マツダ大規模削減から2カ月…元派遣労働者『やるしかない』 | おじぃちゃんの事件簿

マツダ大規模削減から2カ月…元派遣労働者『やるしかない』

自動車メーカーの

『マツダ』

(本社・広島県府中町)が派遣社員の大規模な削減に乗り出して2カ月になる--。


本社や広島の工場で、

『派遣社員900人が職を失い』

関連会社を含めれば、県内で

『千人を超える』

とみられる…。


働く場所や住む家を突然、失った派遣社員のその後を追った。


■47歳 タクシー運転手に転身…の巻


『ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いしますだ』


タクシー運転手としてハンドルを握った21日から1週間余り。


広島市の男性(47)はまだ道が不案内で、客を乗せるたびにこう言って頭を下げる。


昨年12月5日、マツダの本社宇品工場(広島市)の派遣契約を打ち切られた。


時給1200円の

『牛丼店の深夜アルバイト』

をしながら、


毎日ハローワークに通ってガソリンスタンドや運送会社など十数社に連絡したが、年齢を理由に面接すら受けられなかった。


経営していた

『焼き鳥店をたたんだ後』

いくつかの契約社員などを経てマツダでは約3年間働いた。


県営住宅で暮らし、家族は妻と5歳の息子。


失業手当と、妻がコンビニで稼ぐアルバイト代で当面の生活費をやりくりした。


ハローワークに通いながら、何冊もの求人誌をめくった。


タクシー会社に電話すると、面接に応じてくれた。


給料は最初の3カ月間は月20万円が保証されるが、その後は売り上げの約4割の歩合制。


『きちんと家族を食わせていけるのか』

と不安もあったが


『正社員になれるなら』


と決心した。


二種免許取得のため、年末年始は島根県の自動車教習所で9日間にわたる合宿生活。


元日も休まずに教習を受けた。


周りは20代や30代の若者ばかり。


緊張しながら講習や実技試験をこなした。


『今日も頑張ったけん』


毎夜、妻に携帯で報告すると、横から聞こえる


『早く帰ってきてね』


という息子の声に言葉が詰まった。


1月上旬、出勤時にマツダの正社員に会った。


同じラインで働いていた後輩だった。


就職先が決まったことを告げると、彼は


『おめでとうございます』


と言ってくれた。


そして、


『ノルマがきつくなったのに、給料が減らされている』

『これからどうなるんだか…』


とこぼした。


『正社員にも不安があるんだな』


と感じた。


非正規労働者の契約打ち切り、大手企業での正社員の早期退職募集……。


雇用悪化のニュースを聞く度に胸がしめつけられる。


朝から翌日未明までタクシーを走らせ、売上金の精算や洗車をすませて

『原付きで約1時間かけて帰宅』

すると、

『午前5時を過ぎる』


1日の売り上げは3万~4万円。


『きついけれど、この給料ならやっていけるかもしれません』


目標は、大型免許を取得して、タクシーより深夜勤務が少なく、給料も安定している同じ会社の

『バス部門』

に移ることだ。


『春に息子は小学校にあがる。自分の稼ぎで安心して子供が学校に行けるように頑張りたい…やるっきゃない☆』





■26歳 生活保護受け休職中…の巻


『もう派遣にはいかないよ。頑張りを評価してくれる職場で働きたいな~☆』


広島市北部のマツダ関連工場で働いていた、大阪出身の藤原さん(26)は、7畳のワンルームマンションで暮らしながら求職中だ。


なんと、1月中旬に生活保護を受けることが決まったようだ。


『もう仕事ないんや…寮を出てくれや』


派遣会社からそう通告されたのは、米国で金融危機が起こった直後の昨年9月末。


両親は離婚し、帰る実家がなかった。


わずかな着替えを袋に詰めて、

広島市内で


『野宿生活を始めた』


所持金


『1万6千円』


はすぐ尽きた。


新年を迎えたのはJR広島駅近くの橋の下。


住宅街に資源ごみとして出ている

『古紙』



『缶』



こっそり持ち帰って売り、何とか1日1食分は稼いだ。



ドロボー!!



ハローワークへも足を運んだが、住所がなく、電話も持っていないため、登録はあきらめざるをえなかった…。


大阪の定時制高校中退後、飲食店などのアルバイトを経て24歳で派遣社員に。


愛知や栃木の自動車部品工場や、三重のテレビ工場を転々とした。


当初は

『住む所もある派遣はいい』

と思ったらしい。


ただ、制服代、自転車レンタル代、家電使用料……。


諸経費が勝手に給料から引かれ、不信感は募っていったようだ。


1月初め、橋の下を訪ねてきた支援団体のメンバーに

『生活保護を申請』

するように勧められた。


区役所からつなぎ資金として5千円を借り、中旬、


『月12万円の生活保護受給』



が決まった。


『求人のチラシ』



『張り紙』

を見て職を探しているが、まだ見つかっていない。


『ようやく新しいスタートラインに立った。不安もあるが、やるしかない』



厚生労働省の調査では、

昨年10月~今年3月までに全国で

『12万4802人の非正社員が職を失う』

見込みだ。


このうち契約の中途解除などで職を失う派遣社員が

『8万5743人』

を占める。



広島県内で失職する派遣社員は、

『全国で10番目に多い2742人』

同省広島労働局によると、

マツダは本社工場で約800人、

本社の事務・技術系の約100人、

の、

派遣社員を昨年12月末までに削減しており、県内で失職する派遣社員全体の3分の1を占める。


同局がこれまで再就職を確認したのは約90人。


寮で暮らしていた派遣社員の出身地は全国に散らばり、その後の実態は同局もつかみ切れていないのが実情だ…。







(::´Д`) { 出るときの所持金が『1万6千円』て、どんだけだよ(笑)