ある日、ウサ子の目が白濁していることに気付いた。

えーーーっ!!!
白内障だぁーーーー!!!

右目は真っ白。
左目も少し濁っている。

なんで今まで気付かなかったのだろう・・・。
ここまで進んでいるのに・・・・。

自分が情けなくなった。


白内障はどうにもならないと思ったが、
一応、病院に行こう。

ウサギ専門病院はタクシーで片道4500円。
キツイ・・・。
(ウサ子は電車が大嫌い。
 その上、私は眩暈持ちで、よく階段で落ちたりする。
 自分1人ならいいけど、ウサ子を持って転倒したら、と思うとぞっとする。
 それでいつも泣く泣くタクシー・・・。)

近くの病院で評判のいい病院に行くことにした。
タクシーで1500円くらい。

その病院はウサギ専門ではなく、ウサギは事前に予約するシステム。
ウサギは犬がいたら怯えるので、病院側の配慮だ。

小さくてこじんまりとした病院だった。
先生は、かなりお年を召しているよう・・・。
助手の方も、同じくかなりお年を召しているよう・・・。

ウサ子は暴れまくる。
還暦前後と思われる女性2人に暴れん坊ウサ子の処置は無理だった・・・。
(先生の方は確実に還暦は越えていると思われる・・・。)

強烈なウサキックに、おばーちゃん2人はゼーハーゼーハー。
ただ、診察するだけで・・・。


結局、やはりウサ子は白内障だった。

白内障用の目薬はあるけど、効果は期待できない。
手術するという方法はあるが、ウサギは目が見えなくてもそれほど不自由はない。
部屋の家具の配置等をかえなければ、問題なく暮らすことができる。

手術しても、一旦、破砕した水晶体が再生することがある。
手術は高額であるし(30万円程度)、ウサギの身体には負担が大きいので薦めない。

ということだった。
人間と同じだ。
予想していたことだけど、辛かった。


原因はおそらくエンセファリトゾーンではないかとのこと。
老化による白内障は10歳程度から出てくることが多いそうだ。

エンセファリトゾーンも「うっ帯」と同じくらい、ウサ飼いを悩ませる存在だ。
斜頚という病気を引き起こす。
多くは子宮内感染が疑われ、最近は子ウサギのうちに検査することも多い。
(悲しいことに、ウサ子を飼い始めたころはそういう概念はなかった。)

ウサ子は幸いにも斜頚にはなったことがない。


しかし、先生は慰めてくれた。
「よく白内障に気付いたわね。普通は、なかなか気付かないのよ。」
少しだけ、ほんの少しだけ、気分は軽くなった。

その他、いつも左目が涙が出るので、見て貰った。
それは「流涙症」という病気で、ロップイヤーの器質的な問題であるということ。
多くのロップイヤーはなるらしい。
牧草中心で育てると、そんなに問題にならないとのこと。
「牧草中心で育てた、良い歯をしているわね。」
飼い主が凹まないように、褒めることを心がけている先生らしい。
気遣いを有難く思う。

でも・・・、ウサ子の歯は、少しは悪くてもいいかも、と思うよ・・・。
ウサ害が大きすぎるから(苦笑)。



そして、ここからは私の判断ミス。

うっかりウサ子の爪切りを頼んだ。

が・・・・、すざまじい格闘の末、爪をきることは出来なかった。
たまりにたまった耳垢ももちろん取れなかった。

格闘は20分くらい続いたと思う。
最終的にお2人は床にはいつくばって、2人がかりでやっとウサ子を固定・・・。

助手の方が上からウサ子に覆いかぶさってなんとかウサ子を押さえ込むことに成功。
(まさに柔道の「押さえ込み」だったよ・・・)

お2人は文字通り、髪を振り乱していた。

いたたまれなかった・・・。
とても恥ずかしかった・・・。


爪切りは何度も失敗したので、細かい切れ目がたくさん入って、脆くなってしまった。
そのせいで、変形した爪もある。

自分で切ればよかったよ・・・。
ここまで、もてあまさせるとも思ってもいなかったよ・・・。


病気についての説明文書をくれるなど(PCから印刷するのに異常に時間はかかったが・・・)、
とても親切な病院だった。
しかし、二度と行くことはないだろう・・・。




病院でタクシーを呼んでもらい帰った。

タクシーの運ちゃんが「猫?」と聞いてきた。
「ウサギです。年をとったら、白内障になっちゃって。」
「あ、そう、近くの○○○に、いいペット供養のお寺さんあるよ。火葬もしてくれるって。」
「・・・・・。」

そのお寺さんは、とあるカリスマ獣医師の本に書いてあったから知ってるよ・・・。

しかし、余計なお世話じゃっ!!
むかついた(苦笑)。