恋する戦士
魔法は俺を惑わすために使え。
男と女は簡単に肌を合わせられるのさ。
その中で安らぐ相手なんてついぞみつからなかった。
恋敵は戦友で親友だったよ。
もう俺たちは人間じゃない。愛する資格もないし心から女を愛した記憶も遠い。
お前はこれからどこへ行く。
魔法が使えるってなんだ?
幾度もお前の力で体の傷を癒したが、心までは変わらなかった。
俺が倒れればお前が前衛に出る。それは避けよう。
寂しくなるのはな、傷を癒すその手の一瞬の輝きが。
お前がお前の身を守るための男を失わないためのものってことだ。
今夜も自分の剣の傍らで眠る。
こいつは俺の最高の相棒だが、俺を抱きしめてはくれないんだ。
わかるか、マリア?