中学から30歳くらいまで、私は中島らもの本ばかり読んでいた。
テレビも見た。
ラジオも聞いた。
芝居も見に行った。
広告の仕事に就いたこともあった。

たいへん、あこがれの人であった。

晩年、らもの本は自伝的なものが増える。
その頃から、私はらもから離れていった。
薬と病気とアルコールでやられていたのか、
愚痴っぽく、どこかで聞いた話ばかりだったからだ。

結局、階段から落ちて死んでしまうのだけど、
それはとても『らもらしい』死に方だと感じた。

早く死ぬのをわかっていたので、自伝的なものが増えたのだと思う。
この本も、天才児だった子供時代から死ぬ直前までの話。
自殺ではないので、今後の目標もあるのだけど、
長生きしない自分を感じ取っていたのかと思える。

そんな晩年のいつも通りの本なので、正直おもしろくないが、
これが長く続いた『らも』の最終回なのだと思った。


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