インターフェロン、白血病治療に期待 | おじぃちゃんの事件簿

インターフェロン、白血病治療に期待

東京医科歯科大と秋田大のグループは、ウイルスの増殖を抑えるとされるインターフェロン(IFN)が、血液細胞の源になる造血幹細胞の働きを制御することを突き止めた。


IFNと抗がん剤を組み合わせて白血病治療に使えば副作用が少なく治療効果の向上が期待できるという。


31日付の米科学誌ネイチャーメディシン電子版で発表。


樗木(おおてき)俊聡(としあき)・東京医科歯科大教授(免疫学)らは、IFNを体内で作り出せる物質を、マウスに与え、造血幹細胞の変化を調べた。


この物質を一時的に与えると造血幹細胞は増殖し、慢性的に与えると減少することがわかった。


IFNが造血幹細胞の働きを左右していた。


慢性骨髄性白血病では、造血幹細胞に似た

「幹細胞」

が白血病細胞を作り出す。


白血病を抗がん剤で治療する場合、増殖中の細胞でないと抗がん剤は効果を発揮しない。


白血病の幹細胞が休止状態にあると抗がん剤を投与しても十分効かず、これが再発につながることが問題とされていた。


今回、IFNを一時的に与えると、造血幹細胞が活性化することがはっきりした。


このことから、樗木さんらは…


『抗がん剤の治療をする前にIFNを与えて白血病の幹細胞を活性化させてから抗がん剤を与えれば、抗がん剤の効果が上がる可能性がある。白血病の根治につなげられるかもしれない』


と期待している。



※ 白血病とは?


白血病は血液のがんです。

血液は赤血球、白血球と血小板の3種の血球と、これらが浮遊している液体である血漿より成っています。


血球は骨の中にある骨髄の中で作られます。

白血病は正確には血液のがんではなく血球のがんです。

血球を作る細胞すなわち造血幹細胞が骨髄の中でがん化して無制限に自律性の増殖をする病気です。

19世紀後半にウイルヒョウというドイツの有名な病理学者がこの病気を初めて見つけました。

この時代には治療法もなく、白血病細胞がどんどん増え続けて血液が白くなったために、白い血の病気すなわち白血病と命名されたのです。


傷口が化膿したときやや緑色のかかった白色の膿が出ますね。


あれは白血球の塊であり、元々白色なのです。


しかし、白血病は現在では骨髄中での造血幹細胞のがんと定義されており、がん細胞の末梢血液中への出現の有無に関係ありません。


早期に診断されますと、白血球数が正常であったり、あるいは、むしろ減少していることが普通です。


白血病細胞は正常の造血細胞よりも早く分裂増殖すると思われているかも知れませんが、実際はそうでなく、細胞分裂してから次の細胞分裂までの世代時間は、正常造血細胞よりも2-3倍も長いことが判っています。

他のがん細胞も同様です。

実は、我々の正常細胞は成熟分化すると



『計画細胞死(アポトーシスとも言います)という機構により死ぬ運命にプログラムされているのです』



ところが、がん細胞では遺伝子に異常が発生してこの計画細胞死がおこらず、そのために細胞が増え続けてがん組織になるのです。


別の言い方をすれば、計画細胞死がおこらず死ににくくなった細胞が、がん細胞なのです。


発病原因については、まだ不明のケースが多い。


一部の症例では、放射線被曝やウィルス性のもの、抗ガン剤などが原因とされているが、多くの場合原因不明。


遺伝もみられず、また患者個人の生活習慣などとの関係も不明。


今のところは「運」としか言いようのないケースがもっとも多い。


症状的には「これが白血病だ」という明確な固有症状はない。


全身の倦怠感、貧血、息切れ、食欲不振、出血の止まりにくさ、それに伴う内出血(ぶつけた覚えもないのに青あざが出来るとか)、発熱傾向などが主なもの。


白血病細胞が臓器や神経に影響し、痛みを伴う場合もある。


明確な症状が無いので、「私は白血病ではないでしょうか」と疑って診察を受ける人はまずいない。


何らかの持病か、せいぜいしつこい風邪か何かだろうと思って来院し、診断を受けてびっくり仰天と言う場合がほとんどである。



ちなみに、漢字の「癌」と仮名で書く「がん」あるいは「ガン」は同じものと思われているかも知れませんが、正確には違っています。


「癌」は上皮細胞、たとえば胃の粘膜上皮細胞や肺の気管支上皮細胞の悪性腫瘍であり、「がん」はこれらも含めたもっと広い意味での悪性腫瘍を言います。


英語では前者はcarcinoma 、後者はcancerと使い分けています。


ですから、胃癌や肺癌と書き、愛知県がんセンターと書くわけです。


医者の間でも混同している人もいます。