奥山さんを初めて知ったのは、
たしか2003年の夏頃。
父にガンの転移が見られ、それについて調べていたら、
ブログが検索で引っかかった。

同じ年なので、軽くショックを受けつつ、
ブログを夢中で読んだ。
どうしてそんなに客観的に書けるのか不思議でたまらなかった。
自分は父のことでも、動揺しているというのに。

わたしは、絶対にあり得ないとわかっていても、
奥山さんは完治するのではないかと思っていた。
奇跡を起こしそうな気がしていた。

父はその年の暮れに亡くなり、
奥山さんのブログを見る回数も減っていった。
そして2005年春の訃報を新聞で知り、
「ヴァニシングポイント」が出版されていることを知った。

ここには、壮絶なガン治療が淡々と書かれている。
しかし、ブログに書けないような苦しい日もあったのだと思う。
それを一切感じさせず、飄々と希望を持ちながら、
最後までカッコよく、ロックに過ごした、
最高のガン患者だと思っている。


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