古寺山を過ぎるといよいよ山の花たちの登場でありました。
ハクサンチドリは前の週よりたくさん咲いていて、あちらこちらにあるのでありがたみが減ってしまう感じがするほどでした。
ハクサンチドリ

小朝日岳の巻き道の分岐のあたりは例年、雪が遅くまで残ります。
ここで12時20分ほどになっていました。
小朝日の巻き道分岐

今回は、前の日に、小屋番さんが巻き道を通れるように除雪したからね。と連絡があったため巻き道を通ることにしました。
巻き道もなかなか見晴らしがよいところがあります。この時間帯は晴れてきて、隣の尾根のユーフン山が見えました。その向こうの以東は残念ながら最後まで頂上を見せてくれることはありませんでしたが。
見晴らすユーフン、向こうに以東

巻き道に横たわる雪渓の一部がスコップで削ってありました。小屋番さんがしてくれたのですね。ちょっと強度に不安があったので、一気には乗らないように1~2人ずつ通過する具合に渡ってもらいました。(この日の夜から翌朝にかけて降水があり、残雪全体が下にずり落ちている懸念があったので翌朝は、巻き道は通らず小朝日岳山頂経由にしました)
巻き道の雪渓

巻き道を通過中の様子。
しゅっと手をエレガントに伸ばして撮影中のムサママさん。
巻き道

巻き道を通過し、小朝日山頂経由の登山道と合流してすぐに熊越えと呼ばれる小朝日、大朝日の最低鞍部で休憩を。ここで、背負ってきたさくらんぼを味見していただきました。

再び出発し、花を眺めつつ進みました。
ガスの水滴をつけたガクウラジロヨウラク。
ガクウラジロヨウラク

大朝日が近くなるにつれだんだんとガスが濃くなり細かい雨粒も混じるようになってきました。
これは上まで止まないなと思われたものですから、みんなでレインウェアを着込みました。
登山道沿いには相変わらずヒメサユリが咲いております。
ガスの中を登る

現場で名前を思い出せなかった花。
ツツジの仲間のこういうちいさな花がどうも苦手ですぐに忘れてしまいます。
コケモモ、でしたね。風花さんが思い出して教えてくれました。
コケモモ


撮影中。ブルーロイさんがたしかネバリノギランを撮っていた記憶があります。
撮影中

熊越えから登りながら700mほど大朝日側に行くと1591mの三角点があり、そこから銀玉水までは晴れていれば気持ちのよい尾根の上の散歩道になります・・・が、この日はガスでしたね。

14時ちょうどくらいに銀玉水に到着。
銀玉水からは雪の上を歩くことになります。銀玉水で小屋での泊まりで使う水を確保してもらい、軽アイゼンを着けるかたは、ここで着けてくださいね。という具合でした。
銀玉水でアイゼンを

銀玉水を登ります。
この日もそうでしたが、雪の上を歩く際は、登山道が見えませんのでガスが濃いと方向を見失ってしまいます。
銀玉水で地形図を使用してコンパスをセットしその方向を頼りに進みました。(翌日の下山時も同様でした)ここの残雪は東西に尾根上に残り、北に逸れても、南に逸れても徐々に急になっていって沢へ滑落するような地形になっています。傾斜が強くなると軽アイゼンはほとんど役に立たなくなりますから恐ろしいことです。逆に逸れなければそんなに傾斜は強くはありません。
銀玉水を登る
※実は、つい数日前にここで滑落して救助要請のでる事故がありました。大事に至らなかったのでなによりでしたが、銀玉水からだいぶ下がったガンガラ沢のY字の合わせ目あたりまで落ちていたようなことを聞きますので道を逸れてしまった可能性があるなあと思っておりました。残雪期は特に地形図とコンパスを忘れないようにしようと気持ちを新たにしました。

雪の上をみんな無事に通過し、その上のちょっと急なところを登ると道はいきなりゆるやかになります。付近は高山帯という雰囲気になり、そこから進んでいくと奥の院のところへ。
奥の院

周りにはヒナウスユキソウが。
ヒナウスユキソウと登山者たち

ほどなく小屋に到着し、小屋番さんへ到着の報告をしました。
風は穏やかですが、ガスが濃く、山頂へ行っても展望もなにもないなあ、とこのまま小屋へ・・・、と思ったのでしたが、ふと考えてみれば、ぼくは山頂に用事は無いですが、遠くから来た方は山頂へはぜひ行ってみたいのかもしれないと思い出し、山頂へ。
翌朝に晴れたら行けばよいか、と一瞬頭をよぎりましたが、風の無い今のうちに行っておいたほうがよいのかなという具合でありました。

というわけで山頂へ。写真の時刻データによると15時21分のことでした。
みなさま、よくがんばりました。
山頂です

三角点へタッチ。
三角点

小屋に戻り、この後はそれぞれ夕食の準備と食事になりました。
ここで、一階でこそこそと芋煮をこしらえ、たけのこをむいてゆで、という作業を。せっかく山形へ来てくれた方もあるわけですからね。
鐘

今回は、一日目の後半から雨交じりになり、翌日もスタート時点と後半は雨になりました。
いつもにくらべてずいぶん写真が少なくなっておりました。

一応、進み具合の経過はこんな具合だったようです。

6/28 - 6/29

古寺鉱泉から出発 8:00
一服清水 9:41
ハナヌキ分岐 10:07
古寺山 11:38
巻き道分岐古寺山側 12:22
巻き道分岐大朝日岳側 12:47
銀玉水 14:01
山頂 15:21

登り 約7時間30分

小屋発 6:30
銀玉水 7:22
小朝日岳 8:51
古寺山 9:50
三沢清水 10:25
鉱泉着 12:30

下り:約6時間

次は、下山時の奇跡的な晴れ間とさくらんぼ狩りの様子です。