アイスダンス、ペアは地上波でほとんど放送されていない。
しかし、五輪ではNHKで放送されることと思う。
そこで五輪前に、有力カップル・ペアの紹介をしていきたい。
・・・・誰も期待していないだろうが(笑)。


アイスダンスの五輪メダルの予想は難しい。
正確な予想が出来るのは、欧州選手権以降であろう。

力量がスバ抜けているのはデロベル&シェーンフェルダーだ。
出産してまもないデロベルの状態はどんなものだろうか?
ママさんスケーターの五輪出場は初かもしれない。

出産を終えた後、プロとしてショーに出るスケーターはいるが、
五輪となると話は別である。

例えば、スルツカヤは、かなり劣化していた。
もっとも、シングルよりアイスダンスは劣化が少なくて済むと思う。
高橋大輔も怪我から復帰したし、怪我よりは出産はリスクが少ないかもしれない。

最後のチャンスということもあり、リスクを押して出場を決意しているのであろう。
しかし、欧州も欠場する模様。
是非とも、金メダルをとっていただきたいところだが、厳しい様子・・・。


他の有力候補は以下の4組。
この5組でメダルを争うことになると思われる。

オクサナ・ドムニナ&マキシム・シャバリン (ロシア)
昨季の世界選手権金メダルロシア。
非常に美しいカップル。コーチはリニチェク。
今季は怪我でGPシリーズ欠場。ロシア選手権から復帰。

タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト (アメリカ)
昨季の世界選手権銀メダル。トリノ五輪銀メダル。
タニスはカナダ出身。このカップルも非常に美しく見栄えがする。
コーチはリニチェク。元コーチはシュピルバンド。

テッサ・ヴァーチュ&スコット・モイア (カナダ)
カナダということもあり、メダルは確実。
まだ若いが、組んでからの期間も実績も十分である。
世界選手権、昨季はテッサの怪我もあり銅メダル。一昨季は銀メダル。今季はGPF2位。
コーチはシュピルバンド。

メリル・デイヴィス& チャーリー・ホワイト (アメリカ)
今季は勢いがありGPシリーズ2戦で200点越。GPF優勝。
コーチはズエワ、シュピルバンド。
GPFの様子から判断するに、ヴァーチュ&モイアはシュピルバンド、デイヴィス&ホワイトはズエワが主体で見ているようだ。


アイスダンスは、急に大会で上位に来るということはあり得ない。
シングルのPCS以上に、全体な点数は積み上げるものだからだ。

あと1組、入賞するのは、以下のいずれか組であろう。
(リンク先はWikipedia)
ナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザ (フランス)
ドロベル&シェーンフェルダーと同じコーチであったが(Muriel Zazoui/Romain Haguenauer)、ズーリンにしてから急成長。
フランスのエスプリとロシアの正統派アイスダンスが上手く融合したようだ。
昨季は世界選手権5位、欧州4位。今季GPF3位。

ヤナ・ホフロワ&セルゲイ・ノビツキー (ロシア)
一昨季は世界選手権3位。ドムニナ&シャバリン欠場でロシア連続メダル獲得のプレッシャーの中、大健闘。
昨季は6位に終わる。
小柄なヤナの柔軟性を活かした派手なリフトが持ち味だが、他カップルのリフトも派手なものに変わってきたせいか、今季は伸び悩んでいる。

シネイド・ケアー&ジョン・ケアー (イギリス)
姉弟カップル。昨季欧州選手3位。プラトフにコーチ変更してから急成長。
面白いプログラムで人気がある。今季のオリジナルダンスも人気。
従来はエキシビジョンのみで逆リフトを披露していたが、今季はフリーで行っている。

フェデリカ・ファイエラ&マッシモ・スカリ (イタリア)
昨季、急成長しGPFに進出するも、世界選手権ではオリジナルダンスで転倒。下位に終わる。
逆リフトで有名だが、大怪我をしてからISUに非公式であるが禁止される。
今季はGPシリーズ2戦目を欠場。状態が気になるところ。
全くもってどうでも良いことだが、日本人のおっかけがいるらしく、どの大会でも「日本」と書いた鉢巻をした同じウサギのぬいぐるみがプレゼントされている。
そらにみつ ~天満~-ファイエラ



アイスダンスは年齢に関係なく、急に成長することが近年良く見られる。
それはコーチ変更に伴うことが多い。
今季で言えば、アンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ (イタリア)。ドロベル&シェーンフェルダーと同じコーチになりGPファイナル進出を果たした。

上位陣はほぼ同じコーチと言っても過言ではない状態。
アイスダンスはコーチ、振付師次第といったところか。

ベルビン&アゴストのコーチ変更後の著しい変化を見るとヴァーチュ&モイアとデイヴィス&ホワイトも五輪後はコーチを変更した方が良いと思う。
(もっとも五輪の結果により、どちらかが出て行く可能性は大だが)
ベルビン&アゴストは、リニチェクに師事してから、足首が柔らかくなり、エッヂが深くなり、基礎になるスケーティングが非常によくなった。
(五輪銀メダリストになって3シーズン後に基礎が良くなるというのもおかしな話である!
新採点方式の弊害であろう。)

シュピルバンドは新採点方式に対応し、ジュニアの育成には秀でているように思えるが、
ある程度まで成長したら、王道の基礎を大事にするコーチに師事した方が伸びるのではなかろうか?


余談だが、一昨季のオリジナルダンスのテーマも今季と同じくフォークとカントリーであった。
多くのカップルがロシア民謡を使用し、コーチ・振付がロシア出身ばかりだと認識させられることでもあった。
ジュニアを見ても、これからもアイスダンスを牽引していくのは、間違いなくロシアであろう。



新採点方式になってきてからのアイスダンスは、
あまり好きではないが、
せっかくの五輪である。
アイスダンスはそういうものと受け入れて、楽しみたい。