俺の人生を変えるきっかけとなった一人の男の最期のお話。
車の免許を取るべく通った教習所で知り合った指のない男A。
そのAにはしょっちゅう歌舞伎町に呼び出されては、まだ19の俺をキャバクラに連れ出し、自慢気に「こいつは若えけど気合い入ってんだ」などと話していた。
その後、Aの紹介で当時歌舞伎町で顔役だった人に付き、世の中の色々を学ぶ事となった。
Aはあまり信用を持たれる男ではなかった。
理由は口だけが先行するのと、常に金銭のトラブルを抱えていたからだった。
それなりに稼ぐようになった頃、Aが少し困った様子で俺に言った「少しまとまった金が必要なんだ」と。
理由を聞いた時、俺は閉口した。
Aが覚醒剤中毒だった事、それを見かねた奥さんが富士の樹海でAの覚醒剤を多量摂取し自殺した事、発見当時衣服から出ていた部分の肉という肉が野犬に食べられ白骨化していた事。
Aが言うには遺体の引き取りに数十万円というお金が必要らしかった。
俺も世話になった事のある内縁の奥さんの死に戸惑いつつ、一つ仕事を紹介する事を提案した。
仕事を終え、遺体の引き取りに掛かるお金を手にしたA、笑顔で俺にこう言った「本当にありがとうな。嫁はんもこれで報われるよ」と。
それからしばらくAと会う事もなく、ふと気になった時にAの兄貴分の人に聞いた「最近A見ないっすけど、元気しているんですか?」その後の答えに驚愕する事となった。
「ああ、アイツな、言ってなかったか?自殺したんだよ。奥さん自殺しただろ?同じ場所で同じ死に方でな。」
いつも奥さんを「うちの嫁はん、ぶくぶく太って」などとわざと目の前で馬鹿にする素振りだったA、実際はとても傷付いていたらしい。
自ら断てなかった欲望で愛する人を失う事を知る事となった。
立て続けに知人を二人も失う悲しみを知る年となってしまった。
今も二人の笑顔を忘れる事はない。
車の免許を取るべく通った教習所で知り合った指のない男A。
そのAにはしょっちゅう歌舞伎町に呼び出されては、まだ19の俺をキャバクラに連れ出し、自慢気に「こいつは若えけど気合い入ってんだ」などと話していた。
その後、Aの紹介で当時歌舞伎町で顔役だった人に付き、世の中の色々を学ぶ事となった。
Aはあまり信用を持たれる男ではなかった。
理由は口だけが先行するのと、常に金銭のトラブルを抱えていたからだった。
それなりに稼ぐようになった頃、Aが少し困った様子で俺に言った「少しまとまった金が必要なんだ」と。
理由を聞いた時、俺は閉口した。
Aが覚醒剤中毒だった事、それを見かねた奥さんが富士の樹海でAの覚醒剤を多量摂取し自殺した事、発見当時衣服から出ていた部分の肉という肉が野犬に食べられ白骨化していた事。
Aが言うには遺体の引き取りに数十万円というお金が必要らしかった。
俺も世話になった事のある内縁の奥さんの死に戸惑いつつ、一つ仕事を紹介する事を提案した。
仕事を終え、遺体の引き取りに掛かるお金を手にしたA、笑顔で俺にこう言った「本当にありがとうな。嫁はんもこれで報われるよ」と。
それからしばらくAと会う事もなく、ふと気になった時にAの兄貴分の人に聞いた「最近A見ないっすけど、元気しているんですか?」その後の答えに驚愕する事となった。
「ああ、アイツな、言ってなかったか?自殺したんだよ。奥さん自殺しただろ?同じ場所で同じ死に方でな。」
いつも奥さんを「うちの嫁はん、ぶくぶく太って」などとわざと目の前で馬鹿にする素振りだったA、実際はとても傷付いていたらしい。
自ら断てなかった欲望で愛する人を失う事を知る事となった。
立て続けに知人を二人も失う悲しみを知る年となってしまった。
今も二人の笑顔を忘れる事はない。