破滅の夢に | "THE LAST BATTLE" ミリアムの魔術書・外伝

破滅の夢に


"THE LAST BATTLE"   ミリアムの魔術書・外伝

ケイティとエヴァンはいつも一緒に眠る。お互いに夜が怖い。真っ暗な闇は死を思い出させる。

共に”死んだ”経験があるからこそ共有できる思いがある。



どちらともなく手を握って、やがて朝を迎る。そんな生活は続く。



ケイティはたまにサムソンを思い出す。恋慕ではなく「そんな人もいたんだわ」と。



今夜の夢はこの世界の終わる破滅のときが舞台だった。



エヴァンはどんな夢の中にいるのか。



「きっと正夢だわ」

ケイティはそう思ったがどうということはなかった。一度は死んだのだ。



そういえば、と思う。



これ以上に怖いものなど今更ないのだ。



そう、なにも。