「この若者は誰だ」ベベ、インタビュー
この夏ユナイテッドがべべを獲得した際、
マスコミとファンは「この若者は一体誰だ?」と
思っただろう。「彼はホームレスだったのか?」
だが、分かっていたのはティアゴ・マヌエル・
ディアス・コレイアという名前とポルトガルの
リスボン出身ということだけだった。
このインタビューではベベ本人がユナイテッドに
たどり着くまでの冒頭の内容を語ってくれた。
ユナイテッドファンはあなたについてほとんど知りません。
自分を紹介してくれますか?
僕は謙虚な人間なんだ。ユナイテッドは僕と契約してくれた。
それはクラブが僕を信じてくれたからさ。時間とチャンスを
与えてくれたんだ。ゴールを決め、期待に応え、ファンにも
自分が何故ユナイテッドの一員になったのかを知ってもらいたい。
過去について少し教えてくれますか?
生まれ育ったのはリスボンの貧しい地区だった。僕は何も持って
いなかったよ。でも悪さをするのではなく、自分自身が持つ人生の
可能性のために努力し、人々にそれを示したかった。
そして、僕はここに辿り着いたんだ。
路上生活をしていたという噂がありますが、それは本当?
いや間違いだね。路上で生活したことなんて一度もないよ。
ただし子供の頃は本当に貧しくて苦労した。9歳の時には
施設に入らなければならなかった。それまでは祖母と一緒に
暮らしていたけど、僕ら兄弟4人全員の面倒を見ることができなく
なってしまったんだ。だから施設に入り、20歳までそこで
暮らした。ここ、マンチェスターにやって来るまではね。
サッカーはどこで学びましたか?
子供の頃はバスケットをするのが好きだったんだ。でも、兄が
サッカーをやっていて、試合を観に行くうちにサッカーへの
興味が湧いたんだ。12歳か13歳の頃だった。クラブの名前は
エストレーラ・ダ・アマドーラでポルトガル3部リーグのクラブの
ジュニアチームだった。そこで一番活躍し、ゴールも誰よりも
多く決め、監督は僕をファーストチームに引き上げたんだ。
アマドーラからヴィトリア・デ・ギマラエスへと移籍しユナイテッドに
やってきましたね?
そうだね。ギマラエスでプレーしたのはプレシーズンだけだった。
全てのプレマッチで良いプレーをし、ゴールを決め続けていたら、突然
ジョルジュ・メンデス(べべの代理人)から移籍についての
話を聞いたんだ。その時はもう嬉しくてたまらなかったよ。まるで
夢の中にいるようだった。ユナイテッドの一員になれるなんて、誰に
とっても夢物語だからね。
ユナイテッドについての知識はありましたか?
もちろん。(笑)
ここまでたどり着くまではあっという間でしたか?
全てがあっという間だったよ。こんなことになるなんて全く予想して
いなかったからね。クラブと契約した翌日、ファーガソン監督と会った時は
緊張したよ。監督には出来るだけ早く英語を覚えなさい、
髪もさっぱりと切って来なさいってジョークを言われたんだ。でも、その時の
僕は監督が真剣にそう言ってると思ったけどね!
ユナイテッドについての最初の印象は?
初めてオールド・トラフォードに行ったとき、そこでプレーする自分を
想像したんだ。トレーニング初日のこともよく覚えているよ。
ドレッシングルームにいる時から周りには有名な選手ばかり。これが
真実なのか、信じられないでいたよ。
練習にはほとんど集中できなかったね。テレビで見ていた選手たちと
一緒にプレーしているんだから。それも全てがあっという間に決まって、
僕は気がついたらそこにいたという感じだったからね。でも今は自分が
ここで何をすべきか分かっているし、全力を尽くして成長し、良いプレー
がしたい。
最初にチーム内で仲良くなった選手は誰でしたか?
エヴラ、アンデルソン、ナーニ、チチャリートだね。皆、僕と同じ言語を
話せる選手たちさ。それに自分のアパートが決まるまでの間は、
アンデルソンの家に住ませてもらっていたんだ。ナーニは本当に良く
してくれたよ。僕らのルーツは同じ、カーボ・ベルデ諸島なんだ。
彼の家にはよく遊びに行くよ。彼は英語を教えてくれるし、その他の
面でもいろいろサポートしてくれる。彼となじレベルになれるように、
全力で頑張っているよ。
スカンソープ戦でのデビューのことはよく覚えていますか?
監督からウォーミンアップを命じられたときにはすごく興奮したね。
この試合ではきっとプレーするチャンスがあると思っていたからね。
その通りになってほんとうに嬉しかった。観衆は冷ややかだったけど、
それでナーバズになることはなかった。やってやるぞって言う自分自身
の声が聞こえていたからね。
選手としての武器はなんですか?
幅広くプレーできることと、シュートの精度。僕は右でも左でもどちらの
サイドでもプレーできるし、両足で同じようにシュートを打つことが出来るんだ。
あなたは本来長いはずの道のりを一気にやって来ました。もしも過去に
誰かから「2年後にユナイテッドに辿り着く」と言われていたとしたら、何と
答えていたと思いますか?
きっと笑ってしまっただろうね。「うーん、そうだねぇ・・・」という感じにね。
でも今、僕はここにいる。ここで出来る限り多くプレーしたいし、ゴールも
決めたい。そしてユナイテッドのタイトル獲得に貢献したい。
それが今の目標さ。

