昼食後もすこし作業をして、ぼくの配置されたA-2班の今回の作業を完了しました。
(今回も参加者が多く集まり、森林限界上のA隊に数班、樹林帯のB隊に数班に分かれ、総勢60名近くでの作業でした)

できあがりの様子です。
実際のできあがりは、これからの時間が経過し、ここに雨や風や登山者の通行により砂がたまって、ということになります。
出来上がりの様子
左右のネットは、風と流水から植物の芽吹きを守り、ネットがガスの水分をとらえて適度に湿り気を保ち、張ってあることで登山者が踏み込まないため植物が育つ、と、いくつもの効果により植生が回復できるのでないかという目的であります。

4年ほど前に張られたであろうネットのところにはだいぶ草が育ったところもありました。
ここで草が育っていけば、草の根と、枯葉の積もったのがまた土を作って砂をおさえていくはずです。
草が生えてきた

細く深く水で削られたところには土嚢をちいさめに。
こういうのは結構効き目があるのですよね。逆に放置しておくとこの幅がぐんぐん広くなるわけです。
細い洗掘箇所

登山道の近くにちいさな池塘がありました。
今回撮り忘れてきたのは、前回に登山道から登山道外に水を排水した箇所において、草原に砂が流出し、影響を与えてしまっていたところで、それを改善するため、水は外に出したい、砂はとどめたい、というのが今回の作業の肝でありました。
前の記事にあった「ふとまき」の中に詰めたのは、その砂で、それには周辺の草のタネがふんだんに含まれているはずだろう、ということもありました。
今度行く機会があったら撮ってこなくてはいけません。
ちいさな池糖

振り返りは12:30くらいからでした。
各班の班長が、施工の狙い、作業内容を説明し、ほかの参加者が質問したり、アドバイザの専門家お二人が講評をしてくれます。
説明

うわあ、一面がチングルマの穂だ!
一面のチングルマの穂

ぼくらの作業箇所も振り返りと講評をしてもらいました。
施工については、参加者も経験豊富になってきたことで熟練の域に達しつつある、ということでした。
前述したように、砂がたまってからが効き目があるものであり、その時期を待ち、経過を観察して再び作業しましょうということになりました。
ぼくらの作業箇所

次の箇所では、新しい資材の投入がありました。
これはヤシ繊維で作られたポットで、砂をいれ、草原と登山道のふちで、草原から落っこちた草の株を拾って入れ、風で掘れてしまった箇所を埋める、というアプローチです。
ポットは丸で、それを充填してハニカム構造のようになっています。これもどんなふうに経過するのか楽しみですね。
ヤシ繊維のポット

振り返りの終了とともに、ガスが濃くなり、雨が落ちてきました。
下山を開始します。

下山途中でB班の作業箇所もみんなで見学しました。
B班作業箇所

このブログを読まれている方にはもう見慣れた施工方法ですね。
数年前に教えてもらった倒木と杭、土嚢、刈り払った草を使った方法です。
定番になった直し方
専門家のKさんからは「樹林帯でのこの方法はひとつの完成を見た」との評でありました。
※アドバイザさんは、専門家としての妥協の無さを感じさせる方ですので、この評価は最大限の高評価でなかったかと思われます。

下山の途中からは雨がざんざんと降ってきました。
この尾根は、全体に急勾配で、何箇所もこういった危険な箇所があります。この作業の少し前に、下山までもうちょっと、というところで滑落(というより墜落のようでしたが)して亡くなられてしまった方もあったと聞きます。
下山時の様子

ずぶぬれになって下山したのは16:30過ぎくらいのことでした。
登山口にある温泉で汗を流し、その後は、ロッジで夜の部でずいぶんにぎやかに過ごしました。
夜の部が第二の本番である!という気概の方も多くあったようです。

翌朝の寄せ書き。
寄せ書き

この寄せ書きは、今回参加してくれたスーパー助っ人のKさん(なんだかKさんが多いですね)が取り組んでいる、全国リヤカーリレー?のリヤカーにくっつけて一緒に歩かれるとのことでした。

翌朝の解散後、ぼくは一人、海岸を眺めに日本海へ向かいました。