番外 カールじいさんとバッタ君 | 慧青い愛阿の文化的日記

番外 カールじいさんとバッタ君

バッタくんとカールじいさんを見てきた。

バッタくんをちゃんとしたスクリーンで見たのは初めてだったが、あまりの美しさに夢を見ているようだった。
バッタくんの凄まじさは、絢爛豪華な絵だけではなくその動きにもある。
ああ、すべてはこれが始まりだったんだと思った。
アリエッティは、小人が引っ越すまでの話。
バッタくんは、虫たちが引っ越すまでの話だ。
私はメアリー・ノートンの原作を読んだ訳ではないので、なんとも言えない。
けれどもこの話は出来過ぎ位に似通っている。折しもバッタくんブーム?が世界を駆け抜けた少し後のこと。
この2つが似ている必然性はなくない。
カールじいさんもこのバッタくんの影響を十分に受けた作品と言える。
実はピクサーの作品を見たのは初めてだった。
初めて見てその感想は、と言えば、あのリアリティは一体何なんだ?
あたかも人形が動いているようだ。
服の布すら、生地を見ているようだ。
ただ、残念な部分もたまにはある。
最初の部分はちぐはぐしていたりもする。だから、後半にその設定がおかしくなってくる。
そういう部分は否めないものの、あれは素晴らしい作品であることは、言うまでもない。
ものすごいリアリティだ。
そして、バッタくんなんだなともうひとつ思った。
みんなバッタくんを越えたいのだ。
バッタくんを越えたくて、頑張って作る。
しかし、バッタくんには及ばない。
なぜならバッタくんは手描きだから。
バッタくんにはイリュージョンがある。
マイナスからのスタート、八十年まえの作品だ。
だのにこれだけの作品を作り上げ、そして動かした。
ディズニーを超える。
ただ、それだけのために執念でこの作品を作った。
これ一発で借金を返せるというサブストーリーを持った話は、実際には多額の借金をして倒産というバッドエンドを以て終了する。
美しい。美し過ぎるよ。
トラジディってこういうもんでしょ。
文句のつけようがない。