『ファイナルファンタジーXI(FF11)』が記念すべき20周年を迎えた2022年5月から6月にかけて実装された、「蝕世のエンブリオ」第8回(第8話)。
長きにわたるヴァナ・ディールの歴史において、冒険者にとって最も馴染み深いNPCたちが思わぬ形で物語に関わり、過去と現在が交錯する非常に濃厚なエピソードとなっています。
本記事では、第8話で実装された3つのミッション「マート御乱心」「アイドルはやめられない」「大魔法使いデルクフ」について、ストーリーのあらすじ、立ちはだかるバトルの攻略法、そして『FF11』の根幹に関わる深い世界観の考察までを余すところなく解説します。
1. 第8話の全体像とストーリーの概要
「蝕世のエンブリオ」は、突如としてヴァナ・ディール全土に現れ始めた謎の「蝕世の卵」と、冥界の主オーディン、そして世界を破滅に導こうとする「カオス」を巡る壮大な物語です。
第8話では、舞台が再びジュノ周辺へと移ります。ジュノル・ルデの庭でお馴染みの長老「マート(Maat)」や、ヴァナ・ディールのスーパーアイドル「ミュモル(Mumor)」、さらにはゴブリンの「マックビクス(Muckvix)」や「ディスティニーデストロイヤー団」といった個性豊かなキャラクターたちが一堂に会します。
さらに物語の後半では、アルタナの神兵で描かれた「過去世界(水晶大戦時代)」へと赴き、サンドリアの王族「ヴァレンラール」や薔薇傭兵騎士団の「ノユリ」たちと共に、蝕世の卵の起源、そして「デルクフの塔」に名を冠する大魔法使いデルクフの真の姿へと迫っていくことになります。
2. クエスト攻略とストーリー詳細:マート御乱心
第8話の幕開けとなるのが、2022年5月10日のバージョンアップで追加された「マート御乱心」です。
タイトルからしてすでに波乱の予感が漂いますが、その期待を裏切らないドタバタ劇と、難易度の高いバトルが待ち受けています。
あらすじと驚きの展開
ジュノのル・ルデの庭を訪れた冒険者は、マートから「何もしていないのに体中が痛む」という奇妙な相談を受けます。限界突破クエストで数多の冒険者を泣かせてきた彼だけに、「冒険者の恨みによる呪いではないか?」と疑う声すら上がる始末。
事の真相は、なんとマートがミュモルから差し入れられた「蝕世の卵のゆで卵」を食べてしまったことでした。禍々しい力を持つ蝕世の卵をあろうことかゆで卵にしてしまうミュモルの天然ぶりと、それを平然と平らげてしまうマートの強靭さには、多くのプレイヤーが度肝を抜かれました。
しかし、さすがのマートも卵に秘められたカオスの力には耐えきれず、眠りにつくと意識を乗っ取られ、夜な夜なバタリア丘陵を徘徊する化け物と化していたのです。
攻略のポイント:女神の祝福スパムに要注意!
バタリア丘陵〔S〕の指定ポイントを夜間(18:00~6:00)に調べることで、暴走したマートとのコンフロント戦(制限時間15分)が発生します。ミュモルがゲストNPCとして参戦してくれますが、このバトルは「蝕世のエンブリオ」を通しても屈指の難関として知られています。
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マートの規格外の能力:ジョブはモンクですが、ランダムなタイミングで基本6ジョブ(戦モ白黒赤シ)のSPアビリティを回数無制限で使用してきます。
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最大の壁「女神の祝福」:最も厄介なのが白魔道士のSPアビリティ「女神の祝福」です。HPをギリギリまで削った瞬間に使われ、全回復されるという絶望的な状況が頻発します。プレイヤーの報告データによると、15分の制限時間内に5回以上も女神の祝福を使われたというケースも珍しくありません。
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対策:マートの攻撃自体はミスが多く、それほど痛くありません。長期戦になると女神の祝福を使われる確率が上がるため、連携や強力なウェポンスキル(WS)、あるいは「百烈拳」などのSPアビリティを惜しみなく投入し、一気に押し切る火力が求められます。フェイスは回復・支援を厚めにするより、短期決戦を意識した編成が有効です。
3. クエスト攻略とストーリー詳細:アイドルはやめられない
続く「アイドルはやめられない」は、2022年6月10日のバージョンアップで追加されました。
タイトルの元ネタは昭和を代表する某アイドルの名曲であると推測され、FF11らしいパロディ精神が光ります。
あらすじと共闘劇
無事にマートの暴走を止めたものの、そもそも「蝕世の卵」がどこから持ち込まれたのかという謎が残ります。
ジュノ下層のゴブリン、マックビクスやディスティニーデストロイヤー団(DD団)の面々と調査を進めると、卵は「デルクフの塔」をうろつくモンスターたちが運んでいたことが判明します。
DD団のリーダーであるグルームファントムらと共にデルクフの塔の入り口へ向かうと、そこには塔を縄張りとする巨人族「エキオン(Echion)」が待ち受けており、問答無用で戦闘へと突入します。
攻略のポイント:DD団を守り抜け
クフィム島にあるデルクフの塔前で発生するコンフロント戦(制限時間15分)です。
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敗北条件の追加:このバトルでは、味方NPCとしてグルームファントム(戦士)、ダッツボグ(ナイト)、マッグビフ(モンク)の3体が共闘してくれます。しかし、彼らのうち1体でも戦闘不能になるとその時点でクエスト失敗(敗北)となってしまいます。
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エキオンの猛攻:敵の巨人 Echion はSPアビリティ「マイティストライク」を使用し、さらに特殊技「氷の咆哮」で自身にアイススパイクを付与します。
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対策:Echion の攻撃力は高めですが、ギミック自体はシンプルです。盾ジョブや盾フェイスがしっかりとターゲットを固定し、DD団のメンバーに攻撃が向かないようにすることが最重要です。アイススパイクの反撃ダメージで味方NPCのHPが削られる事故を防ぐため、ディスペルやフィナーレなどの強化魔法を消去する手段を用意しておくとより安全です。
4. クエスト攻略とストーリー詳細:大魔法使いデルクフ
第8話のクライマックスとなるのが「大魔法使いデルクフ」です。
蝕世の卵の過去の行方を追うため、冒険者は水晶大戦時代の過去世界へと旅立ちます。
あらすじと「デルクフ」の正体
DD団が掴んだ情報によると、過去に獣人軍が「蝕世の卵」を魔法兵器として利用しようとしていた痕跡がありました。
冒険者は南サンドリア〔S〕へ向かい、王立騎士団のヴァレンラールや薔薇傭兵騎士団のノユリたちと合流し、エルディーム古墳〔S〕へと向かいます。
そこで彼らが目にしたのは、蝕世の卵を持ち去ろうとする赤いデーモン族でした。
彼こそが、現代にそびえ立つ巨塔に名を残す「大魔法使いデルクフ」の真の姿だったのです。
デルクフは卵を持ち去り、これが後に塔に封印されるという歴史の繋がりが明確になります。
攻略のポイント:最大の強敵は「カンパニエ」?
エルディーム古墳〔S〕の奥で、オーク族のNMなどを討伐するコンフロント戦が発生します。
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バトルの特徴:敵は複数体のNM(オーク、樹人など)です。特に厄介なのが狩人タイプの「Sharpshot Luttdrutt」で、HPが減るとSPアビリティ「イーグルアイ」を使用してきます。遠隔攻撃主体のため、後衛やフェイスが狙われないよう立ち回る必要があります。樹人族の範囲睡眠対策として毒薬(服毒)を用意しておくと安心です。
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システム上の罠(カンパニエ待ち):実は、このミッションで多くのプレイヤーを苦しめたのはバトルそのものではなく、「NPCの不在」でした。物語を進めるためには過去サンドリアのヴァレンラールやノユリに話しかける必要がありますが、**彼らがカンパニエ(過去世界の陣取りバトルコンテンツ)に出撃している間はイベントを進行させることができません。**運が悪いと、彼らが本国に帰還するまで数十分から数時間待ちぼうけを食らうことになり、実装当時は公式フォーラムでも改善を求める声が多く上がりました。
5. ストーリー考察:蝕世の世界観と驚きの事実
第8話をクリアすることで、エンブリオの物語に隠されたいくつかの重大な事実が浮き彫りになってきます。
蝕世の卵とカオスの目的
物語を通じて「蝕世の卵」とは、冥界の主オーディンと対立する存在「カオス」が、アストラル界から莫大な魔力を汲み出して生み出したものであることが語られます。
この魔力の搾取によりクリスタルの循環が乱れ、ヴァナ・ディールの理が崩壊の危機に瀕しているのです。
マートが卵を食べて暴走したのも、純粋なカオスの魔力が彼の中で暴発した結果と言えます。
NPCたちの正体:エライジャ(Elijah)と印章交換係
さらに特筆すべきは、物語の裏で暗躍する(あるいは見守る)キャラクターたちの真実です。
エミネンス・レコードの特別目標である「珍妙なモンスターを討伐せよ!」を依頼してくるジュノ上層のNPC「Elijah(エライジャ)」。
彼の正体は、オーディンの監視役として人間社会に潜伏しているデーモン族「マークグラフ・エリゴス(Markgraf Eligos)」であることが示唆されます。
さらに衝撃的なのは、ジュノ港で獣人印章などを預かってくれる長年の相棒、「Shami(シャミ)」と「Shemo(シェモ)」も実は人間のふりをしたデーモンの一員であるという事実です。
20年間、何食わぬ顔で冒険者と接してきた彼らが人間ではなかったというカミングアウトは、FF11の緻密な世界観設定の深さを改めてプレイヤーに知らしめました。