戦慄!女ストーカー -3ページ目

第53話 掴めぬ証拠

警察官の帰った部屋で、私は何をするでもなく、しばらく呆然としていた。

部屋からは出られない、助けを求める相手もいない、仕事も無い・・・。



それでも私は何か行動を起こさなくては・・・と思い、パソコンへ向かった。

何をするべきかは分からなかった。


今の状況で自分に出来る事や他人に頼れる事を必死に考えたが、どうしても思い浮かばなかった。 考えれば考えるほど思考回路は空回りし、漠然とした憶測ばかりが色濃く浮き上がった。





きっとこの事態を仕組んだのはミホさんだ・・・。





一度そう考え出すともう止まらず、あたかも真実を知ってしまったかのような確信を持ってしまい、何としても警察へ提出できる証拠を押さえようと考えた。 そして私は手帳を開き、以前少しだけ開いた際にメモっていたミホさんのブログ(第28話参照 )へ再びアクセスした。





ミホさんのブログは相変わらず赤と黒で悪趣味なレイアウト。

以前の公衆便所女の記事から3つエントリーがあったが、いずれも私に関する話題だった。 その中でも特に気になる記事がひとつあった。







あの公衆便所女を見ちゃった!!

彼氏の家に行く途中で電車を一回降りて、

他の路線に乗り換えるんだけど、その駅で便所女と遭遇!

便所女は50歳くらいの太ったオヤジと腕組んで歩いてたよw

チンポついてるなら誰でもいいんだね~ww キモw

それとも昔の癖でまた援交でもやっちゃってるのかな?w







もちろん、こんなの嘘。

でも、50歳くらいのオヤジって・・・ さっきの 「契約」 の相手も確か私を 「若い」 って言ってて・・・ もしかしたら50代の人なのかも知れない・・・。



こんな一個人の書き殴ったブログの記事なんか、よほどの核心に触れていない限りは証拠になるワケないのに、何とか証拠になりそうな文面は無いか必死に探した。 私の中ではもう、犯人はミホさんしか有り得なかったから・・・。



しかし、こんな所で証拠が掴める筈もなく、やるせない気持ちのまま諦めた。







証拠も無い私の意見に警察は耳を貸そうとしない。 忙しい警察にとって私の問題など、一庶民の痴話喧嘩くらいのちっぽけな問題なのだ。 ならば 「契約」 を交わしたとされる50代の男性に直接コンタクトを取るほか無い。




私はもう、捨て身だった。 どうせ誰にも愛されない、憎まれ罵られるだけの人生なら、今更何が起きたって失うものなど無いではないか・・・なんて考えていた。





私は携帯を握り締め、すっかり日が暮れた近所の公園へと向かった。