分岐からは、山の斜面にきられた道を進むと牧草地があります。
この牧草地は、子どものころに父と幾度か来て、模型の飛行機を飛ばしたり、自転車でえっちらおっちらやってきたりしていました。
草の先をふたつ束ねて結んで、「ばったり」というわなを作ったりした記憶もありますが、そういういたずらは、ひっかかってくれる方がいないと空しいものだなあと思いました。(そういうわなは、あとで本気でひっかかると危険なので気が済んだらほどきましょう)

ぐんにゃり曲げてみたウリハダカエデの枝の先。
小屋番さんの出身の集落では、これを「おっかのき」と言っていたそうです。
「おっか」は「おっかさん」の「おっか」でしょうか?
で、これもかんじきの材料に使ったそうです。
かんじきに使われる木で有名なのは、マルバマンサクとオオバクロモジなのですが、その二種は日本海側の亜種とされていて、雪に埋もれたときにしなって折れないようにしなやかな枝に変化しているのだそうです。マルバマンサクとマンサクに錘で負荷をかけて折れ方の違いを測った資料を以前に見たことがありました。マルバマンサクは方言で言うと、「すなこい」んですね。
ウリハダカエデは各地にありますが、ここのものと、雪の少ないところのものと、曲がり方などに変化があるものか興味が湧きます。

峠の分岐のところまできました。ここの峠は風の通り道になっています。
ちいさな看板には、大きなスギまで残り4kmと書いてありました。
だけれど今回も、途中で道からそれてショートカットするので、4kmよりも短い道のりになります。

進む道の周囲は、スギの植林になったり、ミズナラ主体の雑木林になったり。
葉がたくさん残っているミズナラが目につきました。

そのうちの一本に近づいて見てみると、幹に穴があいて粉が出てきています。
葉が残っているのは、昨年の夏に枯れてしまったものでしょうか?
それとも、樹勢が衰えて、今年あたりに枯れてしまうものでしょうか?

その根元には、おがくずのように粉がたまっておりました。
各地で問題になっているナラ枯れの菌を運ぶカシノナガキクイムシのものだろうと思います。
うちの近くでは、街のほうの集落からだんだんとこちらに来ていると聞いていましたが、ここでも起きているようです。(もう各地に広まっていて、どちらから来るというようなレベルでもなくなっている気がしますけれど)
詳しく書くと長くなるので、まだご存知でないかたは「ナラ枯れ」で検索してみてください。

大きなスギのあるところにショートカットするのに降りる場所を確かめながら進みます。
道はクルマが通れる勾配に作ってあり、道のままに行くと、たいへんに遠回りになってしまいます。

ここだな!というところを見つけて、道から下って行きました。
雑木林を抜けると、その下には夏に畑を作ってある斜面になりました。
スキーで滑降するのに格好の斜面(すみません、まだ駄洒落が)。
なのですが、この日は、雪の表面が湿って重く、その下の層は乾き気味の雪でなんとも曲がりにくい雪でした。ぼくのスキーの腕前では、横にすい~っと進んでキックターン、もしくはぐぐぐっと大きく曲がるのがせいぜいでした。

雑木林を抜けたあたりでふもとのほうに目指すスギの木が見えました。

下るほどにだんだん大きく見えるスギの木。
木の枝の広がった右端のあたりにT先輩が粒のように見えます。
ほんとうに一樹でひとつ森のあるような巨大さです。

先輩はザックを下ろしてスギの木に近づいていきます。
一人で来ると、こういうふうに人の大きさと比較して撮られませんね。

根元近くの幹に、H先輩に近づいてもらって撮りました。
夏には、木の周りは根の踏みつけ防止のため木道になっていて近寄れませんが、雪があれば踏みつけることもないので近寄れます。
こうやって見てみると、ほんとうに尋常でない太さでないなというのがわかるように撮れました。

木の枝の広がる下にある山の神様のお堂には、参観記念の冊子がふたつ入っている箱があり

一冊目を持ってみると、冊子の間に大豆くらいのころんと丸めのシルエットのカメムシが冬眠中でした。
このカメムシくんはよく見かけますね。背中に白い模様があるのが特徴的で、ツマジロカメムシという名前のようです。
昔、マスカットのジュースの口を開けっ放しにしてあり、このカメムシくんが入り込んでいるのに気がつかずに飲んでしまって、口のなかでカメムシがじたばたしているのでようやく気がついたことがありました。その後数日間、胸焼けがひどかったのはそのためだったのでしょうか。
マスカットの香りと、カメムシの香りはちょっと似ているので気がつかずに飲んでしまったのですね。カメムシくんそのものは、飲み込まずに口からつまみだしました。彼も驚いたことだったでしょう。ぼくも、この虫は食べられないもの、と学びました。

目的地のスギの木に着いたのは12時30分ごろ。
それから遅めになってしまった昼食をとり、13時過ぎに帰り始めになりました。
今年は、1月の寒いころにスギの枝振りが真っ白になっているのを撮りたかったのでしたが、前日の暖かさでスギの枝には雪が少なく、昨年とおなじようになっていたのがすこし残念でした。
おはなしは帰り道の様子に続きます。
この牧草地は、子どものころに父と幾度か来て、模型の飛行機を飛ばしたり、自転車でえっちらおっちらやってきたりしていました。
草の先をふたつ束ねて結んで、「ばったり」というわなを作ったりした記憶もありますが、そういういたずらは、ひっかかってくれる方がいないと空しいものだなあと思いました。(そういうわなは、あとで本気でひっかかると危険なので気が済んだらほどきましょう)

ぐんにゃり曲げてみたウリハダカエデの枝の先。
小屋番さんの出身の集落では、これを「おっかのき」と言っていたそうです。
「おっか」は「おっかさん」の「おっか」でしょうか?
で、これもかんじきの材料に使ったそうです。
かんじきに使われる木で有名なのは、マルバマンサクとオオバクロモジなのですが、その二種は日本海側の亜種とされていて、雪に埋もれたときにしなって折れないようにしなやかな枝に変化しているのだそうです。マルバマンサクとマンサクに錘で負荷をかけて折れ方の違いを測った資料を以前に見たことがありました。マルバマンサクは方言で言うと、「すなこい」んですね。
ウリハダカエデは各地にありますが、ここのものと、雪の少ないところのものと、曲がり方などに変化があるものか興味が湧きます。

峠の分岐のところまできました。ここの峠は風の通り道になっています。
ちいさな看板には、大きなスギまで残り4kmと書いてありました。
だけれど今回も、途中で道からそれてショートカットするので、4kmよりも短い道のりになります。

進む道の周囲は、スギの植林になったり、ミズナラ主体の雑木林になったり。
葉がたくさん残っているミズナラが目につきました。

そのうちの一本に近づいて見てみると、幹に穴があいて粉が出てきています。
葉が残っているのは、昨年の夏に枯れてしまったものでしょうか?
それとも、樹勢が衰えて、今年あたりに枯れてしまうものでしょうか?

その根元には、おがくずのように粉がたまっておりました。
各地で問題になっているナラ枯れの菌を運ぶカシノナガキクイムシのものだろうと思います。
うちの近くでは、街のほうの集落からだんだんとこちらに来ていると聞いていましたが、ここでも起きているようです。(もう各地に広まっていて、どちらから来るというようなレベルでもなくなっている気がしますけれど)
詳しく書くと長くなるので、まだご存知でないかたは「ナラ枯れ」で検索してみてください。

大きなスギのあるところにショートカットするのに降りる場所を確かめながら進みます。
道はクルマが通れる勾配に作ってあり、道のままに行くと、たいへんに遠回りになってしまいます。

ここだな!というところを見つけて、道から下って行きました。
雑木林を抜けると、その下には夏に畑を作ってある斜面になりました。
スキーで滑降するのに格好の斜面(すみません、まだ駄洒落が)。
なのですが、この日は、雪の表面が湿って重く、その下の層は乾き気味の雪でなんとも曲がりにくい雪でした。ぼくのスキーの腕前では、横にすい~っと進んでキックターン、もしくはぐぐぐっと大きく曲がるのがせいぜいでした。

雑木林を抜けたあたりでふもとのほうに目指すスギの木が見えました。

下るほどにだんだん大きく見えるスギの木。
木の枝の広がった右端のあたりにT先輩が粒のように見えます。
ほんとうに一樹でひとつ森のあるような巨大さです。

先輩はザックを下ろしてスギの木に近づいていきます。
一人で来ると、こういうふうに人の大きさと比較して撮られませんね。

根元近くの幹に、H先輩に近づいてもらって撮りました。
夏には、木の周りは根の踏みつけ防止のため木道になっていて近寄れませんが、雪があれば踏みつけることもないので近寄れます。
こうやって見てみると、ほんとうに尋常でない太さでないなというのがわかるように撮れました。

木の枝の広がる下にある山の神様のお堂には、参観記念の冊子がふたつ入っている箱があり

一冊目を持ってみると、冊子の間に大豆くらいのころんと丸めのシルエットのカメムシが冬眠中でした。
このカメムシくんはよく見かけますね。背中に白い模様があるのが特徴的で、ツマジロカメムシという名前のようです。
昔、マスカットのジュースの口を開けっ放しにしてあり、このカメムシくんが入り込んでいるのに気がつかずに飲んでしまって、口のなかでカメムシがじたばたしているのでようやく気がついたことがありました。その後数日間、胸焼けがひどかったのはそのためだったのでしょうか。
マスカットの香りと、カメムシの香りはちょっと似ているので気がつかずに飲んでしまったのですね。カメムシくんそのものは、飲み込まずに口からつまみだしました。彼も驚いたことだったでしょう。ぼくも、この虫は食べられないもの、と学びました。

目的地のスギの木に着いたのは12時30分ごろ。
それから遅めになってしまった昼食をとり、13時過ぎに帰り始めになりました。
今年は、1月の寒いころにスギの枝振りが真っ白になっているのを撮りたかったのでしたが、前日の暖かさでスギの枝には雪が少なく、昨年とおなじようになっていたのがすこし残念でした。
おはなしは帰り道の様子に続きます。