僕も10歳で父を亡くしました。
ただ、父が大切に育ててくれた経験が
たくさんあります。
中でもこれがとても大切な思い出です。
1960年夏、今から60年前の父が最後に撮影した写真です。
左から兄、僕、姉そして母、父が入っていないのが残念です。
これは神奈川県の大秦野の蓑毛という場所です。
父が先頭に立ち、当時は丹沢の登山口であるヤビス峠の麓に
キャンプ場をオープンし、その記念にこの彫像を建てたのです。
この日僕と兄はボーイスカウトの連中とこのキャンプ場でキャンプを
して宿泊しました。
彫像のモデルは僕でした。
スタジオでたくさん写真を撮られたのを覚えています。
等身大のこの彫像は僕にとっては大切なものです。
父亡きあと、一人で考えたい時はここへ行ってこの彫像を見ながら
考えたものでした。
長男が10歳の時この場所へ連れて行きパパに何か話したい時は
ここへ行くようにと伝えて一緒に写真を撮ってあります。
今でも同じ場所に
こうして立っていますが、キャンプ場も含めて
この辺りは住宅地になってしまいました。
中々出来ない経験ですからとても大切にしています。
この年の11月に残念ながら45歳という若さで父は他界しました。
父に大変感謝をしています。
ありがとう。


