犠牲者、店奥に集中 逃げ場失い中毒死
いったん出火すれば、多量の煙が発生し、暗闇のなか逃げ道がふさがれることの多い深夜営業の店舗火災――。
多くの人命が失われてきた過去の火災の教訓は生かされていたのか。
15人が死亡した1日未明の大阪・ミナミでのビル火災で、現場の構造や防火設備、避難誘導などについて、大阪市消防局や大阪府警の調べが進む。
過去の店舗火災では、消防設備の不備や違法な改築・改造などが多くの死者を招いた原因として指摘されてきた。
風俗店を訪れた客ら44人が亡くなった01年9月の東京・歌舞伎町のビル火災では、避難時に使う階段に段ボール箱や用具が所狭しと積まれていた。
本来ある店舗内の窓も内装でふさがれていた。さらに、出火の際に防火戸も閉まらず、煙が充満し、多くの客が逃げ場を失った。
07年1月に発生した兵庫県宝塚市でカラオケボックスが焼けた火災では、個室の窓がベニヤ板などでふさがれ、2階にいた客らが煙に巻かれて3人が死亡した。
大阪市消防局によると、今回火災のあった7階建てビルには、消防局が昨年5月に立ち入り検査し、防火戸の開閉にかかわる「温度ヒューズの不具合」など4点にわたって指導していたが、出火場所とみられる1階店舗については重大な違反は確認されなかった。
消防法上義務づけられた消火器や屋内消火栓、自動火災報知機などは備えられていたという。
消防局によると、出火直後に火災報知機が作動したという客や近所の人らの証言もある。
では、なぜ15人もの死者が出たのか。その鍵を握るのが、消防局の調べでわかった犠牲者の位置だ。
現場の個室ビデオ店は、畳1畳程度の試写室が幅1.2~1.6メートルの廊下をはさんで、両側に32室並ぶ構造だった。
利用者は受付を済ませた後、試写室が並ぶ廊下へと通じる唯一の出入り口から奥に進んで入室するが、亡くなった人たちは廊下奥の部屋に集中していた。
消防局は、廊下の中ほどにある自販機コーナー付近がよく焼けていることを確認しており、利用客が火災報知機で出火に気づいても逃げ場を失って煙に巻かれ、一酸化炭素中毒死したおそれがある。
火災があった10月1日は、個室型店舗に対する防火体制の強化を盛り込んだ消防法施行令が施行された日だった。
国は大きな火災が相次ぐたびに、法改正を重ねてきた。
01年9月の東京・歌舞伎町のビル火災では、消防法を改正し、自動火災報知機など防火設備の設置基準や消防の取り締まり権限を強化した。
宝塚市のカラオケ店火災後には、全国のカラオケ店6758店舗を調査し、7割の店舗が消防法など関係法令に違反していたことがわかった。
07年12月の調査でも3割に違反があり、店舗の入れ替わりが早い繁華街では、経営者の防火管理の知識にむらがあり、設備投資にも消極的な面もあることが浮き彫りになった。
一方で、ネットカフェや個室ビデオ店など、カラオケ店以外にも多くの客が個室を利用する業態が出てきていることから、消防庁はこれまでは床面積300平方メートル以上に義務づけていた自動火災報知機の設置を、面積にかかわらず義務化し、1日から施行した。
多くの人命が失われてきた過去の火災の教訓は生かされていたのか。
15人が死亡した1日未明の大阪・ミナミでのビル火災で、現場の構造や防火設備、避難誘導などについて、大阪市消防局や大阪府警の調べが進む。
過去の店舗火災では、消防設備の不備や違法な改築・改造などが多くの死者を招いた原因として指摘されてきた。
風俗店を訪れた客ら44人が亡くなった01年9月の東京・歌舞伎町のビル火災では、避難時に使う階段に段ボール箱や用具が所狭しと積まれていた。
本来ある店舗内の窓も内装でふさがれていた。さらに、出火の際に防火戸も閉まらず、煙が充満し、多くの客が逃げ場を失った。
07年1月に発生した兵庫県宝塚市でカラオケボックスが焼けた火災では、個室の窓がベニヤ板などでふさがれ、2階にいた客らが煙に巻かれて3人が死亡した。
大阪市消防局によると、今回火災のあった7階建てビルには、消防局が昨年5月に立ち入り検査し、防火戸の開閉にかかわる「温度ヒューズの不具合」など4点にわたって指導していたが、出火場所とみられる1階店舗については重大な違反は確認されなかった。
消防法上義務づけられた消火器や屋内消火栓、自動火災報知機などは備えられていたという。
消防局によると、出火直後に火災報知機が作動したという客や近所の人らの証言もある。
では、なぜ15人もの死者が出たのか。その鍵を握るのが、消防局の調べでわかった犠牲者の位置だ。
現場の個室ビデオ店は、畳1畳程度の試写室が幅1.2~1.6メートルの廊下をはさんで、両側に32室並ぶ構造だった。
利用者は受付を済ませた後、試写室が並ぶ廊下へと通じる唯一の出入り口から奥に進んで入室するが、亡くなった人たちは廊下奥の部屋に集中していた。
消防局は、廊下の中ほどにある自販機コーナー付近がよく焼けていることを確認しており、利用客が火災報知機で出火に気づいても逃げ場を失って煙に巻かれ、一酸化炭素中毒死したおそれがある。
火災があった10月1日は、個室型店舗に対する防火体制の強化を盛り込んだ消防法施行令が施行された日だった。
国は大きな火災が相次ぐたびに、法改正を重ねてきた。
01年9月の東京・歌舞伎町のビル火災では、消防法を改正し、自動火災報知機など防火設備の設置基準や消防の取り締まり権限を強化した。
宝塚市のカラオケ店火災後には、全国のカラオケ店6758店舗を調査し、7割の店舗が消防法など関係法令に違反していたことがわかった。
07年12月の調査でも3割に違反があり、店舗の入れ替わりが早い繁華街では、経営者の防火管理の知識にむらがあり、設備投資にも消極的な面もあることが浮き彫りになった。
一方で、ネットカフェや個室ビデオ店など、カラオケ店以外にも多くの客が個室を利用する業態が出てきていることから、消防庁はこれまでは床面積300平方メートル以上に義務づけていた自動火災報知機の設置を、面積にかかわらず義務化し、1日から施行した。