NHKスペシャル「浅田真央 キム・ヨナ “史上最高”の闘い」を見た。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100227.html

少し前に放送したNHKスペシャル「浅田真央 金メダルへの闘い」の焼き直し的な部分が殆どだったが、
「上げ」も「下げ」もなく淡々とした内容で最後まで見ることが出来た。

キムは安定を求め、
浅田は常に新しいことにチャレンジし、ジャンプと表現の両立を求めた、
というスタンスを説明。

(実際はキムはトリプルアクセルを諦めきれず、ずっと練習していたらしいけどね。
杉田氏によると、昨季は飛べていたそうだけど。)



フリーの生放送を見てから、初めて彼女達の演技を見た。

涙も枯れていないだろうに、気丈に演技を振り返り、コメントする浅田選手。

失敗したフリップについては
「このジャンプは9点も貰えると思った。集中し切れなかった。」
とコメント。
このジャンプを飛んだ時、私は違和感を感じた。
それが私の感じた違和感の正体かどうかわからない。
しかし、本人がそう振り返っている。

フィギュアは繊細なスポーツだ。
ほんの少しの、1/100秒以下の、タイミングの狂いがジャンプを失敗させる。
メンタルの安定が大事なのだ。

ノーミスで演じきったキムは素晴らしいと思う。
しかし、それは失敗しても得点が貰える。
回転不足も見逃して貰える。
フリップのエッヂも気にしなくて良い。
という大きな後押しがあるからだということを忘れて欲しくない。

この番組はそれについて小さな皮肉が込められていたと思う。
ショートの3Lz+3Tのセカンドの3Tは、liveで見た時は回転ギリギリ足りていると思った。
そのスロー映像は後ろ向きからとらえたもの。
しかし、この番組で使用したスロー映像は前方からとらえていた。
回転足りない~!!!!
フリーのLive放送では、スロー再生されなかった2Aからの3連続をスロー再生。
回転足りない~!!!!

あえて、今まで放送していない映像を流していると思った。

私はNHKに感謝した。
回転不足だったと分かったから。

コンビネーションスピンの両足も含め、
彼女のショートは・・・・
10点などに納まらない水増しだったことが分かる。

彼女の金メダルに対して納得した気持ちが萎えた。
ショートもフリーも、今季一番の素晴らしい演技だったとは思うが・・・。



浅田の不調ばかり取り上げられるが、キムも不調だったことも取り上げた。
アメリカ大会でもGPFでも不調だったのだ。
ジャンプの失敗がかなりあった。
でも何故か優勝。
だから、誰も彼女の不調に気付いていなかった。


ショートの放送で、不調の原因であったフリップについて刈谷さんはきちんと言及してくれた。
そのフリップもショートではエッヂはフラットに見えた。
(浅田・鈴木・長洲であったら-2がつくであろう)
フリーは分からない。
きちんと再生されないから。
フリーの2A+3Tなんて、3Tの時、映像の下が切れた・・・。
あり得ない。



浅田のフリーでの3Tの失敗。
本人は「足に来た」としか言わない。
しかし、この番組では、エッヂが氷にひっかる様もスローで再生してくれた。
有難いことだ。

トリノシーズン、GPFで優勝した浅田の説明で、
GPFを「世界一を決める大会」と説明したことはどうかと思うが(苦笑)。


この映像はなぜか番組中で2回流された。

そらにみつ ~天満~-100227_2252~010001.JPG

これも、小さな皮肉かもしれない。







試合直後に浅田が泣く姿には、やはり涙がこぼれる。

今日の8時台のNHKのオリンピック特集で、キャスターの女子アナが浅田の泣いている姿に涙していた。
私もあの姿には、やはり涙がでる。
それは、悔しいのではない。
ただひたすら悲しいのだ。
一緒に泣いてくれてありがとう。