ふう、ちょっとせわしない週末になっており、昨夜は帰ってから日記を書こうとしていたら眠ってしまっており、今朝は朝から田植えの準備や来客やらでもう昼近くになってしまいました。

さて、先週にちょこっと散歩した際の花たちの様子の続きです。
タヌキのトイレから、田んぼのほうへ細い道を通って行くと、田んぼ上部の狭い谷間へ着きます。
日陰になるような斜面には、スミレサイシンがいくつも咲いていました。
スミレサイシンは日本海側の雪の多いところに分布する大型のスミレです。葉の大きく紙のような質感なのが特徴的で、これはほかのスミレとはまるっと雰囲気が違うので、スミレのなかではわかりやすいものだなと思います。
山の草とか花とか虫とか-スミレサイシン

同じような環境で、より平らなところにはエンレイソウがありました。その足元にはまだつくしが残っております。
山の草とか花とか虫とか-エンレイソウ

谷間からすこし下って水路のあるところを通ると、水路には今年もトウホクサンショウウオの産卵がありました。うれしいですね。左のちいさな葉は、アオウキクサのようですね。
山の草とか花とか虫とか-トウホクサンショウウオのたまご

段々の田んぼを降りていくと、くろ(畦)にはノミノツヅリがちいさく白い花をつけておりました。左上のちょっと赤味がかったつぼみはミミナグサです。
山の草とか花とか虫とか-ノミノツヅリ

田んぼのふちは日当たりがよいのと、定期的に草刈りするので明るい場所を好む草たちが生えます。
山の草とか花とか虫とか-カキドオシ群生

うちの田んぼには、あちこちにハッカがあります。
ハッカは、そうですね。あまり野生のものは見かけないように思います。
湿り気が絶えないけれど、日当たりがよい、そんな場所を好むように思います。
山の草とか花とか虫とか-ハッカ

田んぼの下のほうへ行くとミツデカエデが花の時期になっていました。
山の草とか花とか虫とか-ミツデカエデ

ミツデカエデ、口に出してみると「デ」が二回出てきてなんとなく語呂がよろしくなく、三つの葉だからミツバカエデのほうが合うのでないかという感じがありますが、ほかに三つの葉を持つメグスリノキがミツバカエデと呼ばれることもあってちょっと混乱してしまうのでミツデカエデ、でしかたないのかと思っておりました。
メグスリノキとこれとは、葉の三つなのは同じですが、葉のぎざぎざや花の密度などが異なっているようです。
山の草とか花とか虫とか-ミツデカエデ 葉と花

段々の田んぼの下のほうにはルリソウがありました。
花序の先の花は青く、根元近くのは薄い赤紫のようになっております。
花は1cmほどでしょうか。ムラサキ科の道端の草のなかでは花が大きく豪華な感じがします。
葉は細かく毛が生えて柔らかな見た目で、花がいかにも豪華な様子などは、山や道端にある野生の花でなく花壇や鉢植えなどの園芸種のような雰囲気の草ですね。
山の草とか花とか虫とか-ルリソウ

近くにはキバナノイカリソウ。
山の草とか花とか虫とか-キバナノイカリソウ

山あいの谷間に作られた段々の田んぼは、単に棚田でなく谷内田、谷地田、谷津田、谷戸田、などと呼ばれいろんな表記があります。
このような谷間の田んぼは、平野部の平らな田んぼの草たちの様子ともまた違って、谷間の日当たりがいろんな条件があることや、周りの山林との行き来、段々の田んぼの乾燥気味のところ、湿ったところ、水はけがよいのに湿っているところ、そんなふうにいろいろな環境が混じったところになります。そしてなにより、人が定期的にこまめに手入れするので大きさ木や草ばかりになってしまうのではなく、ちいさないろんな状態の草むらにかなり多くの種類の草たちが住まえるのだなあと実感があります。
そしてまたいろんな植物があるということは、いろんな虫もいるということです。丹念に見ていけば、こういう田んぼなどは一日山歩きしたのと同じくらいに植物のバリエーションは豊富だろうと思います。30年間ほど通っているぼくにも、このちいさな範囲の田んぼに、何種類の草たちがあるものだかよくわかりません。虫にいたっては、行く度によくわからない虫たちに出会います。

このあとは、森の中の道を通っておうちへ帰ります。