こないだの日曜のこと。
やまがた藝術学舎というところで、「山形エクセレントデザイン2011」の受賞作品などの展示があり、見に行ってきました。

この山形藝術学舎は、かつての県知事さんの公舎・公館として使われていたところですが、今は払い下げになり、近くの大学で運営する芸術関係のスペースになったそうです。
山の草とか花とか虫とか-やまがた藝術学舎

昔、学生のころにこの近くに住まいしていたことがあり、この前もなんども通っていたのですが、まさか入れるようになるとは思いもしませんでした。
展示の前に、こちらの建物が興味深かったです。
山の草とか花とか虫とか-やまがた藝術学舎 近くから

思いがけず内装は、シンプルなギャラリのようなつくりになっていました。
受賞作品と、県内のデザインワークなどが展示されていました。
山の草とか花とか虫とか-館内

こちらは、県内のデザイン関係の事務所のお仕事のようです。
食品のパッケージですね。
食事は、イメージで食べるものでもあり、お料理に器が大事なように、パッケージも印象の大きな部分だなあと思います。いなごふりかけ、食べてみたくなります。
山の草とか花とか虫とか-パッケージ

こちらは別な事務所のもののようです。
右下のてぬぐいは、庄内特産のだだちゃまめがパターンにあしらってあります。
まんなかのうさぎのようなのは、口元にだだちゃまめのちびっこいきゃらくたがついていました。
山の草とか花とか虫とか-てぬぐいなど
うえのふたつの写真は、グラフィック関係の紹介で、受賞作品ではないようでした。

さてさて、ここからはプロダクトデザイン関連のようです。
刺し子用のミシンが展示されていました。
刺し子ミシンは2009年の受賞で、今回は、展示とあわせたワークショップのため展示してあるようです。
ミシン自体をデザインしたのでなく、刺し子を作れますというのをデザインしたのですね。
山の草とか花とか虫とか-刺し子ミシン

さて、ここからは受賞作品。
全部でなく、気になったものだけ載せてみましょう。
まずは、木工のおもちゃ。
さおの先に、ビーズのようなのがついており、さかなは薄い木の板をはりあわせる成型合板でつくられていました。
山の草とか花とか虫とか-木工のおもちゃ

にゃ~ん
山の草とか花とか虫とか-にゃ~
ええと、これはイスですね。ダンボール家具にねこの顔です。

地場産業の技術を新しいかたちにしたようなコーナーの受賞作品。
山の草とか花とか虫とか-地場産品

これはこめびつのようです。
桐の木で作ってあります。
うちにも、木製品の米を入れる箱などがありますが、何年前から使われているのかわからないほどです。100年くらいは経っているかもしれません。
桐の木はたいへんに長持ちで、このこめびつもきっと何十年どころでなく持つことでしょう。
桐材の保存性のよさはどなたでももうご存知だと思います。
軽く加工に優れ、加工後も狂いが少なく、保湿、防湿、密閉が良いので防虫、保温。
値段を聞いたら10,000円ほどと高価でしたけれど、耐用年数と保管時の米の美味しさを保つ性能を考えたら決して高くないのかもしれません。
プラスティックは、思ったよりも長持ちしないし、湿気を調整もしないので、あまり米の保管には向かない気がします。
山の草とか花とか虫とか-こめびつ

こちらは、鋳物のケトル。
もち手のところは成型合板になっていました。
山形は実は鋳物工場もいくつもあるのです。日本一の芋煮の大なべも鉄加工の技術でもってこしらえたのです。
自動車のピストン加工だとか、そういう鋳造工場も多くあります。地場産品を工夫して使ってみたくなるようなものに、という感じがしました。
山の草とか花とか虫とか-鋳鉄のやかん

ところで、建物は外から見たらふるい茅葺屋根のような形状の屋根でしたが、中から見たらRC造になっていました。
山の草とか花とか虫とか-建物

藝術学舎となっていましたが、今回はデザインの展示でした。
学生のころに、友人たちと、「アートとデザインはどう違うのか」というのは、よく話題にして話をしていました。
どちらも絵を描くのでしょう?と思われがちなのですが、そういう似たようだけれど違うものは、どういうことなんだろう?と一度は分解するように考えてみるとよいのだと思います。

アートの場合には、表現そのものを目的とし、美しさなどを突き詰めるようなものであろうかと思います。
デザインの場合には、なにかしらの役に立つために、美しさやそういうのを用いるということになるでしょうか。
ぼくの当時の先生の言うことには、「ロッキーチャックくんねえ、デザインとはつまり『御利益』が必要なんだよ」ということでありました。

絵画作品も、ポスターのデザインもおなじく平面になにか描いたものではあっても、例えば、コンサートのポスターの場合には、こういう場所に行って、こんな気分になる、というのが見た目で感じられ、そこに行かなくっちゃ!というようになるのを目的としているわけです。
イスの場合には、座りたくなるように、クルマのステアリングなら、はじめてみても、どこを握るのだかわかるようにデザインしてあるわけですね。

別なことでたとえるなら、科学と工学の関係に似ているかもしれません。
科学の場合には、そこでなにがどうなってどういうことが起きているのでしょう?というのであり、工学の場合には、そこでなにがどうなってこういうふうになるのをこんなふうに使いましょう、ということになりますでしょうか?
科学のほうから見ると、工学は、「工学なんてなんだか俗っぽいことをやっている」というように見え、工学のほうからは「理屈ばかりで役にたたねえじゃねえか」というようなことがあるそうです。

これらは、どちらが正しいとかエライとかいうのでなくて、それぞれの成果をそれぞれに浴していけばよいのですね。

アートとデザイン、科学と工学と、あ、あと科学技術なんて単語もありました。
ええい、面倒だから一緒でいいじゃないかというので別にかまわないんですが、いろいろな草のあるのを雑草とひとくくりにしてしまうと、そこからなんにも面白くなくなってしまうのとおんなじです。せっかく言葉として分節してあるのだから、それぞれに一度くらいはいろいろ考えてみて、まあ、そんなもんだねえとしておけばよいのだと思います。

ぼくは過去に、いろんなものを作るのを学んでいたのですが、いろんなことを書いてみたところで、致命的に美的センスが足りなかったためにものづくりの分野には進まれませんでした。

明日は、デザインハウスというのを紹介します。