※ 最高評価は⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️です。

 

 

女性に向けて書かれた本でした。夫が定年退職し一日中家に居られる鬱陶しさをいかにして軽減するか、精神科医の立場からその対策が書かれています。

お互いに束縛しない行動の自由が生活の基本のようですね。
とりあえず、夫の定年退職に合わせて奥さんも専業主婦業を定年退職すればいいと思います。夫も無職になって稼ぎは無くても、かわりに時間だけは十分あるわけですから、自分のご飯ぐらいはやはり自分で作らないといけませんね。もちろん言うまでもなく、食材の買い出しからゴミ出しまでの一連の食に関わる全ての作業で、ただ調理だけすればそれでいいなんてことではありません。洗濯もそうです。自分のことは自分でする、これも大切な基本の一つですね。要は学生時代の下宿生活に戻ったと思えばどうということはありません。その上で、奥さんと役割分担を決めてもいいですね。

著者の提案に概ね賛成ですが、第四章パートナーチェンジのすすめ、だけはどうにもいただけません。
離婚に備えて夫と分れる前にあらかじめ男友達を何人か作っておきましょう、その中から新しいパートナーになる人が出て来るかもしれません、というのは、いくら愛想が尽きたとは言え、人生を共に長く歩んで来た相手に対し、ひいては自分自身の人生に対しても、いかにも不誠実ではないでしょうか。思いもかけず他の誰かを好きになってしまったというのならばともかく、こんな計算づくなことをしていたら、おそらくロクなことにはならないように思います。

もっとも、別れてから他の誰かを見つけるにしても、たとえば60になって、気の合う70の新しいパートナーを見つけて一緒になって、一緒に生活して、それで、やはり夜の生活もありなんでしょうか。そのあたりがどうにもうまく想像できないんですが。年相応の美しくない裸が妙にリアルな黄昏流星群にしても、それでももう少し若かったような。何ごとにも旬というものが有って、それを間違うと無残で残念なことになりそうな気がします。