休み明けの月曜日、先生は私のお腹を押して、いつもの渋い顔をする。

「うーん、半分くらいにはなったけど、まだまだ大きいな。」

入院して1週間もたつのに、未だ手術できないことに苛立っていた私。

まだダメですかね? と軽くプッシュしてみる。

「うーん、この状態だと、お腹を大きくきらなきゃいけないから、大変だよ。」

でも、手術しなければ、いつまでたっても退院できないのだ。


「傷口が大きくてもかまいませんから」

煮え切らない先生に、さらにプッシュをする。

「そーだなー、もう抗生剤ではこれ以上小さくならないかもしれないなー。」

「先生、切りましょう!」

「うーん、傷が大きくなっちゃうけど、いいか?」

「はい、もうお嫁に行く必要もないので、大丈夫です。」

とわけのわからない説得を繰り返した。


「よし。やるか? やるぞ! 明日手術!」

先生は、自分に言い聞かせるかのように、渇を入れながら部屋を出て行った。

ところが、明日は手術室も麻酔科の先生も忙しくて空いてないという。

「じゃ、しょうがない。今日やろう。今日の3時だ!」


いきなり手術が今日になってしまい、急にバタバタと忙しくなった。

手術前に説明をしたいから、2時頃までに家族を読んでくださいとのこと。

夫に電話すると、筑波まで営業に出ていて2時に戻るのはムリという。

母に、お願いしてきてもらう事に。


それから、麻酔科の先生が来たり、再び生えてきた毛を剃毛したり、手術着に着替えたりと。

そうこうするうちに、あっと言う間に12時を過ぎた。

すると、看護婦さんがやってきて「ご家族の方はまだ来ませんか?」と言う。

3時だったはずの手術時間が、2時に繰り上がったというではないか。

そんな事急に言われたって、来れないって・・・。

実家に電話するが、すでに母は家を出たのか、誰も出ない。

このまま誰もこないまま手術になったら、さすがに心細いなー。

早くお母さんこないかなー。と1人病室で待つ。


1時頃、突然夫がやってきた。

なんと仕事をキャンセルして、戻ってきてくれたのだ。

ありがとう。ありがとう。涙が出そうだ。


さっそく別室で先生からの説明を2人で受ける。

8割がた盲腸に違いないが、それ以外のことも想定しなければならないとのこと。

炎症がひどければ、腸を着る場合もあるし、

婦人科系の病気が見つかるかもしれない。

などなど、恐ろしい事をたくさん言われた上で

それでもOKですよ。という意味のサインをさせられる。

同意書ってやつだ。


それまで意気込んでいた私も急に不安になってきた。

でも夫は、冷静で手術後はどれくらいで退院できますか?なんて聞いてる。

あー、この説明を母と一緒に聞かなくて良かった。

心配性の母と一緒だったら、余計不安になったに違いない。


説明が終わり病室に戻ると、母も来ていた。

それからあわただしく、パジャマのズボンと下着を脱ぎ、

手術用の靴下をはき、名前と年齢が入った腕輪を付けられ

床ずれ防止用に腰にテープを張られ、

最後に、ゲーゲーしながら、鼻からドレインを入れられた。

準備完了。


「さー、行きますよー。」元気の良い看護婦さんの掛け声と共に

ベットに乗った私は、看護婦さん、夫、母と一緒に地下の手術室へ向かう。

手術室の手前で手術担当の看護婦さんに引き渡される。

「がんばって!」と家族と看護婦さんに言われながら、いざ手術室へ。


・・・・・・・


手術開始!!!