さて、折れてしまった枝などを片付けながら、登山道を進みました。
ちいさい倒木

昨年に、湿ったところにおいた枝です。
枝を水みち(水の道、水道と書くと別な意味になってしまうのですね)を確保するようにおくと、完全には乾いてはいないもののある程度効き続けているようでした。
湿ったところの排水

ギンリョウソウは、今年はあちらこちらで数多く見かけます。やはり当たり年なのでしょうか。
ギンリョウソウ

一昨年だったかに、小石を組み合わせて作ったちいさなステップも思いのほか効いているようでした。これが人為的に並べられた小石だとどなたが気がつくでしょう?
ちいさなステップ

ところどころに太めの枝が落ちていたりもしました。
倒木

これは持参していたちいさなのこぎりで切って道の横の目立たないところへ。
後ほど、このあたりでステップや杭をこしらえるのに使えそうでした。
のこぎりは、安い剪定ノコにあさりをつけ目立てしてあるもので、あさりが程よくついていると思った以上にすいすいと切れるのです。
倒木処理後

昨年の夏に作業した箇所に着きました。
2013年9月3日「一日目の作業と宿の様子 2013朝日連峰合同保全作業2
ここは、昨年の7月の豪雨の際、深く洗掘されてしまった箇所なのですが、そこに県内あちらこちらの山岳会や山の関係者に集まっていただいて作業をしたところです。
今年になって、道の横の壁が徐々に崩れ、道に設置した段にその土がたまりはじめました。
一番下の箇所

上の写真と次の二枚は、昨年夏の作業で実施した3箇所のうち、一番下部のところです。
一番下の箇所2

段が高すぎるのでないかな?と昨年は思ったのでしたが、しっかり崩れた土を確保してちょうどよくなりそうです。もしこの段が無かったら、今年の雨でももっと下流にどんどんと土砂が流れだしてもっと深く掘られていたことでしょう。
一番下の箇所3

これは一昨年に粗朶の段をこしらえた箇所。しっかりとしています。
写真には写っていませんが、ここのすぐ下で、道の右側に細く深く掘られたところは、昨年はササの束を押し込んだのでしたが、それも効果有りで見た感じはすっかり元のとおりになっていました。
粗朶の段

一番上の作業箇所です。
ここも段差はかなり大きく作っておったのでしたが、ちょうどよくなりつつあります。
来年あたりに、この段差を軽減するように新たな段をこしらえれば歩くのにちょうどよくなりそうです。
一番上の箇所

うんうん、効いてる、効いてる。
一番上の箇所2
こんなふうに今までの作業の様子を見ながら、ところによりちょっと直して進むのはうれしいものです。

さて、この日の作業の次の内容は、水場の手入れのお手伝いでした。
ここの三沢清水は、水源が水場から10分ほどヤブを漕いでいった先にあり、そこの湧水をホースで引いているのです。
水場から先は、一般の登山中に進むのには転落、滑落の危険性が高く、クマがよく出没するので、入り込まないようにしてください。
三沢清水
ここでは小屋番さんがとりあえず伸ばしていたホースを、木の根元に落ち着くように沿わせ、ひもで固定をしました。

この作業をしていた途中からのことです。ザックにつけていた無線機から、なにやら頻繁に更新する声が。途切れ途切れの声を聞き取っていくと、銀玉水のあたりでかなりの距離を滑落してしまったパーティがあり、救助の要請があったとのことでした。
この日は、銀玉水のあたりまで標高があがるとガスがかなり濃く、雪渓でくだるべきルートを間違えたのかもしれません。命に別状なく救助されたとのことでなによりではありました。

ホースの固定作業は、ぼくが自分でできる分は終え、あとは小屋番さんに後日確認していただくことにしました。
小屋番さんは、なにしろ手先が器用で、なんでも自分でこしらえてしまうような方で、この偉大な先輩の作業の様子を、ぼくは時折どんなふうにしてあるのか盗み見をして覚えていかなくては、という段階なのであります。

綺麗なルリハムシがちょこんと葉っぱの上に。これはどうみても瑠璃色では無く緑色の金属光沢なわけですが、図鑑でもっとも特徴の似ているのはルリハムシなのでした。地域によって発色が違うのかもしれませんね。
ルリハムシ

下山して日暮れ間近だなあ、という時間帯になってきたので、古寺鉱泉へ向かいました。