赤塚先生には、「ママ」という存在が大きかったようだ。
実の母親はもちろん、
最初の奥さま、登茂子さんにも、
2番目の眞知子さんにも、
「ママ」を感じさせる女性に、
近くにいてほしかったようだ。

でも登茂子さんは、パパだけのママではなく、
「りえ子ちゃんのママ」になってしまった。
わたしの勝手な想像だけど、
ママをりえ子さんに取られたように感じてしまったのかもしれない。
そして、女の人のいるお店に遊びに行ったり、
新しい「ママ」として、眞知子さんを求めてしまったのだろう。

りえ子さん自身は総勢4人のママとパパが大好き。
こんなにシンプルで当たり前のことなのに、
なかなか「家族が大好き」とはならない事が多い。

みんなで楽しければそれでいいと感じられる4人が集まり、
本物の両親のDNAと新しい2人の考え方が合わさって、
りえ子さんが完成した。
結果として、面白く素敵だと思う。

りえ子さんは、お嬢さま風な育ちなので、
自立を考えるのが少し遅かったようだ。
それでも自ら、
「ママがいなくなったあと、なにもできない自分が残るのが嫌だ」、
そういって、今まではなんでも許してくれていた登茂子ママの反対を押し切り、
ロンドンに留学する。

そして、パパが倒れ、眞知子さんが亡くなり、登茂子さんも倒れた。
さらに、登茂子さんが亡くなった3日後、パパも帰らぬ人となる。
りえ子さんは、一度に両親を失った。
このショックは計り知れなく、経験した者にしかわからないだろう。

短期間にに3人も失った事には同情せざるをえないが、
みんなりえ子さんの成長を十分に見届け、
パパの素晴らしい作品たちを、
りえ子さんに任せて大丈夫と確信したから逝ってしまったのだろう。


バカボンのパパよりバカなパパ 赤塚不二夫とレレレな家族/赤塚りえ子
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