いたいた!ハンミョウです。これはミヤマハンミョウのようです。
昨日の穴の中にいたハンミョウと同じ種類かもしれません。

いえいえ。虫ばかりみているわけにもいきません。
作業を始めなくては。
でも、その前に、一緒に登った大学の先生が見ていたのはこういった岩の間などのちいさな草などでした。
これはイワカガミのちいさいのですね。
写真のしたに写っているのがぼくの指先です。指先ほどのほんのちいさな株でした。

こちらはもっとちいさなチングルマの株。これは昨年に芽生えたのか、今年なのか?
このほかにも、ひとつまみくらいの茂みのチングルマなどもあり、先生のおっしゃるには、それでも7~8年くらい経っていそうだね。ということでした。
高い山で育つのはたいへんなことですね。

石の周りを見ていたのは、ここはまわりが草原のようになっていて、そのなかを通る登山道のところは植生が失われて砂のようになっているのですが、大きめの石などの陰や隙間には、うえのようなちいさな芽吹きがあるのです。
仮説としては、石に山のガスが吹き付けて水分になりちょっとずつ水分が継続的に補給されるからというのや、石に直射日光があたりその周りがすこし保温されるのではないか、とか。ちいさな石でも風除けのようになって育ちやすいのかなとか、いろんな要因がありそうだとのことなのです。
さて、作業ですね。
これは資材です。ヤシの繊維が入っています。
資材は、この日よりも先に、荷揚げしてくださったかたがたくさんおり、この日は背負って登らずにすみました。
100tと書いてあります。ヘリだとか、そういうのに頼らずに山の上に、あの急なところを背負って登るのですから、それくらいの、100tくらいのありがたみがありますよね。

この日は、いくつかの作業を、班ごとにいくつかの箇所に分かれて実施しました。
これは登山道を流れる水を登山道の外へ導くためのものです。
この箇所では、道がえぐれて、まわりの草原と段差がありましたから高めに積むことになりました。茶色のものは、ヤシ繊維のネットのようなもので、このなかに石やヤシ繊維を巻き込んで設置しました。このままだとほどよく水を流すのですが、徐々に上流に土砂がたまって登山道外に水を導くようになってくれるはずです。なお、赤い服のかたが繊維を詰めている袋は、ヤシ繊維で出来た土嚢のようなものです。

水が流れて侵食される(ガリー侵食というのだそうです)ところには、水の勢いを抑え、上流に土砂ダムを作っていくためにこのように石やヤシ繊維の土嚢とあわせて設置しました。
繊維と砂とが組み合わさると、簡単には崩れないようなしっかりしたものになるそうです。

素材はこんなふうに組み合わせても使いました。
ヤシ繊維のネットは今回の作業で初お目見えの資材です。
その手前のもしゃもしゃしたのはヤシ繊維。これは効率的に流れてくる水のなかの砂を捕捉してくれ、砂と組み合わさってFRPとおなじような理屈でしっかりしたものになるのですね。周囲のチマキザサも入っております。ササは回復が早く現地調達の資材として有効です。

今回は、周囲の草原から、種子を採取して播種しました。

そのうえに、緑化ネットを敷いていきます。
緑化ネットといっても、タネが仕込んであるわけではありません。そうしてしまうと、どこかほかのところからの植物の持ち込みになってしまいますから。あくまで、植物は現地のものがひとりでに増えるのお手伝いする緑化の方法なのですね。
ネットは麻繊維で出来ていて、今回使用したものは、昨年までの見慣れたものよりも目が細かくふわふわしていました。それが来年あたりどう変化のあるものか興味深いところです。

緑化ネットを敷くのにはいくつかの狙いがあります。
ネットで砂が移動するのを抑えて植物の芽が出て根を張りやすくする。麻の繊維で保水する。砂の流失を防ぐ。現にある植生との境界部の保護。新芽を風と低温からの保護。そして、ネットが張ってあることで、歩行路と別にして踏みつけの防止。などが考えられます。
(書き漏れがあるかもしれません)
こちらは、2年前に施工したところです。
ここは上手いこと草が生えてきました。

ちいさなセリの仲間!

ここにもチングルマのちいさいのが!(チングルマは草でなく木ですが)

これはネバリノギランの葉のようです。
粘り強く育って欲しいものです。

ね。ネットの繊維が効いているなあ、という様子がありますよね。
しかし、同じような条件に見えても、芽吹きのない箇所などもあって、そういう事例と観察を続けてケースを積み重ねていかないといけないのです。
むむ、難しい。
今週末は、朝日連峰の三方境というところでの作業なのですが、三方境はもうすこし規模が大きく裸地化して砂山のようになっているところもあります。
作業後には、こんなふうに各班での箇所を、どのような狙いで実施したかについてみんなで話し合いや講評を持ちます。各班には、班長として経験の多いかたが入っていてリーダーを担って作業したのです。
左に一人立っていらっしゃるかたは、Iさん、飯豊のボスのような方、山のプロフェッショナルです。

こうやって、ちいさな植生が回復していって、だんだん根を張り、土をネットに変わって押さえていくようになっていってくれればということなのですね。
なお、こういうネットなどは、こういうわけで敷いてあるものですから、踏みつけにしないで歩くようにお願いいたします。芽吹いたばかりの芽ですから、ごつごつの登山靴で踏まれたらひとたまりもありません。
山歩きの上手な方というのは、きっと足元も丁寧に歩かれる方のことだろうと思います。
昨日の穴の中にいたハンミョウと同じ種類かもしれません。

いえいえ。虫ばかりみているわけにもいきません。
作業を始めなくては。
でも、その前に、一緒に登った大学の先生が見ていたのはこういった岩の間などのちいさな草などでした。
これはイワカガミのちいさいのですね。
写真のしたに写っているのがぼくの指先です。指先ほどのほんのちいさな株でした。

こちらはもっとちいさなチングルマの株。これは昨年に芽生えたのか、今年なのか?
このほかにも、ひとつまみくらいの茂みのチングルマなどもあり、先生のおっしゃるには、それでも7~8年くらい経っていそうだね。ということでした。
高い山で育つのはたいへんなことですね。

石の周りを見ていたのは、ここはまわりが草原のようになっていて、そのなかを通る登山道のところは植生が失われて砂のようになっているのですが、大きめの石などの陰や隙間には、うえのようなちいさな芽吹きがあるのです。
仮説としては、石に山のガスが吹き付けて水分になりちょっとずつ水分が継続的に補給されるからというのや、石に直射日光があたりその周りがすこし保温されるのではないか、とか。ちいさな石でも風除けのようになって育ちやすいのかなとか、いろんな要因がありそうだとのことなのです。
さて、作業ですね。
これは資材です。ヤシの繊維が入っています。
資材は、この日よりも先に、荷揚げしてくださったかたがたくさんおり、この日は背負って登らずにすみました。
100tと書いてあります。ヘリだとか、そういうのに頼らずに山の上に、あの急なところを背負って登るのですから、それくらいの、100tくらいのありがたみがありますよね。

この日は、いくつかの作業を、班ごとにいくつかの箇所に分かれて実施しました。
これは登山道を流れる水を登山道の外へ導くためのものです。
この箇所では、道がえぐれて、まわりの草原と段差がありましたから高めに積むことになりました。茶色のものは、ヤシ繊維のネットのようなもので、このなかに石やヤシ繊維を巻き込んで設置しました。このままだとほどよく水を流すのですが、徐々に上流に土砂がたまって登山道外に水を導くようになってくれるはずです。なお、赤い服のかたが繊維を詰めている袋は、ヤシ繊維で出来た土嚢のようなものです。

水が流れて侵食される(ガリー侵食というのだそうです)ところには、水の勢いを抑え、上流に土砂ダムを作っていくためにこのように石やヤシ繊維の土嚢とあわせて設置しました。
繊維と砂とが組み合わさると、簡単には崩れないようなしっかりしたものになるそうです。

素材はこんなふうに組み合わせても使いました。
ヤシ繊維のネットは今回の作業で初お目見えの資材です。
その手前のもしゃもしゃしたのはヤシ繊維。これは効率的に流れてくる水のなかの砂を捕捉してくれ、砂と組み合わさってFRPとおなじような理屈でしっかりしたものになるのですね。周囲のチマキザサも入っております。ササは回復が早く現地調達の資材として有効です。

今回は、周囲の草原から、種子を採取して播種しました。

そのうえに、緑化ネットを敷いていきます。
緑化ネットといっても、タネが仕込んであるわけではありません。そうしてしまうと、どこかほかのところからの植物の持ち込みになってしまいますから。あくまで、植物は現地のものがひとりでに増えるのお手伝いする緑化の方法なのですね。
ネットは麻繊維で出来ていて、今回使用したものは、昨年までの見慣れたものよりも目が細かくふわふわしていました。それが来年あたりどう変化のあるものか興味深いところです。

緑化ネットを敷くのにはいくつかの狙いがあります。
ネットで砂が移動するのを抑えて植物の芽が出て根を張りやすくする。麻の繊維で保水する。砂の流失を防ぐ。現にある植生との境界部の保護。新芽を風と低温からの保護。そして、ネットが張ってあることで、歩行路と別にして踏みつけの防止。などが考えられます。
(書き漏れがあるかもしれません)
こちらは、2年前に施工したところです。
ここは上手いこと草が生えてきました。

ちいさなセリの仲間!

ここにもチングルマのちいさいのが!(チングルマは草でなく木ですが)

これはネバリノギランの葉のようです。
粘り強く育って欲しいものです。

ね。ネットの繊維が効いているなあ、という様子がありますよね。
しかし、同じような条件に見えても、芽吹きのない箇所などもあって、そういう事例と観察を続けてケースを積み重ねていかないといけないのです。
むむ、難しい。
今週末は、朝日連峰の三方境というところでの作業なのですが、三方境はもうすこし規模が大きく裸地化して砂山のようになっているところもあります。
作業後には、こんなふうに各班での箇所を、どのような狙いで実施したかについてみんなで話し合いや講評を持ちます。各班には、班長として経験の多いかたが入っていてリーダーを担って作業したのです。
左に一人立っていらっしゃるかたは、Iさん、飯豊のボスのような方、山のプロフェッショナルです。

こうやって、ちいさな植生が回復していって、だんだん根を張り、土をネットに変わって押さえていくようになっていってくれればということなのですね。
なお、こういうネットなどは、こういうわけで敷いてあるものですから、踏みつけにしないで歩くようにお願いいたします。芽吹いたばかりの芽ですから、ごつごつの登山靴で踏まれたらひとたまりもありません。
山歩きの上手な方というのは、きっと足元も丁寧に歩かれる方のことだろうと思います。