倉ー美の日常は恥辱にまみれている。 -20ページ目



目覚めた。すごくスッキリと。

職場からの電話で。

ええ遅刻です。

華麗なる寝坊です。しかも、まさかの夜勤を遅刻。
金メダルもの。

あれ?ここはソチかしら?
ソチってどこ?
あぁ、ロシアね。


ううん。ここは紛れもない三茶。あたしが本来いるべき場所じゃない。

やべーやべー

4分で準備した。
華麗なフリーの演技でした。これこそ金メダルもの。

目指すべきはソチではなく池袋。

山手線に飛び乗った。舞った。
あれは三回転半?
いや。四回転はいってたな、あれは。

ジッと乗ってられない。車内走りたい。

ジリジリとした気持ちで車内を過ごす。

目の前では、檀蜜並みのおねいさんが

それ服?
布切れ?

ってくらいの露出度で座ってる。

マジでエロい。

ジリジリに悶々とした感情まで乗っかってきた。

ジリ悶とした感情を胸に池袋へ降り立つ。
ふと目線を降ろすとズボンのチャックが半分空いてた。
ジリ悶とした感情が溢れてた。下のほうから溢れてた。

これは減点?加点?

気持ちを締め直すためにチャックを閉めた。

もうあたしに抜かりはない。


職場に着いてまずすることって言ったら平謝り。
ただ、ただ謝った。

けど皆から出てくる言葉はあたしを労わる言葉ばかり。
ただの寝坊なのに。

大丈夫ですか?やっぱり体調良くないんですね

無理しないでくださいね

手が抜けるとこあったら抜いて下さいね




…誰かあたしを責めて!罵って!


あたし消えたい。消えてしまいたい。
北の問題と共に消えてしまいたい。
なんなら北方領土と共にロシアに強引に攫われたい。

夜勤ってご飯を持っていかなきゃならない。
慌て過ぎててすっかり忘れてた。
あたし何してんだ…

買ってきていいですよ~

皆の優しさが苦しい

ほんとごめん!買ってくる!


コンビニへ行き、自分のご飯と謝罪の意味も込めて遅番全員分のドリンクをカゴへ入れレジへ…

財布がないっ!

まさかの財布を持たずに買い出しへ

あたしマジで何やってんの

めっちゃダッシュで職場へ戻る。

エレベーターへ飛び乗った。舞った。今回は三回転。

エレベーターの中、走りたい。
ジリジリとした気持ちを持って、財布も持って再度コンビニへ向かう。

下りのエレベーターが中々来なくて待ちきれず階段で下りる。
踏み外さないように足元をしっかり見ながら。


視界にはチャックのあいた制服のズボンが見える。


もうやだ…