私の高校は、格好よく言えば『人種のサラダボウル』のようなものだ。

正しく言えば、人種ではないが。


近い所は徒歩5分。


遠い所は電車で1時間30分以上。


若干山ということもあって、親に送り迎えをしてもらっている人も結構いる。


今日は、そんな中頑張って自転車で登校していた友人の話。


彼女の家は山の方にある。

何せ住んでいる村が、山の名前と一緒なのだから。

でも彼女は何を思ったのか、一時必死に自転車で登校してきていた。



今思うと、本当にすごいと思う。



彼女と同じ村に住む子曰く、




「車がなければ生きていけないよ、あの村では。」




・・・・・



ある日、いや、ある土曜日。

土曜補習で学校に来ていた私は、なかなか彼女がこない事を不思議に思っていた。

いつもだったらそろそろ現れる時間である。


数分後。

彼女は膝から大出血をしながら現れた。

すかさず駆け寄るクラスの方々。

何があったのかと聞いてみると・・・・・



「すごい坂を下っててさぁ、スピードが出すぎたからブレーキをかけたら自転車は止まったけど自分が止まらなくて、そのまま自転車のかごを超えて一回転しちゃったよ。


これが慣性の法則なんだね。」





いや、慣性の法則を実感する前に自分の体を心配しようよヽ(´Д`)



その体験で目覚めたのか、彼女は学年で1,2を争うほど物理が得意である。