大きな演技。
これはテレビで見ていては気が付かないが、
生観戦すると、非常に差がつく部分である。


大きく見える理由。

私なりの分析では、3つの要因があると思う。
(あくまで、私なりの分析)

物理的なもの、
技術的なもの、
その他のもの。




物理的なものとは、すなわち体の大きさそのもの。

体の大きな選手が演技すると、
物理的に大きいので演技は映える。

コストナーやライサチェクがその例であろう。



続いて、技術的なもの。

まずはスピード。
スケーティング技術に優れた選手が、運動量が多いと、演技が大きく見える。
(キムには当てはまらない。彼女にはスピードなどありはしない!)

続いてはバレエ的な要素。
上体の使い方、特に腕の使い方で演技は大きく見せることができる。

トップクラスの選手はそれが出来ているだろう。

ある程度は振付でカバーすることもできる。



最後にそれ以外のもの。

これはいわゆる「オーラ」というものだろう。

生まれ持った「華」というものがある。
その他にも、いろいろな「オーラ」があると思う。

現時点で、一番、この「オーラ」が大きいものは、プルシェンコであろう。
彼のオーラ、気迫からくる迫力はTVでも十二分に伝わってくる。
特に、ルールから開放されたエキシでのオーラの放出は凄まじいと思う。


この「オーラ」はその時の気力や体の状態で大きくなったり小さくなったりもする。

例えば、2007年の世界選手権で優勝した後の安藤美姫。
その堂々とした「オーラ」は目を惹き付けた。
いわゆる「女王の風格」というものであろう。
明らかに優勝前とは違っていた。



よほどの選手でない限り、
「オーラ」は心身の状態に左右される。
つまり体力も気力も充実していないと、オーラは小さくなってしまう。

「オーラ」を一番大きくするものは自信だと思う。

それは、「自分を見て」という自信とアピールにも繋がる。



ランビエールやヤグディンは、オーラのスイッチを持っていると思う。
ダンサーや女優によくいるのだが、
その役に入りるとスイッチが入る。
存在感自由自在。


彼らは、そんなに目立つタイプではないが、
スイッチが入ると自分達の世界ー引き込むことが出来、
大きく見える。





今季のコストナー、シズニーは、この3つが今のところ出来ており、
巧く作用して、
良い結果が出ている。

それらは爆発的な迫力のあるものではないが、
「成功」と言ってよいだろう。

今週末からGPシリーズは後半戦となる。
彼女らの復活が、確かなものであることを見せて欲しい。





そして、何より、私は浅田真央の復活を切望する。

ジャンプが決まらなくても、
自信をもって演技をして欲しい。


コストナーもシズニーも、
ジャンプが失敗すると、
あっと言う間に「オーラ」がしぼんでしまう。

今、浅田選手も「オーラ」がしぼんでいるのではないだろうか・・・?



成功体験は人を大きく成長させる。
それは多くの選手に当てはまる。
高橋選手はその顕著な例であろう。


成功しないと、褒められないと、自信を持つことは難しい。
たとえ、世界選手権で2度も優勝しても。

シーズン前のインタビューを読むと、
浅田選手はマスコミの呪いに彼女自身が陥っているように思えて、
胸が痛んだ。

素晴らしい選手であるのに・・・。
ジャッジもメディアも酷い扱いをすると、そうなってしまうのだろう・・・。



彼女なら出来ることは分かっているが、
時間が足りるかどうか、
それが大きな不安だ。


今、彼女はどんな気持ちでいるのだろう・・・。

ただ、必死に、
ただひたすら練習しているであろうことだけは確かだ。