに持って行きます。「多めに」というのは、貼り替えている最中、うっかり落としたりすることもあるので。

血管炎の担当医にはズイコウパッドを使っていることを率直に話しました(ブログにも書きましたが)。最初の時、潰瘍がグングン小さくなっていったので、私の担当の先生たちも看護師さんもかなり興味を持ってくれました。ベテランのドクターが若手のドクターに「今、○○さんが話していること、全部入力しといて。」と指示していたのをよく覚えています。

 

・サージカルテープは、このブログにも書きましたが(←リンク有)、私は優肌絆(ゆうきばん)(←リンク有)というのを使っています。不織布の優肌絆をネットで安いところ見つけて箱買いしています。普通のドラッグストアでは見かけませんが、病院の衛生材料売り場には大抵あります。はがすときに取れる角質の量が各段に少ないそうで、だからかゆみなどが発生しにくいようです。

 

・サージカルテープで数カ所留めたら、私は包帯を巻いて固定しています。ズイコウパッドは密閉しないと意味がないと思っています。皮膚との隙間に空気が入ったら痛みは消えませんし、キズが乾いてガーゼと同じ状態になってしまいます。動いている時ズレても困ります。なので、包帯で固定していますが、しっかりめのネット包帯も使いましたが、包帯の方がしっかり固定されてよかったです。

 

・潰瘍がひどいと表面の痛みはズイコウパッドで消えても、キズのズキズキ感が取れないことがあります。その際、私はロキソニンを飲みます。ロキソニンを飲めば、奥のズキズキ感を気にすることなく、日常生活が送れます。

でもズイコウパッドで痛みを抑えられたからと言って歩き回ったりするとやはり足によくないので、足を休ませることはいつものように考えています。

 

・またズイコウパッドを貼ってる時も、外出するときは着圧ソックスをはいています。潰瘍にむくみは大敵なのと、ズイコウパッドは圧力で抑えても何も問題はなかったからです。

 

・一度、出来たばかりの潰瘍にズイコウパッドを貼っても痛みが取れないということがありました。どうしてかなと思って潰瘍をよく見ると、水ぶくれが出来ていたんです。潰瘍の最初に水ぶくれが出来ることってよくありますが…。で、すぐにシャワーで洗いながら水ぶくれを破って(その時はしみましたが)中の水を出し、ズイコウパッドを貼ったら痛みは消えました。なのでそういうことがあったら水ぶくれを疑って、患部をよく見るようにした方がいいなと気づきました。ヤケドでもそうですが、夏井先生も皮膚のドクターも水ぶくれは早くつぶして治療すると早く治ると言っています。

 

【気をつけるべきこと】

・先ほども書いたように、ズイコウパッドはキズを密閉するので細菌が繁殖しやすいという難点があるようです。最悪、感染症になり発熱したりするとよくないので、必ず1日1回は洗うようにしています。

夏井先生によると、ズイコウパッドを使っていて、理由もなく熱が出たら感染症を疑ってすぐになついクリニックにいくか他の病院に行くなどして抗生剤をもらうなどした方がいいそうです。私は1日1回は必ず洗っていたので、そういうことはありませんでした。

 

ズイコウパッドを使い始めてしばらくすると、潰瘍周囲の健康な皮膚が赤くなってくるかもしれません。それはパッドに吸い上げられた滲出液が横に広がり、健康な皮膚に接触しているためらしいです。滲出液というのはキズを治す成分が入っているのでキズには良いのですが、健康な皮膚につくと反応して、ひどい場合はかぶれたりすることがあるようです。私も赤くはなりますが、かぶれてかゆいということにははあまりならなかったように記憶しています。赤くなって気になる時は、1日1回洗うところを2回にして、皮膚についた滲出液をこまめに洗い流すとひどくならずに済むかもしれないと思ってやっています。滲出液が減ってくれば赤みも減ってきます。

 

・ズイコウパッドを使っていて、ある程度潰瘍が閉じてきたとき、なぜかある時点から全然閉じなくなることがあるようですが、それは「肉芽が盛り上がりすぎている」という状態のようです。そのときは、パッドにリンデロン軟膏(リンデロン「クリーム」はNG。合成界面活性剤が入っているから)を少し塗って貼ると肉芽の盛り上がりが収まり、キズが再び閉じ始めるようです。

私も一度なかなか閉じないことがあり、夏井先生に言われたようにリンデロン軟膏を塗ってみたら、確かにすぐに閉じ始めました。でもどういういう状態が「肉芽が盛り上がりすぎている」かどうかは分かりませんでしたが…。もしズイコウパッドをお使いの方で不安な場合は、先ほどの「なつい式湿潤療法Ⓡ」のページに全国の湿潤療法医師リストがあるので、お近くのドクターに行ってみてください。

 

・でもとりあえず、夏井先生のクリニックに行ける方は一度行った方がいいと思います。やはり先生に患部を診てもらうのが一番確かだと思うので。

行き方は上記にリンクしたホームページにありますが、都内東西線の門前仲町の駅からクリニックまで歩くとたっぷり10分はかかります。潰瘍が心配な場合は悩まずタクシーに乗るのをお勧めします。私はいつもそうしていました。都内は初乗り410円で結構安いですし。

 

潰瘍に苦しんでいる人は、いつしか痛みに洗脳されて「痛みがあって当たり前」の人生だと思い込んでいるかもしれませんが、ズイコウパッドを使った私は、そんなことはないと思えるようになりました。あの痛みは空気に触れるから痛いのであって、空気に触れなければ痛みは消えます。そのことについては、ずっと前に通っていた渋谷の美馬皮膚科(2020年7月閉院)でも聞いていて、そこではリント布に亜鉛華軟膏を塗ったものを売っていたので(看護師さんたちの手作りでした)、それを貼っていました。亜鉛華軟膏はかなりベタベタする軟膏なので、それを貼ると密封されることになり、潰瘍が痛くなかったのです。でも滲出液を吸わないので、漏れ出していましたが…。

でもズイコウパッドはガーゼと違って空気に触れさせないし、滲出液は吸ってくれるので本当にラクです。

因みにズイコウパッドはヤケドや他の傷でも効果を発揮します。

 

何か聞きたいことがあったら遠慮なく聞いてください(^_^)

では下の方に当時の比較写真を載せます。左足首の内側。

2019年3月16日 

↓1ヶ月後の4月16日。3月にはガビガビに固まっていた黄色い組織が滲出液によってグングン溶けて、赤い肉芽が出て来てその上から皮膚が出てきて塞がっていき、

↓2ヶ月後の5月17日

↓2ヶ月半後の5月31日には完全に塞がりました。もうとにかく早くて痛くなくてビックリしました(^_^)

※以下追記になります(2022年8月16日)。

フォロワーさんのMasakoさんが、2022年8月になついクリニックに行った時のご報告をまとめます。コメントそのものは、2022年8月「大きな結節」のコメント欄にありますのでご覧ください。

・歩くたびにズイコウパッドが動いて痛い時は、潰瘍にワセリン(プロペト)を多めに乗せる。

・ワセリンを多く塗ると潰瘍周辺がふやけて白くなるかもしれないが、「白くなる皮膚はいらない皮膚だから気にしなくてよい。」とのこと。

「気にしなくてよい」という夏井先生からのズバリな回答にクスっと笑ってしまいますが、擦れて痛いなと感じたら、ワセリン(プロペト)を多めに塗ってみてください。

***

そして私Lotta17からも追記です。今年何人もの患者さんからご相談を頂いて感じたことをまとめます。

よくケガをしてキズができると、汁が出てきて「ジュクジュク」します。そしてほとんどの場合、誰もがこのジュクジュクを「化膿した」と思い込んでしまい、ジュクジュクの液体を乾かそうとします。でもこのジュクジュクしている液体こそ、キズを治す成分が入っている滲出液なのです。ジュクジュクしているのはキズを治そうとする体の自然な反応なので、滲出液を乾かしてしまってはいけないのです。

でも昔からキズは乾かしてカサブタにして治すという考え方が"病院にも”定着してしまっているので、キズがジュクジュクすると「化膿した」とか「気持ち悪い」と言って拭いてしまっているのです。

カサブタにすると、その下に出口を失った滲出液が溜まるので、悪い状態になりやすいのです。

 

湿潤療法は従来の乾かす治療とは真逆の、キズを乾かさないで治す方法です。自分の滲出液でキズを治し、また湿潤環境に置くことによってキズを空気に触れさせないので、副作用はなく安心でき、痛みがなく早く治る方法です。

キズは空気に触れると痛いのです。空気に触れなければ痛くありません。夏井先生が提唱したラップ療法がその典型例です。

患者の私たちも考え方を変えないと、いつまでもあの激烈な痛みのする「乾かす治療」の被害者になったままになってしまうと思いまして、しつこいようですがこのように書いています。

 

悲しいことに、現在の日本の大学病院や総合病院のほとんどが、潰瘍治療(他にもキズやヤケドなどの治療)に昔ながらの「乾かして治す治療」を行なっています。ガーゼと軟膏の治療ですね。

軟膏も、ゲーベン、ユーパスタ(イソジン系)、アクトシン、アズノール、フシジンレオ、カデックスなどが処方されると思いますが、これらはゲーベンのような新しい皮膚細胞を破壊してしまう薬剤や、ユーパスタなど消毒成分が入っているので新しい皮膚細胞を破壊してしまい、なおかつ砂糖の成分で滲出液を吸ってしまう薬剤や、アクトシンは基材そのものが吸水性があるのでキズを乾かしてしまう薬剤です。このような薬剤ばかりなので、潰瘍治療に有効とはいいにくいものです。

 

でもなぜ「最先端医療を提供する」大学病院などがこのような旧式な治療法を行なっているかというと、治療には「治療ガイドライン」というものがあり、その中に「キズは乾かして治療するもの、使う薬品はゲーベン等…」と書いてあるからです。

そしてなぜ治療ガイドラインに沿った治療をするかというと、何か事故が起きて裁判になったとき、治療ガイドラインに沿って治療していれば裁判で有利だからです。

ではなぜ患者にとって有益な湿潤療法に変えないかというと、大きな病院になると治療法を変えるには、安全であるという証拠と、大勢の関係者の承認が必要です。その作業に時間がかかるからです。

これらのことは夏井睦先生の「患者よ、医者から逃げろ その手術、本当に必要ですか?」に書かれています。先生は形成外科医なのでテーマは熱傷ですが、潰瘍にも同じことがいえます。

 

というわけで、これが現在の大学病院など大きな病院での潰瘍治療ですが、潰瘍の痛みは私たち患者でないと知り得ないものです。ぜひズイコウパッドを使ってみて、痛みがどれだけ減るか、いかにガーゼより早く治るか試してみてください。

そして良い物だと思ったら、通っている大学病院のドクターに「この被覆材を使うと調子がいい」といって教えてあげてください。

 

またズイコウパッドを使いながら何か疑問を感じた時は、私にコメントくださってもいいですし、私は医者ではないので、「なついキズとやけどのクリニック」のHPで医療相談をメールで受け付けているので、ぜひ夏井先生に写真添付でメールしてみてください。

なつい式湿潤療法の賛同者は全国にいるので、その医師リスト(リンク先のサイトの下の方にあります)を見て訪ねていってもいいと思います。

 

長々お付き合いくださり、どうもありがとうございます。

一箇所にまとめた方がいいかと思いましたので、ご了承頂ければと思います。