直撃    | おじぃちゃんの事件簿

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『<新型インフル>子育て女性直撃 保育所預けられず』

新型インフルエンザの感染拡大で各地の保育所などは18日から休みとなり、働きながら子育てする女性やその家族の生活にも影響が及んだ。


生徒が感染した私立関西大倉高校がある大阪府茨木市で、2人の子どもを保育所に預けながら働く白山さん(33)もその一人。


仕事への不安を抱えながらも1週間、自宅で子どもと過ごすことにした。


「明日から1週間休みにします」


17日、長女(3)と長男(2)が通う私立保育所から連絡が入った。


同府守口市の両親に2人の世話を相談すると

「2、3日なら…」

との返事だったが、縫製業を営む実家の負担を気遣った。


とはいえ、夫(33)は工務店を経営しており、とても面倒は見られない。

夫の実家も仕事がある。


そこで、勤務先の私立保育所に休みを申し出た。


29人のクラスの副担任が1週間も休めば同僚の負担は重くなるのは分かっていたが、仕方ない。

しかし同園は休みを認めた。


それも

『有給休暇ではない、特別な対応を取る』

と言ってくれた。


その日、スーパーで1週間分の食料などを買い込んだ。


マスクは何店舗も回ったが、東大阪の店でようやく大人用だけを購入できた。


18日は自宅近くの公園2カ所で子どもと遊んだが、誰もいなかったという…。


夜には、気遣った旦那さんが普段より早めに帰宅した。



白山さんは…

『休み以外は子どもと遊ぶ時間がないので、たまにはいい』

としながらも…


『仕事はたまるし、他の先生への負担も心配。職場の理解あっての休みだ』


と話す。


一方、同園長(56)は…


『職場の負担は大きいが、世の中の状況を考えれば当然。保護者の理解も大きい』


と話している。


『子どもら行き場なく』


18日午前になって、公立学校の一斉休校に方針転換した大阪市。


各校では児童生徒の登校後に授業が打ち切られ、子どもや保護者らは戸惑いながら1週間の休みに入った。


「外で遊びたいなあ」


大阪市北区の市立菅北小学校に通う●ちゃん(7)=2年=と■ちゃん(6)=1年=の姉妹は、家業のお好み焼き店を手伝うことにした。


日本一長いアーケード街の天神橋筋商店街にある店でエプロンを身につけ、母親(29)と一緒に食器を運んだりした。


休校を知ったのは、この日登校してから。


担任の教諭から外出を控えるよう注意があり、給食を食べた後に下校になった。


自宅学習用に、算数や漢字の書き取りなどのプリントが配られた。




『新型インフル国内感染者数「163人」に、休校4千校超す』


厚生労働省などによると、国内で確認された新型インフルエンザの感染者数は、大阪、兵庫両府県で増え続け、19日午前1時現在、成田空港の検疫で判明した4人を合わせ…


『計163人となった』


日本の感染者数は、米国、メキシコ、カナダに次ぐ規模にふくれあがったが、大半が軽症で回復に向かっている人も多いという。


大阪府などによると、新たな感染者には、同府八尾市立南山本小の児童4人が含まれている。


うち3人は、17日に感染がわかった6年女児と同じクラスで、同府が感染経路などを調べている。


18日午前に感染が確認された神戸市の5歳男児は、兵庫県芦屋市の私立幼稚園に通っており、16日に発症。


4~8日に男児の家族がグアム島旅行をし、家族が一時、体調を崩したという。


文部科学省によると、18日夕現在、大阪、兵庫両府県内の小中高校、幼稚園、大学などの休校は、要請中の私立を合わせ、計4043校に上った。


広がる新型インフルエンザの感染。


教育現場では、授業ばかりでなく、この時期に多い修学旅行への影響も深刻だ。


朝日新聞が全国の教育委員会に聞いたところ、18日までに少なくとも573校が国内での修学旅行の中止や延期を決めた。


各地の教育委員会に、小中学校や高校、特別支援学校の修学旅行の実施について取材したところ、18日までに、66校が中止、507校が延期を決めた。


ほとんどが関西地方への旅行で、中止延期を検討している学校も多く、さらに増える可能性もある。


新潟市立石山中学は3年生201人が19日から神戸市など関西方面に修学旅行に向かう予定だったが、急きょ中止した。


18日朝、学年集会で伝えると、涙を流す生徒もいた。


同校は17日昼ごろまで、何とか実施したいと、教諭らが滋賀や奈良県などへのルート変更を模索したが、同日夜に保護者らに中止を伝えた。


旅行するはずだった19~21日は通常通り授業を行う。


校長は…


『断腸の思いや。今後、修学旅行の代わりに、思い出になるような行事をしてあげたい』


と話す。



キャンセル料金も今後の課題だ。


旅費は1人あたり約8万円だが、前日のキャンセルで約4割を支払わなければならない見込みだ。


学校は市が負担することを打診しているが、市教委は…


『他の指定市の状況を調べたうえで検討したい』


としている。


『健康を第一に考えると、延期せざるを得なかったんや』


18日から、6年生91人が関西方面へ修学旅行に出発する予定だった高知市立旭小学校。


校長は同日朝、体育館に集まった6年生に理解を求めた。


一行は2泊3日で、震災の教訓を伝える

「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」

(神戸市)

やユニバーサルスタジオジャパン(大阪市)などを訪れる予定だった。


国内初の感染が神戸市で確認された16日には、訪問先を同市から淡路島に変え、保護者に連絡した。


だが、17日には大阪市にも感染が広がり、延期を決断した。


旅行する学校も、行き先の変更を迫られた。


青森県弘前市の市立相馬中学は、生徒39人と教師ら44人で19~22日、神戸、大阪、東京への修学旅行を計画していたが、神戸、大阪の部分を取りやめて東京とその周辺部だけに絞ることにした。


同校は旅行中、大阪のスーパーで買い物客らに地元特産のリンゴをPRする試食会を開く予定で、宿泊先のホテルやスーパーに計4箱のリンゴを送り済みだった。


教頭は…


『生徒はリンゴPRさのため勉強にもマズメに取り組んでいただけによ、残念だっぺ…』


水戸市立第四中学でも、19~21日、京都と奈良、大阪をめぐる予定だったが、大阪を琵琶湖に変更した。


また、宮崎県都城市教委によると、長崎・関西方面への修学旅行で17日に出発した市立中1校の2年生(生徒59人、教師4人)は、長崎から大阪、京都に向かう予定を急きょ、福岡に変更。


期間も1日縮めて19日に都城に戻る。


『<新型インフル>休校中高生の「入店お断り」 カラオケ店』

関西のカラオケボックスでは18日、新型インフルエンザの影響で休校となった学校の生徒が来店した場合、入店を断る店が出始めた。


第一興商は、大阪府と兵庫県の直営10店舗で、生徒手帳を提示してもらい、従業員がチェックを始めた。


担当者は…


『お客様の安全が第一。感染拡大を防ぐため、やむを得ない』


と漏らす。



『世界の感染者数、9665人…日本は4番目』


新型インフルエンザの世界の感染者数は19日、メキシコで500人以上、米国で400人以上増え、日本を除くと40か国・地域で、9665人になった。


死者は、4か国で計78人。


日本の感染者数は、英国やスペインを超え、米国、メキシコ、カナダに続いて4番目に多い。


『相談電話が殺到、発熱外来直行の市民も…感染広がる神戸』


高校生を中心に新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染が拡大する神戸市。


30階建ての市役所最上階に近い会議室に設けられた

「発熱相談センター」

の電話は18日午前4時半ごろから、着信音とともに着信を示す赤いランプが点灯しっぱなしになった。


県立神戸高校の生徒の感染が確認された16日以降、電話回線を3回線から計10回線に増やし、24時間態勢で対応してきたが、17日だけで1875件もの相談が寄せられ、18日も電話が鳴りやまない状態が続いた。


4月29日の開設以来、医師や保健師が相談に乗り、発熱外来を紹介する業務を担当してきたが、電話が殺到し始めた18日午後3時以降は、一般職員42人が交代で応対する態勢に切り替えた。


サポート役に回った4人の保健師は


『ヒィ…パンク寸前っす』


と力なく言う。


電話がつながりにくくなったせいか、相談相手が見つからない市民が直接、医療機関の発熱外来を訪れるケースが続出した。


こうした状態が続けば、電車やバスなど公共交通機関を利用して移動する感染者が増えてしまって2次感染が拡大する恐れもある。


『マスクが売り切れている』


といった苦情も相次ぐ。


相談業務を担当する堀茂・市地域保健課主幹は…


『まあ、市民の不安はよく分かるけどさ、体調と無関係な電話は控えてほしいよね』


と疲れた表情で言った。


神戸市東部にある病院では、外来棟の近くに建つ職員宿舎を先週末から発熱外来として活用し始めた。


一般の患者が誤って足を運ぶのを防ぐため、その入り口付近には職員が立つ物々しさだ。


感染の疑いがもたれる患者に対しては、周囲から隔離しての問診が欠かせない。


このため、新型インフルへの対応は、通常の一般外来患者よりも手厚いスタッフの配置が必要となる。


こうした事情に苦慮する兵庫県の井戸敏三知事はこの日、東京・霞が関の厚生労働省で、舛添厚労相と面談、支援を要望した。


これに対して舛添厚労相は…


『まあ、国として、発熱外来など医療体制整備も財政的に支援しますよ』


と述べた。


新型インフルエンザの発症者の確認が相次いでいる大阪府吹田市の総合病院にも18日夕刻までに発熱を訴える約20人が訪れた。


病院スタッフが、翌日からの態勢を検討する院内会議に向かったのは午後7時。


『1人に駆け込まれるだけで、振り回されちゃいますよ』


病院の担当者は、疲れ果てた表情で語った。




『機内検疫を週内にも終了…政府、感染拡大防止に重点』


政府は新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の国内感染の広がりを受け、これまで重視してきた水際対策から感染拡大防止に重点を移す方針だ。


旅客便の機内検疫を週内にも終え、医療体制充実などを図ることにしている。


同時に、弱毒性と見られることを踏まえ、高齢者や乳幼児、基礎疾患のある患者以外に自宅療養を認めることなどを盛り込んだ、より柔軟な対応策を新たにまとめる考えだ。


舛添厚生労働相は18日、厚労省で緊急に記者会見し…


『検疫に人的資源を集中することから、国内対策にシフトすることは必要だ』


と述べた。



現在はメキシコ、米本土、カナダからの旅客便で実施している機内検疫を週内にもやめる方針だ。


厚労相はまた…


「政府の専門家諮問委員会から『感染力、病原性等の性質から見て、(新型は)季節性インフルエンザと変わらないという評価が可能』と報告を受けた」


と述べた。


その上で


『新たなH1N1(新型インフルエンザ)を前提とした新しい対処方針に切り替えた方がいいのではないか』


と語った。


政府の行動計画は、国内発生早期の場合、感染者はすべて指定医療機関に入院すると定めている。


新たな対応策には、こうしたケースでの自宅療養も認めるなど柔軟な対応を盛り込む予定で、今後1週間程度をめどにまとめる。


政府のこうした対応は、地方自治体や企業が強く要請したためだ。


政府はすでに強毒性の鳥インフルエンザを想定した行動計画を弾力的に運用し

「外出の自粛要請」

「企業への業務縮小要請」

などは見送っている。


それでも、18日に厚労相を訪ねた大阪府の橋下徹知事が…


『国が方針を出してくれると自治体はやりやすい』


と訴えるなど、政府により柔軟で具体的な対応を示すよう求める声が強い。


麻生首相は18日、首相官邸で記者団に…


『病気をお持ちの方は重篤化する確率は否定されていない。今の状況をきちんと見極めた上で柔軟に、適切に対応していく』


と述べた。







新型インフルエンザの感染が拡大したのを受け、企業もマスクの着用や消毒液による手洗いなど「基本方針」の徹底に追われた。


講演や工場見学を休止するなど「先回り」の対応も目立つ。


新日本製鉄は、東京・大手町の本社に手洗い用の消毒液を設置、外出先から戻ってきた際に手を洗うよう指導している。


三菱商事は本社ビルに出社した全社員にマスクを配布。


来客者にもマスクを配り、消毒液で手洗いをするよう呼びかけた。


東芝は来訪者にインフルエンザの感染症状があるかを、調査票に記入してもらうことを決めた。


企業関係者や見学者が多い東京証券取引所は18日、首都圏で感染者が出た場合、マスクを着用していない来場者全員にマスクを配布すると発表した。


すでに、配布用に約15万枚を蓄えている。


証券業界では、顧客向けの投資や資産運用セミナーを中止し、通常の経済活動を「自粛」する動きが相次ぐ。


大和証券は関西地区2府4県の18支店で19日からのセミナーを当面中止する。


三菱UFJ証券も近畿2府3県でのセミナーや講演を当面中止する。



酒類大手のサントリーホールディングスは、山崎蒸留所(大阪府)、京都ビール工場(京都府)、高砂工場(兵庫県)の三つの生産施設の一般見学を、19日から当面休止する。


予約分は個別に連絡を取って対応するという。


キリンホールディングスも、ビールの生産拠点である神戸工場(兵庫県)の見学を19日から月末まで休止する。


学校だけでなく保育所なども休園になると、乳幼児を持つ社員・従業員の仕事にも影響が避けられない。


このため、日本経団連は18日、会員企業約1300社に対し、従業員が子どもを預ける保育所が休園になった場合、従業員の休暇について配慮するよう求める通知を出した。


経済産業省は18日、全国商工会連合会など所管する1300の関係団体に、時差通勤の導入など感染の拡大防止策を検討するよう文書で求めた。


金融庁も、地域金融機関に対し、時差出勤や自転車通勤を認めるなどの柔軟な工夫を求めている。


損害保険大手の三井住友海上グループのインターリスク総研が上場企業を対象にした調査(今年1~2月実施、回答率16%)によると、新型インフルエンザ対策を実施済みの企業は全体の30%。


検討中の企業を含めると6割を上回るが、中堅・中小企業からは…


『事態が重大すぎて企業の対応能力を超える』


という意見が多いという。