東方の剣士 | "THE LAST BATTLE" ミリアムの魔術書・外伝

東方の剣士

東方の国から流れて来た剣士は一風変わっていて

ずっと旅の中に生きていた

世界中の空が真っ赤に燃えた時代に

旅の寄り道と言って戦った剣士


数年後に故郷とは違う島に渡り

やがて旅の途中で病いに倒れたと聞いた


最期まで楽しそうだったと

旅の中に生きていたかったのだと

落ち着くこと安住することはついに

病いを患ってでさえ思わなかったようで


長生きしてほしいと願う気持ちはあったが

あの剣士らしい生き方だといま安心する

東方の国から風のようにやって来て


疾風の剣捌きと凪いだ心で

きっと次ぎの世界に吹かれていったのだと皆が言う

次ぎの世界で新しい旅を生きていると