手術するのは大変だ。
お腹を切る前には、たくさんの検査をしなければならない。
血液検査、レントゲン、エコー、心電図、尿検査。
一通り回っていくうちに、だんだんお腹が痛くなり
腰を曲げないと歩けなくなってくる。
見るからに病人らしくなってきて、痛みも増してきた。
入院するのは頭ではわかっていたけど、実際に痛みが増すと
「入院したい」と体で納得できるようになる。
それほど、辛い。
検査は1人で回れるからと、夫に自宅に戻ってもらっている間に、
病室に案内されてしまった。夫はわかるだろうか。ちと心細くなる。
でも、不安になる暇もないくらい、次々と看護婦さんがやってくる。
まず、病室の説明から始まり、
手術をするからと、手術着、靴下、などを身に着けるよう指導され
点滴が始まり、指輪をはずすように言われ、家族構成を聞かれ
手術の立会人は誰かと聞かれ、
そして、手術前の儀式である剃毛も、無事終了した頃に
主治医の先生が、やってきた。
「今日手術だって?」
いぶかしげに、私のお腹をグイグイ押して診察を始めた。
「なんだこりゃ、固いなー。何でこんな固いの??」
・・・なんでって言われても、わからないんですけど・・・・
と不安になっていると。
「うーん、ちょっと手術はムリだなー。
たぶん膿が広がっていてね、お腹の中がぐっちゃぐっちゃになってるから。
しばらく炎症を抑えた方がいいな。」
と言いながら、先生は病室を出て行ってしまった。
え?それじゃ手術しないってこと?
いつ、手術するの? それともしないの?
1人で不安になるが、それを深く考え込む時間もなく、またもや看護婦さんがやってきた。
「さーCT取りに行きますよー」
お腹が痛い私を気遣って、車椅子に座らせてくれた。
車椅子に揺られながら、一緒にエレベータにのり、CT室に向かうが
途中で気持ち悪くなり、トイレで吐く・・・、
が何も出ない。胃に何も入ってないのだ。
その代わりといっては何だが、下痢をする。
体調は最悪だ。
CTを取るときは、すでにお腹の痛みが激しく体が伸ばせない状態に。
余りに痛いので、手術をしないのなら、痛み止めをもらえないだろうかと
看護婦さんに頼む。
ふらふらになって病室に帰ると、栄養剤、抗生剤、痛み止めの点滴が始まる。
痛み止めのせいで、かなり眠くなる。
その後、熱がどんどん高くなり、もうろうとしてくる。
1人でいる不安を感じる余裕もなく、何時なのかもわからず
いつ手術するか気にするのも忘れ、
痛みや辛さと戦うことを体が優先していた。
そんな夜だった。
夜中に熱が9度以上になったので、
ものすごく痛い注射をされた。
はっきり覚えているのはそれくらいだ。
入院1日目は、長ーい1日だった。