あの全日本を終えても、まだそのような批判があるようだ。
私はタラソワは無責任でも無能でもないと思っている。
彼女は素晴らしいコーチであり、振付師であり、プロデューサーだと思っている。


浅田真央関連の情報を週刊誌2誌から。
なお、立ち読みなので、記憶に間違いがあるかもしれないが、ご容赦ください。

まず、週刊新潮
【ワイド】正月は冥土の旅の一里塚
(9)「浅田真央」出場でもバンクーバー五輪は「金メダル」がない!?


これは小さな記事であるが巻頭特集のうちの1つ。
「浅田真央に金メダルがない」。
その理由は、まずロシェットが地元で有利であるということ。
もう1つは、キムヨナがバンクーバーが準地元。そして全てが素晴らしく頭一つ実力が抜きん出ているから。
だそうだ。
 (この内容には同意しかねるが、私も金メダルはかなり厳しいと思う・・・。その理由は後日。)


もう1誌は例の週刊文春
浅田真央「復活」を支えた姉の電話
五輪に挑むフィギュアの女神
▼安藤美姫は75万円「ラムちゃんルック」がおキラい
▼「摂食障害」鈴木明子の苦闘「髪も抜けた」


これは、ロシア大会の後、舞さんが「五輪が終わったら温泉に行こう」と電話したことと、
全日本の時「SP良かったよ、明日も大丈夫」というような内容を電話したことだけだった。

後は、安藤美姫とモロゾフがどうのこうのとか、
浅田真央は金メダルは無理だとか、タラソワが無責任だとか、
最後にキムヨナがヘルニアがあるけどきっと金とか(本当にヘルニア?)

安藤美姫に連盟がトレーナーを付けたいが、モロゾフが反対していて付けれないとか(つけてますよね?)
タラソワがプルシェンコのコーチだから欧州選手権に行くから四大陸には同行できないとか(コーチはミーシンだと思いますが?)
すごい内容。
そして、浅田真央は全日本にピークを持ってきてしまった、とも(違うと思いますが?)

多くはどうでもよい内容だったが、1つ、真実味のある記述が。
浅田に対して城田がいろいろ口出しきてうるさかったとのこと。
城田を近づけたくない浅田の母は「どうしてIDがないのに入ってこれるの?」とこぼしていたとか。
今、強化部長が城田氏のIDを五輪用に申請中らしいが、申請すんなよ、と思う。
浅田が金メダルを取ったら、荒川静香の時のように自分の手柄にするんだろうなぁ。

最後にもっとどうでも良い夕刊フジ
「復活Vの真央に立ちふさがる障害 コーチとの相性に疑問」(12/28付)

不調なら、不調で、
その不調を乗り越えたなら、乗り越えたで、
マスコミはどうしてここまで浅田真央を叩き、キムヨナを持ち上げるのか。
理解に苦しむ。
一番嫌なことは、フィギュアを知らない多くの人がそう思い込むことだ。



本題に戻るが、私はタラソワは素晴らしいコーチだと思う。
振付師としての素晴らしさは、昨季の世界王者ライサチェクが証明している。
当初、批判もあったが、あのプロがライサチェクを成長させたことは間違いない。

そして浅田真央。
タラソワに師事してから、スピンのレベルの取りこぼしが減った。
ステップが素晴らしくなった。
表現力が素晴らしくなった。

彼女はタラソワが言うように「少女から大人の女性」になった。
ロシアバレエが上手くその変化を演出してくれた。

余談になるが、ロシェットも浅田くらいの年頃の時には、ちょっと前の浅田や、コストナーのようなイメージでやや可憐な振付だった。
それが、今はセクシー路線。
某女王様もクネクネセクシー路線。
少女から大人への脱皮は、難しく、一歩間違うと下品になってしまう。
個性を出すのに失敗したり、イメージがかぶったりする。
また変な風に個性を確立すると、イメージが固定され、何を滑っても同じになる。

タラソワに師事したことで、浅田は王道で大人の女性へと変化を遂げることが出来たと思う。
SP、FS、エキシで違う顔を見せる浅田真央の「表現」の幅は素晴らしい。
様々な曲を演じ分けれることを世界に知らしめた。

今季のプログラムの素晴らしさは、まず「鐘」という選曲。
今の浅田の置かれた状況に、これ以上ふさわしい曲はないと思う。
この難曲を超絶技巧で振付ているが、難しいだけではなく、印象に残る決めポーズを繰り返し入れてもいる。
(五輪の後、真似るお笑い芸人が出るかも?)
下世話な話になるが、この曲には違う効果もある。
L.Aでの世界選手権のように女王様の信者らしき方が、奇声を上げても目立たない。
ソルトレイクのスルツカヤのように異様な雰囲気になっても、あまり気にならないはず。


タラソワはコーチとしても、プロデューサーとしても一流だ。


また、タラソワは浅田を可愛がっていると思う。
浅田は破格の扱いを受けている。
ロシアの一般人の立入不可のスポーツ施設を利用していることは広く知られていることだろう。

私が、破格の扱いと思うもう一つのことに、
アシスタントコーチのジャネッタ・フォレを長期に渡って浅田専属として日本に滞在させていることだ。
昨季も今季も。

私も素人なので選手の練習形態は良くわからないが(もっとも国やコーチによって変わるだろうが)、
多くの有名コーチは多数の生徒を抱えている。

モロゾフ門下は、選手が多すぎて、まともに見てもらえる時間が少ないという話もある。
オーサーはモロゾフほど生徒はいないが、カネに汚いらしい。
立ち読みした記事なので(文春だったと思う)、真偽の程は分からないが、時間単位できっちり課金されるとか。
例えばヨナ1人の時はいくら、リッポンと一緒に指導した場合はいくら、というようになっているらしい。

有名なコーチになればなるほど、生徒数が増え、直接指導する機会は減る。
指導する機会はアシスタントコーチが多くなる。


タラソワは、コーチの育成者としても超一流だろう。
モロゾフもプラトフもタラソワのアシスタントコーチだった。
そのタラソワが片時も話さず、教育してきたと思われるのがジャンナコーチだ。

タラソワの生徒は、おそらく数え切れないほどであろう。
その状況で、一番メインであるであろうアシスタントコーチを、たった1人の選手のために、長期に渡って異国に派遣するということは、すごいことだと思う。
メインのアシスタントコーチの不在で、タラソワ自身の負荷も大きくなっているはずだ。

荒川のコーチとなったばかりのアメリカが拠点だった頃と、今では全く状況は異なる。
ロシアはまた社会主義的な国になり、タラソワは国との縛りがきつくなった。
ロシアの国内選手権ははずせない。
彼女の一番の仕事はフィギュア王国ロシアの復活だ。
自分の教え子のためというより、ロシア全体のレベルの底上げが出来ているかのチェックや、
隠れた才能を発掘することの方が重要な任務かもしれない。
全日本に来日しないことをあれこれいう輩が多いが、そういう次元の問題ではないと思う。

ロシアが一番大事なはずタラソワが
浅田に時間もアシスタントコーチもつぎ込んでくれているのは、
ありがたいことだと思う。

今、一番点数が出るのは、カナダ人振付師だ。
しかし、ソチではどうか分からない。
そういう曖昧な基準ではなく、王道で浅田真央を育ててくれたタラソワに私は感謝をしている。